「デバイスをつかって仕事を効率よくこなし、人生のクオリティを向上させる」のが目的と言えばわかりやすいですかね。WIREDのニュースにも取り上げられたのでご存知の方もいるかと思います。
そのLife Hacksの原典とも言うべき本が、GTD(Getting Things Done)。というわけです。日本版は、以下の題名です。
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今いち評価が悪いのは、この本、お世辞にいってよく訳された本、とは言えないからです。校正もレイアウトも正直言って、ねぇ。同時期に早川書房のIDEO本であまりの読みやすさと図版の多さに感激していたので、落差もひとしおでしたね。出版社の方にはもうすこし何とかならないかな、と言いたいですね。
さて、どうしてこの本を取り上げたか、というと、この本、ぶっちゃけた話、フランクリン・プランナーの欠点を明確に指摘しているからです。
「確かに、結果や価値観に意識を集中することは重要なエクササイズではあります。しかし、それをしたからといって、片付ける仕事が少なくなるわけでも、困難が少なくなるわけでもありません」(P24)
確かに。価値観にスコープを充てることで、プライベートでもやることが多くなります。仕事でもなまじ中途半端に効率が上がるせいで周囲から仕事を押し付けられます。ああ、なんてことだい、リソースを拡充しようとしたのに、それがリソースを喰われる原因だとしたら?
GTDはこれに対して明確に指針を打ち立てます。人間の頭をHDDにしてはいけない。RAMであり、考えることにリソースを追求するのだ、と。そして、常にレビューを行えと言っています。
��TDのフロー図、英語なんですが、そちらをご覧になっていただければ、と思います(最新版はPDFですが)。
http://www.davidco.com/tips_tools/tip32.html
http://www.davidco.com/pdfs/gtd_workflow_advanced.pdf
非常に判りやすい考え方、だと思いますね。
自分が感じていた不満は、前々回の、
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と、このGTDで氷解しました。結局のところ、あの4つのマトリクスだけではダメなのだ。というのが自分の今の結論です。
正直、フランクリン・プランナーのデイリー・リフィル”だけ”をつかっていれば、フランクリン・プランナーの言うところの「第三世代手帳」つまり、ToDo管理でしかほかならず、優先度だけでは物事が解決しないことを考えると不得手なのは否めません。
では、フランクリン・プランナーよりもGTDにしたがってLife Hacksすべきでしょうか。いいえ、違います。これは優劣の問題ではないのだと思います。フランクリン・プランナーも、GTDも目指す地平は一緒です。「効率よく仕事をして、人生のクオリティを向上させる」その一点はプランナーもGTDも変わりません。
前にも違うエントリーで書きましたが、ツールを信頼し、信用してもいいが、信仰だけはしてはいけません。マニアに陥りがちですし、時折プロフェッショナルな技術者でも陥りやすい罠だと思います。ツールはツールなのです。
今の自分の心境は、フランクリン・プランナー、というよりそのベースとなっている「七つの習慣」「TQ」は、どちらかというと、この手の人生の指針的なものにまでスコープを広げるところから、戦略・思想・哲学の領域なのだと思います。ですから、実践になると不得意のエリアがあるのではないかと思います。
��TDは、より実践、戦術的な要素が多いです(それでも、GTD本で言うところの垂直式レビューにより人生にまでレビューを行うことを示唆しているくだりはさすがと思いますが)。それから、以前ブームを起したことのある超整理法は完全に戦術本ですよね。こうして考えると巷にある成功本やら手帳本がどの範囲を志向しているのかがわかりやすいのではないかと思います。戦略だけではダメだし、戦術だけでもダメ。ある程度バランスの取れたやり方で効率を追求してクォリティを向上させていく必要があるのではないかと思います。
今、自分のフランクリン・プランナーの使い方はGTDを一部取り入れて試行錯誤の真っ最中です。
だいたいは・・・
��1)日曜日の夜などに、やりたいこと、やらねばならないことなどをマインドマップで書き込んでいきます。
��2)タイムリミットがあるものに関しては、何時間かかるかを考えます。
��3)あとはそのマインドマップの中で、例えば同じプロジェクトなど集約できるものを捉えていきます。これはゴールドラット博士のクリティカル・チェーンの考えを取り入れて、出来る限り集約することで、分散したときに必要な仕事のスタートに必要な時間を軽減させるためです。
��4)一日に無理に全部スケジュールを埋めない。目安は1/3.リミットは1/2.(2)や(3)の中で、一人でやるものに関しては何時からやるかを決めます。逆に複数がからむ場合は終わりの時間を明確にします。ついだらだらと話つづけてしまうケースがあるためです。
まぁ、GTDの方法を取り入れて施行錯誤の部分もありますが、これはもう少し形がはっきりしてから取り上げたいと思います。
次はGTD・・・LifeHacksとして今、自分の中で頭を痛めている複数プロジェクトの中でのコントロールとかについて現在での考え方を書くことが出来れば、と思っています。
��9/21 文書が二度エントリーされていたので削除と、一部手直ししました)
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