2005年9月29日木曜日

いや、そうじゃなくてね・・・。

"http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=67999&servcode=200&sectcode=200">
日本海上自衛隊戦力、韓国海軍の3.7倍

(中央日報)

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 海軍が27日、
国会国防委員会所属ハンナラ党ソン・ヨンソン議員に提出した資料によると、韓国海軍の艦艇は173隻で海自の114隻より1.
��倍も数値は高いが戦闘力は劣るという。

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まぁ、そのなんだ。当然といえば当然だろうがなぁ。

というか、沿岸警備が主眼の海軍と、
曲りなりにも第七艦隊と一緒になって対潜戦闘などの露払いを行いましょうという目的で再建された海軍組織で、
最近じゃイージス艦まで配備して、16DDHなんていう「"http://www.ships-net.co.jp/homej.html">世界の艦船」みたら、
もうまんまヘリ空母としか思えないような護衛艦まで配備するような海自と比べるのはいくらなんでも・・・。問題は隻数ではなくて、
排水量とかもあるし、その点を言えば確かに海自のフネは大きいからなぁ。

一応算出方法も考えたほうがいいかと。



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 "11pt">  駆逐艦と輸送艦など輸送艦艇の戦闘力は攻撃能力、航海能力、輸送能力、防御能力を、
潜水艦は手元機動力と探索指揮統制及び攻撃能力で計算した。
 
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大戦略ではあるまいし(w まぁスペックだけではなくて、
その国の総合力がすべてを決するのだけれどね。



額面ではなく、紙に出てこない継戦能力や整備問題など考えねばならないことが多い。

タマに自衛隊の中の人からも聞いたことがあるが、 E-2Cが電装関係の部品が予算関係で滞ることがあるらしく、
機械整備の人には悪夢の共食い整備をするときがあるとか、掃海部隊のMH53Eがこれまた予算や部品すら輸入しなきゃいかん都合上、
整備製の悪さがネックになっている話→ "http://bocho-shinbun.com/special-report/jikisohkaiherikimaru/jikisohkaiherikimaru1.htm">
など自衛隊も笑うに笑えない話などがあったりする(国産兵器は使えないから輸入しろ。
という人はこういうケースもあるのでよく考えること。最低限ライセンス生産が必要ではあるものもある)。



ただし、こういった事情は韓国海軍も理解しているという話を聞いたことがある。

まぁ、予算獲得のためには韓国海軍の中の人も国会議員には景気のいい話をしなきゃならないし、大変ではあるなぁ。

ただ、潜水艦があるのに潜水艦救難装備がないとか、後方支援を蔑ろにするとか、
そういう妙なところは旧帝国海軍とか見習ってるところがあるからなぁ・・・>韓国海軍の中の人。



2005年9月28日水曜日

ザ・ホワイトハウスS-4 第1話「アメリカの挑戦(前編)」20 HOURS IN AMERICA

初っ端からしおしお感が漂う展開となってます。

S-1のクリフハンガーを受けて怒涛の展開でスタートしたS-2、軍事侵攻のドタバタ騒ぎだったS-3に比べて、トビー、ジョッシュ、
ドナの珍道中(wと大統領のハードスケジュールを対比させたような展開ですね。



途中、吹き替えとメモをロクにとってませんでしたが、アメリカ海軍で演説をしたあたり、F-14が出ててほへーと思って見ていたんですが、
映画「ファイナル・カウントダウン」「トップガン」で有名なF-14も、最終タイプF-14Dが2008年で退役決定しています。
あの機体を見られるのもあと数年というわけですね。


シチュエーション・ルームではいつものメンバー、
フイッツウォレス統合参謀本部議長と首席補佐官のレオのあれこれとしたやり取りのあと、
S-3ラストで大統領に苦渋の決断を迫った中東の国家クマー(一応架空国家)の不穏な動きが伝えられて、
これはしばらく引っ張るかもしれませんね。



さて、作中、「オランダの裁判所に」というくだりもありますが、オランダのハーグには国際司法裁判所があります。

国連(国際連合)加盟国には参加することとなっており国家間の紛争を収めるために存在してますが・・・、まず双方の国の了解が必要なこと、
次に司法強制力がないことから、あまり効果を発揮しているとは言いがたいですね。
日本も実は韓国との竹島(独島)を巡る領土問題についてこの国際司法裁判所で結論を出そうと韓国に持ちかけてますが、
韓国はスルーだったりするという事もあるのです。

一応、特定範囲?を巡る問題では一方の当事国のみの請求で他方当事国の応訴義務っていうものが存在すると調べてみてわかりましたが、と・こ・
ろ・が、1980年代にアメリカ(レーガン大統領時代)が、そして中国、フランス、ドイツ、
イタリアがこの選択条項受諾宣言を撤回することになってしまったため、事実上あまり機能しているとは言いがたいですね。

国際連合は旧敵国条項を含めて基本的には第二次世界大戦終結後の世界の枠組みを定めたようなものですが、
あまり日本国内ではニュースにはなりませんが、国連内部の腐敗(「"http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2005/09/post_4eda.html">
国連改革ってアナンの辞任のことでもなさげ
」by"http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/">極東ブログなどを参照していただければ)が結構目だっていて、
この中でも司法裁判所も改革が必要なのかもしれません。どうも日本では国連というと「錦の御旗」と思いがちのところもあるんですが、
結局のところはパワーゲームの場所ですからね。



さて、S-4はまだまだはじまったばかり、これからどうなることやら・・・・。


 



刻の涙を見るか。

今更mixiで知ったが、
旧Nifty-Serveに大変お世話になったSFファンタジーフォーラム(FSF)がとうとう閉鎖だという→「"フォーラム閉鎖のお知らせ">フォーラム閉鎖のお知らせ


なんだか隔世の感がある。12年ほど前にNiftyに接続して、FSF1,FSF2,FSF3と分割するほどの隆盛をほこり、
"ライトノベル"の名称発祥地だったり、
架空戦記部屋では本職の作家方とアレコレと本の評価やネタについてやり取りしていたのもすべては懐かしい思い出だ。


いや、それよりも自分はあのFSF3の無限壁に出入りしなければこんな風にはならなかったのかもしれない・・・。ああ、
そうそうSETIにも手を出さなかったに違いない。それを思えば残念ではあるが、
なまじネットの世界では従来のフォーラムスタイルでは継続が難しかったとは思う。管理されていた方にはご苦労様でした。と伝えたい。


TTY(古式ゆかしくパソコン通信と言いたいのだが)が終了して、瞬く間にこんなことになろうとはなぁ。


 



2005年9月26日月曜日

ザ・ホワイトハウス4 放送間近。

今週、27日火曜日から、NHK-BS2で「ザ・ホワイトハウス」のシーズン第四期が放送開始されます。
というわけで、このブログでも随時、またどーしよーもない(苦笑)重箱の隅をつつくようなネタについて、アレコレとほじくりかえそうかと。

ただ、しかし、正直なところを言うと、このザ・ホワイトハウスの売りでもある重層的なシナリオを書いているアーロン・ソーキンが手がけたのが、このシーズン4で最後だわ、登場人物の一人が離脱するのはわかっているわ(ネットで検索するのも良し悪しだなぁ)、ちょっと哀しいものがある。アメリカのドラマはXファイルといい惰性で続くとロクなものがない。アメリカではないけれどスペース1999だって第二シーズンは見るも無残だったしね。

そんなわけでも、シーズン3から続く大統領選挙の結末も知りたいため、シーズン4は見ますよ、ええ、もう!(笑)

>>NHK-BSのオフィシャル・ページ
>>「ザ・ホワイトハウス」(West Wing)のWikipedia

F.S.S.DESIGNS 1 EASTER;A.K.D.

4048538810F.S.S.DESIGNS 1 EASTER;A.K.D.
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連載から10年以上が経過して、ファイブスター物語(F.S.S.)副読本を改めて。というわけで、スタートしたこの企画。
1発目は、F.S.S.世界の中心である天照の帝率いるA.K.D.や彼の配下にあるミラージュ騎士団やら、M.H.など色々とてんこ盛りで出版。

まぁ、もう初期の頃の副読本は手に入らないし、ここらで出すのはいいだろうし、最初の設定も魔導大戦のインサートであちこち手が入れられたし、いいんじゃないかと思う。

個人的にビックリしたのは、ミラージュ騎士団、レフト・ナンバーのブローズ。あれ、カブリモノだったのかよ・・・。

しかし、このシリーズが終わるまで連載の続きが始まらないのは・・・ちょっとどうかと思うよ・・・。

戦うコンピュータ/井上 孝司

483991835X戦うコンピュータ―軍事分野で進行中のIT革命とRMA
井上 孝司

毎日コミュニケーションズ 2005-09
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Koji.net」といえば、そのスジの人にとっては割と馴染みのあるサイトで、IT系技術者として著作をいくつかと、そして何より「今週の軍事関連ニュース」ということで、軍事関係の、例えば装備品発注のニュースやら、予算配分の話、アメリカ軍での新計画スタートの話など、まとめて読むことでここ最近の軍事関係の状況が掴めちゃったりする便利なところだったりする。今はイラクでのIED攻撃での損害や、カトリーナ、リサで被害を受けた地域に派遣されているアメリカ軍の動きなどがわかるようになっている。

で、そこの中の人(笑)が書いたのが、上の本。今、軍事関係を襲っているIT革命について概略を纏めたもので、その近代から今に至るまでを手際よくまとめていると思う。
陸海空のうち、どうしても主導しているのはアメリカ軍であり、その中でも空軍、海軍が突っ走って、陸軍はちょっとその規模(最低ユニットは歩兵一人ですからね)から遅れ気味、という感じではあるが、その中でもとんでもない勢いでIT革命によるRMA(革命的変化)を起している軍事関係の変化を掴むことはできると思う。

一々「軍事研究」誌を読んだりするような人でなくとも、最近流行のRMAがどのように進み、どんな変化を行っていくか、すっきり纏まって判りやすいと思う。

まぁ、とはいえその軍事研究誌を読む限り、アメリカ軍の中の人も大変だ。とは思うなぁ。
大体、RMAによるトランスフォーメーションだ!といっても予算は限られているし、議会は情け容赦なく予算を切り捨てるし、アフガンやイラクでは戦費も必要。
でも機材はアップデートせにゃならんし(苦肉の策がブロック・・・生産単位で微妙なアップデートをする・・・って方法)、上の本でもちょっとした話として取り上げられているけれど、そのブロックによるバージョンが異なるせいで、機体側のソフトウェアがミサイルに対応しないという落ちまで発生。目下アメリカ空軍ではUAIと呼ばれるソフトウェア・インターフェイス・・・ぶっちゃけ言えば、OSと周辺機器に対するドライバによるインテグレーションを行う方法をとるとか。ご苦労さまです。
で、当のイラクではRMAでは対応しきれない治安維持活動やIED(即製爆発物)攻撃で苦しめられているし、派遣されている陸上兵力にしたって州軍とかがメインなものだから、装備品はどちらかというと陸自とどっこいどっこいか、もしくはそれ以下。戦車、歩兵戦闘車、歩兵(ハンヴィー改)の間で無線連絡すら満足に行えず思わず苦戦を強いられたケースがレポートとしてのっている。デジタル化師団(第四師団)とかまでが限界なのか、と思う。

だから、まぁ、軍オタ一同から防衛費削減で目の敵にされた(w政治家になられた片山さつき女史やアリアドネンみたいな方々がいうように、RMA化しろとか、戦車なんてダメじゃん装輪装甲車にしろ!とか言われても、そりゃ予算がありゃそういう装備もいいかもねー。としかいいようがないんだなぁ。

話が脱線しかけたけれど、軍事関係とコンピュータってどんな関係?っていうことを知りたい方にはいい本ですよ。

#追記その一。とはいっても、読むとちょっとバイアスかかってるかなぁ。というか、素直に頷けない点もある。ご本人はMicrosoft系の人だしね(w ちなみにネタバレ気味だが日本版フリッツXについては「イ号誘導弾」もしくは「エロ爆弾」でその顛末をググってください。涙無くしては読めませぬ・・・。

#追記というかヨタ話。日本のMD(ミサイル防衛)については、自分としては今いち賛成しきれない点があるのだけれど、アーセナルシップみたいなミサイル・キャリアーも一つの回答だろう。という気持ちがある。まぁ、意図はまんま佐藤大輔御大の「征途」における海上自衛隊の<10・4・10・10>艦隊プランと同一なんだけれどね。

2005年9月24日土曜日

「雪月花」/ゲリラスタントスタジオ



えー、ちょっとお断りです。今回は一般商業誌ではなくて、同人誌です。
定点観測しているサークル、「ゲリラスタントスタジオ」の新刊、「雪月花」です。

このサークルを知ったのは今から数年前。小説だけではない、イラストやコミックの手法ではなく、色々なガジェットをつかって世界観を構築し、その中で物語を駆動させるという手法がとても新鮮でしたね。

例えば妙なこだわりを感じさせる設定、並行で会話されるチャットの会話。すべてではなく断片によって世界を照らし出すその独特な空気がこのサークルの一連のシリーズ(山本七式・ 根岸裕幸ペアのもの)にはあります。もうお一人のメンバーのカシマミさん、柏原麻実名義で新連載『宙のまにまに』がアフタヌーンでスタートのようですね!)

話を戻して、どことなく「エッジな――」なんというか、設計思想とかそういうトンがったシロモノ(例えば架空世界の戦闘機だったり、ゲーセンの筐体だったり、でもやっぱりヒネた部分をもつものを持ち出すところがこのサークルのいいところ。
今回の「雪月花」では昔懐かし格闘ゲームおよびその格ゲーの聖地のようなゲーセンが舞台で、なんだかキャラも出揃ってきて、さーどーなるって感じです。つーか、続き、続きー! いい感じで世界が広がっているからこれからどうなるかな。

興味をもたれた方は、下のゲリラスタントスタジオのバナーをクリックしていただいて、トップページにある通販”guerilla stunt studio store. ”を経由することで既刊本の通販も可能とのことです。

��1 実は自分もここ数回ほどこちらを経由して購入。だって地元のショップに入るまで待ってられないので(苦笑





��2 それはそうと、札幌界隈でコミックバズーカヴィーナスをお目にかかった試しがない。どういうことだろう(苦笑)。

2005年9月23日金曜日

魔軍襲来 ―アルスラーン戦記(11)/田中 芳樹

433407619X魔軍襲来 ―アルスラーン戦記(11)
田中 芳樹

光文社 2005-09-25
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え、えーと。前に購入したのは文庫だったかな、はて・・・と思ってようやく続きを読む。
田中芳樹の田中芳樹らしい文章は久しぶりだなぁ。初めて読んだのは高校生の頃なんだから、もう何年前だろう・・・。確かに読みやすい。ライトノベルのある種の理想点であり平均点であった筆者らしい文章と構成力と会話シーンではある・・・だが、それゆえに物足りなさも感じるのも事実。

まぁ、あの騎士見習いとあの騎士が再び顔を見せたので、もう十六翼将のメンバーは決定のような気もするが、続きがさっさと読みたいところ。今度はいつでるのやら・・・。

2005年9月21日水曜日

フランクリン・プランナーを使ってみる(その七)。実践編その3.そして・・・

さて皆様、近頃blogやネットを騒がすキーワード、「Life Hacks」。ご存知ですか? 
「デバイスをつかって仕事を効率よくこなし、人生のクオリティを向上させる」のが目的と言えばわかりやすいですかね。WIREDのニュースにも取り上げられたのでご存知の方もいるかと思います。
そのLife Hacksの原典とも言うべき本が、GTD(Getting Things Done)。というわけです。日本版は、以下の題名です。

4893613332仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法
デビッド・アレン

はまの出版 2001-09
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今いち評価が悪いのは、この本、お世辞にいってよく訳された本、とは言えないからです。校正もレイアウトも正直言って、ねぇ。同時期に早川書房のIDEO本であまりの読みやすさと図版の多さに感激していたので、落差もひとしおでしたね。出版社の方にはもうすこし何とかならないかな、と言いたいですね。

さて、どうしてこの本を取り上げたか、というと、この本、ぶっちゃけた話、フランクリン・プランナーの欠点を明確に指摘しているからです。

「確かに、結果や価値観に意識を集中することは重要なエクササイズではあります。しかし、それをしたからといって、片付ける仕事が少なくなるわけでも、困難が少なくなるわけでもありません」(P24)

確かに。価値観にスコープを充てることで、プライベートでもやることが多くなります。仕事でもなまじ中途半端に効率が上がるせいで周囲から仕事を押し付けられます。ああ、なんてことだい、リソースを拡充しようとしたのに、それがリソースを喰われる原因だとしたら?

GTDはこれに対して明確に指針を打ち立てます。人間の頭をHDDにしてはいけない。RAMであり、考えることにリソースを追求するのだ、と。そして、常にレビューを行えと言っています。
��TDのフロー図、英語なんですが、そちらをご覧になっていただければ、と思います(最新版はPDFですが)。
http://www.davidco.com/tips_tools/tip32.html
http://www.davidco.com/pdfs/gtd_workflow_advanced.pdf
非常に判りやすい考え方、だと思いますね。

自分が感じていた不満は、前々回の、

4767803012図解・仕事術 最強の時間力―タイムマネジメントの法則60
行本 明説 日本タイムマネジメント普及協会

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と、このGTDで氷解しました。結局のところ、あの4つのマトリクスだけではダメなのだ。というのが自分の今の結論です。

正直、フランクリン・プランナーのデイリー・リフィル”だけ”をつかっていれば、フランクリン・プランナーの言うところの「第三世代手帳」つまり、ToDo管理でしかほかならず、優先度だけでは物事が解決しないことを考えると不得手なのは否めません。

では、フランクリン・プランナーよりもGTDにしたがってLife Hacksすべきでしょうか。いいえ、違います。これは優劣の問題ではないのだと思います。フランクリン・プランナーも、GTDも目指す地平は一緒です。「効率よく仕事をして、人生のクオリティを向上させる」その一点はプランナーもGTDも変わりません。

前にも違うエントリーで書きましたが、ツールを信頼し、信用してもいいが、信仰だけはしてはいけません。マニアに陥りがちですし、時折プロフェッショナルな技術者でも陥りやすい罠だと思います。ツールはツールなのです。

今の自分の心境は、フランクリン・プランナー、というよりそのベースとなっている「七つの習慣」「TQ」は、どちらかというと、この手の人生の指針的なものにまでスコープを広げるところから、戦略・思想・哲学の領域なのだと思います。ですから、実践になると不得意のエリアがあるのではないかと思います。

��TDは、より実践、戦術的な要素が多いです(それでも、GTD本で言うところの垂直式レビューにより人生にまでレビューを行うことを示唆しているくだりはさすがと思いますが)。それから、以前ブームを起したことのある超整理法は完全に戦術本ですよね。こうして考えると巷にある成功本やら手帳本がどの範囲を志向しているのかがわかりやすいのではないかと思います。戦略だけではダメだし、戦術だけでもダメ。ある程度バランスの取れたやり方で効率を追求してクォリティを向上させていく必要があるのではないかと思います。

今、自分のフランクリン・プランナーの使い方はGTDを一部取り入れて試行錯誤の真っ最中です。
だいたいは・・・
��1)日曜日の夜などに、やりたいこと、やらねばならないことなどをマインドマップで書き込んでいきます。
��2)タイムリミットがあるものに関しては、何時間かかるかを考えます。
��3)あとはそのマインドマップの中で、例えば同じプロジェクトなど集約できるものを捉えていきます。これはゴールドラット博士のクリティカル・チェーンの考えを取り入れて、出来る限り集約することで、分散したときに必要な仕事のスタートに必要な時間を軽減させるためです。
��4)一日に無理に全部スケジュールを埋めない。目安は1/3.リミットは1/2.(2)や(3)の中で、一人でやるものに関しては何時からやるかを決めます。逆に複数がからむ場合は終わりの時間を明確にします。ついだらだらと話つづけてしまうケースがあるためです。

まぁ、GTDの方法を取り入れて施行錯誤の部分もありますが、これはもう少し形がはっきりしてから取り上げたいと思います。

次はGTD・・・LifeHacksとして今、自分の中で頭を痛めている複数プロジェクトの中でのコントロールとかについて現在での考え方を書くことが出来れば、と思っています。

��9/21 文書が二度エントリーされていたので削除と、一部手直ししました)

2005年9月20日火曜日

皇国の守護者 2/伊藤 悠

4088768612皇国の守護者 2 (2)
佐藤 大輔 伊藤 悠

集英社 2005-09-16
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圧倒的な帝国軍の軍勢に壊乱し崩壊の瀬戸際にある皇国軍。その殿(しんがり)を受け持つは新設兵科剣牙虎大隊(サーベルタイガース)。突出する二個旅団を向かい打つことには成功するものの、大隊戦力は壊滅。指揮官となった新城直衛大尉は、さらに十日の時間を稼ぐ必要に迫られる。彼が選んだ方法は――。

というわけで、第二巻。こんなに恵まれたコミック化があるだろうか。佐藤大輔の小説世界を余すことなく大胆に描いている。個人的は王ですか、それは?みたいな猪口曹長がちょっとなんだかなぁ(wという感じですが、難しい設定説明も、危うげな展開(戦場での略奪、収奪行為)もちゃんと描いてみせたりしている。

というわけで未読の方は是非。つーか、これで映像化希望なんですけど、無理かな(w

2005年9月19日月曜日

フランクリン・プランナーを使ってみる(その六)。休憩編

フランクリン・プランナーを本格的に使い始めてもうソロソロ一年です。
自分の場合、職場や友人たちから「弁当箱」と揶揄されるクラシック(A5)サイズをつかっていますが、この点に関してはちょっと失敗したかなぁとか思ってはいます。書きやすいんですけどね。いかんせんデカイ。これにThinkpad T41なんて持ったら何かの拷問かと思います(w



あとの失敗のが、フランクリン・コヴィー・ジャパン社でのクラシックのあまりの取り扱いの悪さ。
せめてスターター・パック(といわれるシンプルな手帳とその一年分の中身が詰まったもの)のクラシック、その中のデイリー・リフィルは日本語版にしていただけないかと思います(日本語版を使うとしたら、一年分のデイリー・リフィルが買える翌年ではないと)。
また、デイリー・リフィルもあまりに種類が無くて哀しいものがあります。極々普通にシステム手帳といって思い浮かべるバイブルサイズである「コンパクト」だと種類もあって日本語訳も色々あるんですけどね~。ただし、コンパクトでも英語版だけ、というのもあります。ちょっと厳しいですが、フランクリン・コヴィー・ジャパンの怠慢だと思いますが、どうでしょう。ちなみに本国サイトだと日本で取り扱っていないリフィル(おおよそ倍ほど)があり、その中には「日本で売ったらいい感じじゃないの?」、というデザインもあります。



また、オンラインやPalm、OutlookなどのPCとの親和性も図っているようです>本国サイト。この点、日本ももっと積極的にしてもらいたいんですがねー。



・・・とまぁ、愚痴はそこまでとして、自分がフランクリン・プランナーを使って出来たこととか結構あります。以外と計画を立ててリミットを設定すると色々なことが出来るんだな、というのがあります。ちょっとメモというか記録代わりに・・・。



  • 家族、親族の祭事関係について円滑にセッティングすることが出来た。


  • 身体を動かそうと去年から続けていた自転車での通勤+プールでの水泳が出来た。体重も減らせた。


  • いままでさっぱり判らなかった(判ろうともしなかった)フィナンシャル関係についてある程度の知識がついた(と思う)。


  • 上を生かして少ない(w給料を効率的に運用するため、携帯電話、生命保険、ローンを整理し、キャッシュフローを向上することが、ほどほどに可能になった(まだこれから、ですが)。で、投資信託を始めてみた。


  • 自分の中でのスキル、ということでここ半年ほど今のようなフランクリン・プランナーや、タイムマネジメント、仕事関係などヒューマン/ワークスキルを色々と溜め込めた。


というのがあります。今後は、



  • 自分の仕事の根幹であるコンピュータ関連の専門分野をある方向へシフト。


  • 同時に自分が働く業界での知識を上げる一方、可能であれば資格を取得する。


  • 冬はしばらく中断していたスノボを再開して二週に一度ぐらいは行きたい。


といったことをしたいものですね。さてはて、どうなることやら・・・。今書いたのは仕事が多いですが、プライベートだともっと多くあるのですよ(w。





フランクリン・プランナーを使ってみる(その五)。実践編その2

少し間が空いてしまいました。自己流なフランクリン・プランナー導入について、実戦編その2として色々と雑感を交えて書いていこうかと。



前回の記事(左のカテゴリーで「フランクリン・プランナー」を選択していただいてもかまいません)では、
--------------------------
次に、毎日朝食事をしたあとで、プランナーを開いてアレコレとタスクを書き込みます。平日なら前日、もしくはそれ以前に書かれた予定がありますから「優先順位は・・・」と決めてアレコレとします。
なんでもかんでもA(緊急かつ重要)なタスクではないはずなのに、してしまうときがありますのでこれまた要注意。
「それをしなかったらどうなるだろうか」「誰かに任せられるのではないか」など考えどころです。

---------------------------
と書いていましたが、今回はこの毎朝の優先順位などについて、自分の導入から今に至るまでの『扱い方』を記録しておこうかと思います。



復習を兼ねて言うと、「フランクリン・プランナー」のベースになっている「TQ」「七つの習慣」での基本となる4つのグリッド、「緊急度」「重要度」によって四角に分けられたマトリクスがあります。これに基づいて仕事をすればOKというのが趣旨だったりします。 つまり、仕事で締切があるものは「緊急であり、重要である」、自らの能力を磨くため、人脈を広げる行為は「緊急ではないが、重要なこと」、どうしようもない会議とかが「緊急ではあるが、重要ではない」、仕事中の時間つぶしとかが「緊急ではないし、重要ではない」。というわけです。これに応じて、ABC・・・と(さらにその中での優先順位の)番号を振る、というのがプランナーのデイリー・タスク、というわけです。



これで行ける。と自分も最初は思っていましたが、実際はそう簡単にはいきません。何故ならとはいえ仕事が忙しくなってくると、(ここではデイリーのページで例えますが)行動予定表に仕事の内容が記述され、優先度がすべてAになってしまうケースがあります。
これじゃ、単なるTo Doを記載した(フランクリン・コヴィー社の言うところの)前世代の手帳と同じです。結局は仕事、仕事と押しやられることに違いがありません。
また、仕事中に飛び込みの仕事がやってくるときがあります。つまり「予定されている仕事」「突発的な仕事」が同じ時間に来た場合の判断基準をちゃんと明確化しないと何時までたっても仕事は成立しない。ヘタをするとLIFO(Last In Fast Out)になってしまう。これでは朝一に立てた予定も成立しません。理想を言えばFIFO(First In First Out)がいいのですがね。



自分も確かに最初は良かったのですが、仕事がピークになってしまうと朝立てた計画が反故になってしまうことがあり、色々と対応を考えていました。まず、仕事をタイムマネジメントとして捕らえるとどうだろうか。Amazonを流離って本を探したところ、いい本がありました。





4767803012図解・仕事術 最強の時間力―タイムマネジメントの法則60
行本 明説 日本タイムマネジメント普及協会

エクスナレッジ 2003-10
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この本での趣旨は明確です。
結局のところ、上の4つのマトリクスは正しくないのだ、と書いています。詳しくは本の内容をご覧に頂くとして、より一部を噛み砕くと、仕事は結局のところ、二つに分かれるのです。
・自分でやれる仕事なのか。
・他者と共同で行わないとやれない仕事なのか。

これをより細かく書くと、こういう形です。



 1)今、自分でなければ出来ない仕事か。
 2)今、仲間と共同でしなければ出来ない仕事か。
 3)今、仲間(部下とか)に委任しなければ出来ない仕事か。
 3)後で、自分でしなければ出来ない仕事か。
 4)後で、仲間と共同でしなければ出来ない仕事か。
 5)後で、仲間(部下とか)に委任しなければ出来ない仕事か。



わかりやすくなりました。この形を頭に入れて、おけば突発的な仕事がきても自分の今の優先度をつけた仕事に差し込むべきかを考えてみることができます。
さて、この本ではさらに重要なことが書かれています。初めて読んだときは目から鱗のことでしたが・・・。
デイリータスクに書く場合、ちょっと慣れてくるとついついアレコレと過剰に書き込んでしまいませんでしょうか。これを出来る限りセーブしないと、逆にストレスが溜まるのですが(それを防ぐために日曜日の夜にすべてを吐き出す儀式みたいなものがいるのですが)、優先度を決めた仕事もままならないときがあります。どうしてか? 上の本の著者はこのような問題を解決するのは簡単だと喝破してのけています。



・自分の出来る仕事の開始時間を把握しているのか。どれだけ時間がかかるか把握しているのか。
・他者と一緒にする仕事は『いつまでに終わるべきか』把握しているのか。



この二つを守ればかなり違うと書いていたりしています。実践してみればなるほど、確かに判りやすい。結局は朝立てた予定計画の仕事などがどれだけの時間がかかるのを把握する必要はあるのですね。
この本は、フランクリン・プランナーのカウンターとして捕らえておくといいかもしれません。あくまでのプランナーはツールであって、信条ではないと思います。しかし、上の本もフランクリン・プランナーも肝心な部分は変わりません。



さて、月日を置いたせいかあまりに書くことが長くなってしまいました。ちょっと休憩の話を入れて、実践編その3、最近流行りのLifeHacks・・・つまりGTDとフランクリン・プランナーとの共通部分と異なる部分についても書いていきたいと思います。



2005年9月17日土曜日

現在官僚系もふ 1/鍋田 吉郎 並木 洋美

4091876110現在官僚系もふ 1 (1)
鍋田 吉郎 並木 洋美

小学館 2005-06-30
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話を戻して「現在官僚系もふ」の舞台は財務省(MOF)、そこに新人で入った主人公のボケっぷりを描く、という作品なんだけど、まだ対立軸とか目標とかが明らかになっていないので、官僚の皆様の「いともおかしき」生態系を描くレベルで収まっているような、ないような。今後に期待しよう。

えーっと、官僚系漫画というと以前、アフタヌーン系にあったなぁ、あれはなんだっけ。と色々と過去を調べる。
ああ、そうそう、これだ。

4063284530林太郎の恋 1 (1)
岡田 ユキオ

講談社 1996-02
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「林太郎の恋」は今は無き通産省の課長補佐が主人公。官僚の世界では法や政策ではなく、実のところ情実で差配されたり、主人公の上司が安い官舎住まいで奥さんがパートとか、通産省の中で発言権をもつ女性がどうして発言権を持つに至ったか、とか色々と自分の思っていた妄想を覆されたいい作品だったなぁと思う(古本屋で探してみるか)。絵柄もキライじゃなかったし。メモとして書いておきます。

のだめカンタービレ(13) / 二ノ宮 知子

4063405605のだめカンタービレ #13 (13)
二ノ宮 知子

講談社 2005-09-13
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あまり大きなイベントは無いが、小ネタとして千秋の戸惑いが面白い。
どちらかというと次のイベントまでの下積みという形か。それはともかく、黒木君以外のR☆Sオーケストラの残りの面子が見たいね、いや、ほんと。

2005年9月16日金曜日

アニメいろいろ

B0009UAZJM戦闘妖精雪風 OPERATION 5 特別限定版 (初回限定生産)
神林長平 大倉雅彦 堺雅人

バンダイビジュアル 2005-08-26
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B0009S4I1K星界の戦旗 III volume01
森岡浩之 長岡康史 川澄綾子

バンダイビジュアル 2005-08-26
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休みの間に色々とチェック。
「戦闘妖精雪風」はその戦闘シーンとかを悦に入って楽しむのが吉。もう、雪風がどうとかいいんです(嘆息)。空戦シーンは日本アニメの極北を突っ走っていますわ。正直、この戦闘シーンのくだりだけでもまとめておけばそれでいいやとか思ったりしてね。マクロス・ゼロもそんな感じだったけれどさ(ヤベ)。

「星界の戦旗 III」は正直小説も中弛み的なポジションだけあってつらかったなぁ。しかし、見終わったあと小説を読み直してみるかしらん?と考えるだけのエネルギーはありました。ラフィールとジントのカラミが以外と少ないんだよね、この話。と小説を読み直していて納得していたり。正直なことを言えば、物語に熱を感じないのだ。失礼なことながら。でも、紋章は好きなだけに・・・といささか複雑ではあったり。

サマー/タイム/トラベラー2 / 新城 カズマ

4150308039サマー/タイム/トラベラー2
新城 カズマ

早川書房 2005-07-21
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新城カズマ風味ジュヴナイル、特に「蓬莱学園」シリーズを読んで衝撃を受けた自分からしてみると、とても懐かしく、そして新しかった。作者(新城カズマ)の衒学に傾倒した語り口、そして架空通貨制度というネタはあの時代を彷彿とさせる。

ひと夏の、そして永遠に過ぎ去っていくことを知っている若いバカたちの血気盛んな青春小説。SFなんて味付けだけで十分。と言ったら怒られるだろうか?

日本国憲法前文は。

「自衛隊指揮官」ネタで色々と記憶をたどって検索して、噴出したネタをアレコレと。


"http://d.hatena.ne.jp/o-tsuka/20050503">憲法記念日に寄せて 日本国憲法前文 富野訳(β版)
」("http://d.hatena.ne.jp/o-tsuka/">抗国文士の飲酒日記)


"http://faker.but.jp/column/index.php?p=59">ネタ 日本国憲法前文 軍曹訳
(コラム あるいは『我が逃走』)


どれもが日本国憲法前文をアレな感じに変換したわけだが、まぁ、そのなんだ。
こういうのを書いてもふざけるか!とかどこかの秘密警察にしょっ引かれない世界って、幸せだなぁ(w


 



2005年9月15日木曜日

自衛隊指揮官/瀧野 隆浩

4062569582自衛隊指揮官
瀧野 隆浩

講談社 2005-08-23
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休みの間、一気呵成に読んだ本。この国にある自衛隊という「軍隊でありながら軍隊として認知されていない」組織と、その組織に所属している人達が追い込まれた状況とジレンマを自衛隊の数々の事件(サリン事件、函館ミグ25亡命事件、沖縄でのF4による領空侵犯機警告射撃、能登半島沖領海侵犯射撃、9.11以降の海外派兵)などの事例を用いて説明している。各々の立場に置かれた自衛隊指揮官の悲哀、そしてその悲哀を感じさせるその背景にしおしお感を感じさせる。

なんだなぁ。
自分は「石をぶつければ自衛官かもしくはその縁故者にあたる」北海道在住だ。亡父も元陸自隊員で、自分も進学か就職かを考えていたときに地元の自衛隊から参加のお誘いも受けたことがある(あのとき頷いたらどうなってたことやら)。友人も自衛隊員が・・陸、海といる。なにより、冷戦時代の北海道は、今でこそ笑い話だが、マジにソ連軍が上陸して第2師団が全滅覚悟で音威子府に立て篭もる間にどうするか。っていう話がごくごく普通の居酒屋で酒飲み話としてでる(いや、本当にあったんだって!)な場所だ。
その時から、笑い話で聞いた話がある。元自の隊員から「上陸時にね、タコツボ掘れないんだよね。予想地点に」「へっ?」「だって、その時の地権者に許可を得ないといけないでしょ?」「嘘でしょ。だって、ソ連軍の上陸が迫った時点で防衛出動が認められると・・・」「うん、その後、どうするかは法律がないんだ」「信じられない・・・」(今ならいささか間違いがある。ただ有事法案が無いとかなりまずい。というのはこのときに初めて知った)

自衛隊は軍隊だ。人を殺害し、破壊することを可能とするモノを装備し、自己完結性を保ち、事あらばそれを躊躇い無く使用することを求められる、国家によりその存在を認められたある種の暴力機関だ。それを認めていないのは、憲法第9条だ。ここで憲法論議をするつもりはない。ただ、忘れてはいけないのは、その憲法によって曖昧な存在として位置づけられている組織があり、その組織に所属する人々が事あらば国民の矢面に立って戦争や災害に立ち向かうことを求められている。という点だ。
印象に残ったのは阪神大震災の折、ある自衛隊指揮官が発した「法律を尊重し、法律を超えろ」(大意)というくだりだ。そこには自衛官の求められている苦渋の部分がある。つまり彼らの目的である国民の安全と平和を守るためには彼らを(曖昧な形とはいえ形づくる)法律が足かせとなる。

ある自衛官職の方は「我々が死ねば国民も目覚めてくれる」と信じているようだが、それは(正直)望み薄だ。我々は知らねばならない。命令一つで部下を死地に送り込むことを求められている自衛隊指揮官が、その立場たるべきものが、曖昧な法律しかないということを。
現場の運用にすべてをゆだね(つまり責任は取らない)、まるで打ち出の小槌のような、言い方を変えれば「ドラえもんのポケット」のようなイメージで自衛隊を捕らえていないか。彼らは日本国民であり、我ら国民の安寧と国益を守るために存在する。
悲惨かつ危険な災害現場に、熱砂のイラクや東ティモールに、彼らを送り込んでいるのは畢竟、自分達であるということを忘れてはいけない。そして想像しないといけない。彼らが万が一傷つき倒れ、もしくは他者を殺めたときに、どう向かい入れるべきかを。ベトナム戦争のおり、アメリカ国民は帰還兵たちを忌み嫌った。それがPTSDとして深い傷を植えつけることになった。自国民が自らの剣であり盾である軍を信任しなければ、軍に所属する者たちにいかなる影響を及ぼすのか、ちょっとでもその当時の本を読めばわかる。
だからこそ、自分は有事法立法化に賛成するし、少なくとも詭弁など言わずに十分な装備をつけて海外に送り出さねばならないと思うし、その時には現実に則ったROE(交戦規定)を渡さねばならない。


そんなこんなで色々と考えさせるいい本でした。自衛隊に興味がある方は必読です、はい。

2005年9月12日月曜日

9.11総選挙の日の記録として。

正直言って、こりゃ予想外。という結果>選挙。ここまで勝つとはなぁ>自民党。



ちゅうか、ヘタレ過ぎるよ、民主党。まんまと主導権を小泉首相に握られてそのままエンドゾーンまでまっしぐら。ってな感じで、
ターンオーバーも決まらなかった。

参議院でもう少しずるく立ち回ればよかったものを、
甘い汁(政権獲得)を目指して反対したらあっさりと小泉首相のカテゴライズに嵌められてしまったという感じ。まぁ、岡田党首も交代ですね、
当然ですね、っていう感じだと思う。自分達の議席数が本来の政策によって選ばれたわけではなく、
カウンターパートとしての選択でしかなかった以上、そのカウンターパートとして存在が成立できないとなればこうなってしまう、
という点はある。早い段階で自分達も支持層である郵便局団体との折り合いをつければよかったのだがね。もし、
参議院で自民党の一部造反が決まった時点で民主党が協力していればよかったのかもしれない。やるじゃん民主党。
というイメージを植えつけられたかもしれない。正直、
マニフェストやなにやらで自分としては民主党(の一部の方々)はこれっぽっちも信任は置けないのだけれど。


ともかく郵政民営化について法案が参議院で撥ねられた形のまま再提出とはなって、いささか効果が薄いとか言われているが、
まぁ出すことが最優先ではあるし、これで参議院の議員諸兄がいかなる判断を下すかはさて、また別の問題ではあるのだけれどね。


さて、選挙の結果に戻ると、個人的には前のエントリーでちょっと不快な出来事があって、なんというか選挙前、
選挙中に泥沼にもはまりたくない(はまれない)というのもあってまったくのノータッチを貫いてしまったけれど、
個人的は自民党にバランスは傾いてほしいと思っていたが正直傾きすぎだ、こりゃ。というのがある。(重ねていうが、
自分は小さい政府派であり、国が余計な保険業務や金融業務を行うことには賛成しない。また、
構造改革と景気回復は最近思うにこの国の再構成としての車輪の両軸であり、リフレだけですべてがオッケーというわけではない。
景気が回復しなければ税収は上がらないが、それを最大限生かすためには同時に受け皿、蛇口ともなる構造改革も同時にやるしかないとは思う。
優先順位として、今景気回復というキックを入れるために郵便貯金などの資金を市場に流す必要があると思っている。
ついでにいうと郵政民営化に伴う郵貯資金の海外への資産流出とかいう話はヨタ話と受け取るので、
つまらぬトラバはしてほしくないと書いておく)


とはいうものの、自民党の皆様にはこれに驕ることなく、
数の暴力に訴えることなくいままでの利益主導ではなく政策主導型を目指していただければ、と思う。
この結果は自民党が優れていたから勝ったいうわけではなく、いままでの自民党と民主党の関係がそうであるように、
相手がそのカウンターパートとして任に堪えない、もしくはカウンターパートが必要だ。という有権者の判断、つまり、
相手方の失点による勝利でしかないからだ。それプラス、小泉首相の頑固一徹かつ勝負師的な側面にまんまとしてやられたという点だからだ。


しかし、郵政改革が一段落ついたあたりで小泉総裁は退任するとして、
次の安倍副幹事長あたりが総裁の目が出てきたあたりで憲法改正問題になるんじゃないか。という点がしている。さて、どうなることやら・・・。



2005年9月5日月曜日

金魚屋古書店(2)/芳崎 せいむ

4091885543金魚屋古書店 2 (2)
芳崎 せいむ

小学館 2005-08-30
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マンガの古本を中心にすえた人情モノ。と言うべきか。
少年画法社時代に比べるとすっかりとメジャー作品っぽいのが多くなったが、それでも面白いものは面白い。

マンガ好きならば読んでいて損はないと思う。
ああ、ああいう地下のダンジョンがあるような古本屋があってほしい(笑)