2012年8月26日日曜日

備えよ!! ロジスティクス・サポートとは何か!

備えよ!! ロジスティクス・サポートとは何か!
備えよ!! ロジスティクス・サポートとは何か!矢澤 元 小林源文

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はい、夏の読書。ロジスティクスについての本第二弾です。

今年の夏、コミケでトラブルがあったのをご存知でしょうか。宅配便事前搬入-引渡しの段階で、いままでサークルスペース順に並んでいたのが、サークル名順になってしまい、フリーマーケットばりの島置きだったために混乱が生じた模様です。おまけにどの島がどのサークル名なのか。という問題あって、ちょっとTwitterのTLをにぎわせていましたね。

この問題、初日にこの事態を認識したコミケスタッフが、人力(!)で荷物を再配置して解決したとのことですが、色々示唆に富んでいます。従来までの方法がどうして守られなかったのか、宅配業者とコミケ運営サイドとの間でやり取りはなかったのか、など色々なことが検討されるでしょうか。

無論上記のケースは民間企業とコミケ運営サイドの問題でもあるのですが、一日10万人を軽々とこてる大イベントですから、そこにはロジスティクス的に見て色々示唆に富むことがあります。
サークルまで荷物を適切に送り届けるためにはどうすればいいのか。

実は軍隊でも同様の問題が生じていました。湾岸戦争ではコンテナ輸送で行ったものの、コンテナの中身がわからないので、コンテナを一度開けて再度荷物を確認、分配するという手間が生じた反省を受けて米軍が、RFIDタグ(バーコード)を使ってすべての荷物をネットワーク管理、ジャスト・イン・タイムを実現しようとしたものの、イラク戦争では最前線直前までそれで正しく行ったものの、あと残り1マイル、実際に前線の兵士に届くまで上手く行かないとか、ジャスト・イン・タイムで行おうとしたら前線からの補給要請に、時に過剰に対応してしまったりとかあったようです。

ただ、ロジスティクスというと日本ではどうも「物流」「補給」中心に考えがちな側面が多分にあるのですが、ロジスティクスとはもっと広範なことを指しているのが実情です。

先に紹介した井上@kojii.netさんの新刊でもそういう広範なロジスティクスの内容について述べられていましたが、この本では、筆者の経歴(某大手大型トラック製造メーカー勤務)から、ハードウェアを導入するうえでライフサイクルコストなどロジスティクスにどう影響があり、どう処理していくのか正しいのか、実例や、仮想ストーリーなどで語られていて、イメージしやすいのではないでしょうかね。

事実、東日本大震災を目の当たりにした筆者はただちに自衛隊が導入している中型トラック(3 1/2トラック)の補修部品番号をリストアップし、在庫の確認及び別在庫アカウントへの移動(つまりキープ)、そして製造メーカーへの確認を指示するエピソードがあります。陸自自衛隊は各補給処での整備能力など自己完結能力に優れているため、部品さえキープできていれば整備対応できるとの判断からです。
無論、影響はそれだけではなく国内大型トラックの部品は各メーカーにより共通化されているものもあったりするので、多種多様なフォローが必要なってくるわけですが、そういう業務がロジスティクス・サポートだったりするわけです。
つまり、どれだけ高性能の車両、装備品があったとしても可動率を考え、かつ定期的、万が一の整備時でもいち早く実線に戻すための方策がちゃんと対応されているか、そこを踏まえる必要があるわけです。
(しかし読んでいるとフランス人のクルマに対する変なアプローチが目に付きますねw)

この本では第二次世界大戦の日本のお粗末なロジスティクスの考えなどにも触れられていますので、まぁ、そこらへんはよく言われる話なのでここではとりあげませんけど、本当にタダでさえ少ない国力リソースをこうもしょうもないことに使われていては、勝てるわけもない。というのがよく見えてくるはずです。

というわけでロジスティクスに興味がある人なら読んでみても損はないかもしれません。
「山、動く」も絶版?のようですし、「補給戦」は現代の兵站事情まで記述されていません。どうしても江畑氏、井上氏、そしてこの本が現代の広範な兵站業務についてよく記述された本ではないかと思います
(ただ、本屋には中々見つからないのでAmazon経由が妥当なのかなぁ汗;;)



例えば、ある自動車を販売するにあたり、可動率と稼動率の違いだったり、ターンアラウンドタイムの縮小を図るためにどのような方策が妥当なのか。




2012年8月14日火曜日

映画色々。

夏季休暇中なので、とりためたDVDとか見直してます。あと今更「日常」みて笑ってます...なんて周回遅れ。

#ダークナイトライジング
見てきました。確かに前作が神すぎて、無力感と絶望感にとらわれながら転がっていくストーリーを堪能していたのですが、今回は今回で、うーん、そうくるかぁ。という話。
しかし、映像はきれいなのでIMAXで見るべきだったと思いつつ最後まで楽しませてもらいました。おいおい、それってどうなのさ。というところもないわけではないけどねー。

#プロメテウス (ネタバレ上等でいきます。あしからず)
劇場での予告しか見ていなかったので、古代文明で同時多発的におきた壁画の文様は何を意味するのか。っていうつかみとリドリー・スコットですよ。こりゃ、無理してでも3D映像で見るべきか。と、先行上映で喜び勇んでダッシュしてきましたよ。


だが、しかし。



...これほど見てガッカリした映画はひさしぶりだぜ。というレベルなほどにガッカリ映画。


冒頭10分程度のシーンのあと、あれれ、どこかでみたようなシーンだけど、監督、これ狙ってセルフパロなのかな。と思ってみたらと、どうやらマジらしい。あれれ、ギーガーちっくなデザインだなあと思ったら、クレジットしたら本当にギーガー御大でしたしね。

そっかー、エイリアンの前日譚なんだね。話の展開から何から何までエイリアンのセルフパロ展開で何一つ進歩したところがない。ガッカリです。
最初からエイリアンシリーズの前日譚と書いてくれれば、期待もしないで行くこともなかったよ!www(怒)

もう、話はgdgd。キャラ立てもgdgd。主人公のヒロインはリプリー的アクションを見せてくれるわけでもなし。エイリアンシリーズでのお約束、アンドロイドは正直何も考えていないようなガッカリな展開。今更、人間に対する悪意とか反乱とか、なめてんのか。俺が脚本書くとしたら、人間の間抜けさ加減にあきれながら、人間よりも人間らしく振舞って、人間に「人間らしさがないですね」と嫌味も言ってやるぐらいのキャラにしたいなー。大体、途中の性格反転はなんなの? ガッカリだ。あと、アンドロイドとなると男性型はいい加減やめてほしいよね。幼女にしろとか言わないけど、人語を解する犬とか面白いんじゃねーのとか思うけどね。ま、それはさておき。

ああ、あと、同乗しているシャーリーズ・セロン演じるスポンサー企業筋の女性も、正直人格破綻してるのか?といわんばかりの展開で、物語に何一つ寄与しないオマケつきだし間抜けすぎ。もっとストーリーに食い込むかと思っていたらのでガッカリです。
ああ、それと映画の中のメカやクリーチャーデザインもガッカリな代物で、途中で出てくるクリーチャー見て、「フェイスハガーだなー」とか思ってみてたらまんまそれ(汗;;;
)。もう、あのシーン見たとたん自分のマインドはもう急下降。

スラダンの台詞じゃないですが、「何一つ成長してない」ですよ。

あと、期待した3D映像も冒頭数分程度「へー」というぐらいでトランスフォーマー同様息切れ気味。もうすこし、気合入れてほしいよなー。正直2Dで十分なガッカリな代物です。

というわけで、先行上映見てなんですが、お勧めしません。正直、お勧めしない作品をこうまでガッカリ、ガッカリと繰り返すのも何かガッカリな文章なわけですが、心底、スコット監督にはガッカリしたわけですよ。脚本もひどけりゃ、映像もほめられたもんでもないという始末。先行上映繰り返しているのも、配給会社がガッカリしたので早いとこ上映打ち切るためなのかしらん。

はぁー、口直しに「日常」でも見ようかしらん。