2005年3月23日水曜日

戦争における「人殺し」の心理学/デーヴ・グロスマン

戦争における「人殺し」の心理学
デーヴ グロスマン Dave Grossman 安原 和見
筑摩書房 (2004/05)
売り上げランキング: 5,793
通常3日間以内に発送
おすすめ度の平均: 4.67
5 すばらしい
4 戦争の悍しい実態を垣間見る思い。
5 戦争についてずっと知りたかったこと


ここ半年あまりで一番衝撃をうけて、ゆっくりと読む本となったのがこれです。なんだか、二週間ぐらいかけてゆっくりと読んでいましたよ。

著者は第82空挺師団"オールアメリカン"に在籍していたこともある軍人で、主に戦場において人を殺すという行為が、第二次大戦以前と以後でどのように変化したのかを克明に書いています。

自分にとって驚きだったのは、ナポレオン戦争時代のマスケット銃の命中率の低さが当時の技術レベルからではなく、単に兵士の大勢が狙いをつけて撃っていなかった(相手の上へ目掛けて撃っていなかった)ことにも起因するというあたりからでしたね。南北戦争では、兵士が「撃ったフリ」をしていた実例が多く残っているとか。
大体、第二次大戦で兵士の相手兵士に対する発砲率が15~20%っていうのは、知らなかった事実でした。

兵士が人を殺すことをいかに正当化するか、例えば、戦友愛、敵の非人間化(ヤンキーだとか、モンキーだとか、まぁ、言うなればありがちな話です)、目的の正当化(民主主義の優位、対テロリスト、対宗教、その他もろもろ)、そして殺すことに対する衝撃度合いは、その距離に反比例(つまり、近くなればなるほど殺すという衝撃は多くなり、遠くなれば少なくなる)するなどといった事例も数多く紹介されます。
戦場での様々なエピソードを交えて(それらはすべて在郷軍人達のインタビューから、WW2、ベトナムなど戦いで実際に人を殺した兵士達から集められています)、「戦場において人を殺す」という行為がいかに行われてるのか。ということに関して丁寧に記述されています。
「戦場では98パーセントの兵士達が心に傷を負う。残りの2パーセントは人を殺すという点においてなんらの罪悪感も抱かない」というくだりもすごかったですが。


そしてなにより、東京大空襲、ドレスデン爆撃などの都市に対する無差別爆撃が及ぼした効果を研究した結果、「さほどの効果は得られない」ということが判明したのだ。というくだりはなんというか(結局は被害を受けた国民を奮い立たせる結果となり、継戦能力にさほどの影響をおよぼさない)・・・東京大空襲から60年。あれを戦争犯罪であるという意見もある中、無常さを感じさせます。であるからこそ、ベトナム戦以降、米軍があれほどピンポイント爆撃に収斂していくのもわかります。都市部において、「ピンポイント」で攻撃するという恐怖をあじあわせることも主眼の一つなのですから。

第二次大戦では20%以下の発砲率も、その後の研究と訓練手法の変化に伴い朝鮮戦争で55%。ベトナム戦争で90%になっていきますが、結局その訓練手法は、手っ取り早く言えば「フルメタル・ジャケット」でのハートマン軍曹がしてみせたような強ストレス下での訓練手法だったりする。つまり、感覚を鈍らせるのだ。
だが、ベトナム戦争ではそのような訓練を施した兵士に対して、なんらのケアもすることなくアメリカ本国へ戻してしまったためにPTSDが続発。アメリカが長く深い傷跡を背負う羽目になってしまったという(無論、アメリカ国内国民の行為も悪かったのだが)

それを防ぐためには、兵士達を隔離し、時間をかけて緊張感から解き放たねばならないという。おりしも数ヶ月前、陸上自衛隊のイラク派遣部隊が日本に戻る際に、部隊単位で移動し、武装を解き、アルコールを与えて、それぞれの感じたことなどを思い思いフリーに語らせているシーンがNHKで流れていたが、ああ、なるほどと合点がいった。

戦地、もしくは高ストレス環境下から戻ってきた軍兵士に対して、後方の国民はいかなる形で彼らを向かえればいいのか、それも示唆に富む話が数多く書かれていたりする。

そして、現在、アメリカを被うメディアによる殺人に対する障壁低下(つまり、広範囲で軍での訓練が行われている。そこでは殺人を躊躇うことなく行うヒーローの存在があったりすると作者は指摘する)から、表現の自由にある程度の制限をつけるべきだと書いていますが・・・ああ、なるほどそれは一理あるかもしれません。

軍隊に興味があるなら、読んでおいて損はありませんぜ、いや、本当。

ハチミツとクローバー 7/羽海野 チカ

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羽海野 チカ
集英社 (2005/03/18)
売り上げランキング: 22
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 5
5 この漫画はすごい☆
5 よくやった☆竹本くん!!
5 青春キング万歳☆


アニメ化にまでなっちまうとはなんというか、いや、良作ではあるのだけれどなー、アニメでどれだけこの作品世界の独特な間を表現できるか、微妙だなぁと思うのだけれど。

この巻ではようやく竹本の旅も終了。長い夏休みも終わり、いい加減物語も動いてくれないと困るよ、いや、本当。
森田を筆頭に永遠ループの真っ最中的なキャラが多い作品なのだが、ここらで収束へ向けて話を動かしていかないと(真山には微妙な変化が訪れているようなのだけれど)、どうよ?と思うのだが・・・。

しかし、今回一番ワケがわからないのは、たった一話しか出てこなかったローマイヤ先輩(それも初期なのに!)の心温まるエピソードだったりする・・・いや、面白いからいいんだけどね(w

2005年3月22日火曜日

BLOOD ALONE 1/高野 真之

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BLOOD ALONE 1 (1)
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高野 真之
角川(メディアワークス) (2005/02)
売り上げランキング: 319
在庫切れ


吸血鬼である少女、ミサキと小説家であるクロエは、今日も街の片隅で暮らしていく。ミサキは決してクロエの血を吸わず、与えず、パートナーとしてクロエを見て、クロエもまたそんなミサキと共に暮らしていく、光の下には出られないが、夜の黄昏の中に生きる、そのなんということはない時間――。

発売当初に買い逃して、札幌市内を駆けずり回ったあげく結局はbk1(Amazonも在庫切れだったし!)で購入する羽目になった作品ですが、その、なんですね、作者が同人誌で書いていたネタだということは、以前に知っていたのですが、どうも似たような話をどこかで読んだことがあるような――っと思っていたら、Amazonレビューでいい表現が書いていました。

吸血鬼版、「Papa ToldMe」。ああ、なるほど! 確かに!

しかし、親子という関係ではないしな、まだ語られてないキーワードが作中で出てくるし。レンフィールド、新生(ノウルサリート)という言葉は、確か「ドラキュラ紀元」にも出てきたような――さて、吸血鬼であるミサキが誕生した理由も、クロエのもつ能力もすべてが語られているわけではないですし、どう落ち着くことやら――。でも、実はこの作品世界は大好きなのです。はい。

皇国の守護者 1/佐藤 大輔原作 伊藤 悠著

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皇国の守護者 1 (1)
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佐藤 大輔 伊藤 悠
集英社 (2005/03/18)
通常1~2週間以内に発送


架空の<大協約>世界。空は龍が舞い、地には剣牙虎と呼ばれるサーベルタイガーがおり、人とて、両性具有者、導術と呼ばれるテレパシー能力をもつ者がいる、そんな世界。技術レベルはナポレオン戦争あたり。そんな舞台の中で、日本的なものを感じさせる皇国とロシア-ドイツなものを感じさせる帝国との間に、経済的問題が発生。
皇国の北領に上陸した帝国軍は、戦姫ユーリアに率いられ、皇国軍を一蹴する。敗走する皇国軍の殿(しんがり・・・最後尾にて味方を逃がす損な役目)には、実験部隊の剣虎兵(サーベルタイガース)大隊がおり、そこには兵站幕僚の新城直衛中尉がいた――。

というわけで、皇国の漫画化っていう話を聞いたときには驚きましたが、作者の巧みな画力と構成力でいい漫画になっていると思います。原作が1巻2巻同時発売されたときには、あまりの時代背景の巧みさに感心しましたが、そのビジュアルを上手く表現していると思いますね。また新城の臆病さと狂気さを現し、兵を操り、そんな自分の愚かさに腹を立てる複雑さもいい感じです。天龍(ドラゴンというより東洋の龍)である坂東一之亟もそうくるか、というデザインですしね。まだ原作1巻の1/3というところですが、ここから怒涛の軍勢を迎え撃ち、敗走の中での遅滞行動という軍事モノではケレミ味たっぷりの戦いが描かれることになります。期待して続きをまってますよ、はい!

2005年3月16日水曜日

ザ・ホワイトハウスS-3第21話「平和の陰に」“POSSE COMITATUS”

原題、"POSSE COMITATUS"は直訳すると、民兵隊壮年団(ラテン語では"MS ゴシック">possible force)なんですけど、最初どんな意味かわからなかったんですが、答えは作中、
フィッツウォレス統合参謀本部議長が言っているように、「治安活動に陸軍と空軍は使用できない」(除く海軍/海兵隊)という、THE
POSSE COMITATUS ACT(条例)からとられているようですね→"http://www.rand.org/publications/MR/MR1251/MR1251.AppD.pdf">■


どひゃあ、知らなかった……調べれば出てくるなぁ、こういうネタ。
PDFをザッと眺めた限り、どうやら南北戦争あたりもからんでくるようですが、これはしばらく宿題とさせてください(w



さて、架空国家クマーの国防大臣シャリーフがテロリストの主導者であることが判明し、
フイッツウォレス統合参謀本部議長を筆頭とする国家安全保障担当のメンバー達は、シャリーフの暗殺を大統領に求めますが、
この手の判断は難しいところです。

テロを防ぐためには何が最適なのでしょうか。現在のローマ帝国たるアメリカは異なる考え方と対峙していくのか、興味はつきませんね。
書けば長くなるので端折ってしまいますが。




ドラマの作中では、悩む大統領に対して首席補佐官が「大統領であるからこそ」暗殺計画実行の指示を求めますが、
その直後に大統領候補の知事と面談し、一方でS.Sのサイモンが撃たれた事件について「犯罪は良くわからない」と逃げた知事との「覚悟の差」
、つまり、権力を操ることの難しさを明確に映し出していると思いますが、もうここらへんは脚本もさることながら、BGMといい、
カメラワークの勝利ですね。

また錯綜するストーリーの中で、トビーとサムのほとんどボケとツッコミのような(一応上司と部下なのですが)やり取りや、ジョシュのタフ・
ネゴシェーターぶりなど(まぁ、ジョシュの言いたいこともわかるんですが、そういう反論の仕方じゃあ納得せんだろうとは思いますがね)、
中々の見所満載でした。チャーリーが新しい秘書について奔走する理由もさらりと述べられたりと、なかなか上手い着地だと思いますよ。


S-4はどこから始まるのやら。
選挙だってまだ結末を迎えていないのに!? そりゃないよ!って感じですが。


さて、SS-3ラストの重箱の隅的なネタをいくつか。

エアフォース・ワンって?

基本的には大統領が乗る空軍機のコードネームですので、B747ベースの今の機体単独のコードネームではありません。大統領が降りると、
その機体のコードで呼ばれます。副大統領が乗る機体もあり、こちらはエアフォース・ツー。
ちなみにホワイトハウスに乗り付けるヘリは海兵隊所属ですので、マリーン・ワン。副大統領であれば、マリーン・ツー。
外国首席の場合はステート・ワン。陸軍機体に乗るときはアーミー・ワン。海軍機体はネービー・ワン。
民間機に乗る場合(以前はあったそうです)はエグゼクティヴ・ワン。大統領の家族が乗る場合は、エグゼクティヴ・ワン・
フォクストロット(Fのコールです)。

ここ最近、色々な雑誌を読むとマリーン・ワンの次期機体候補で揉めているらしいですね。そりゃ大統領が乗る機体が欧州製なら、
アメリカ国内の航空機産業は良い顔しないわな(w


シークレット・サービスって?

設立当初は財務省管轄の贋金摘発を目的とした組織でした。
"MS ゴシック">大統領の暗殺事件発生に伴い、第二の任務として大統領警護も行い、大統領の座を降りても終生その警護は続きます。現在、
9.11テロを受けてブッシュ大統領提案による国土安全省(DHS)に編入されて今にいたりました。


さて、S-3もこれで終了。S-4が始まるまで、時折合間を見てS-1、
S-2のネタをインサートしていこうかと思います。

お付き合いしていただき、ありがとうございました>このカテゴリーを見ていただいた皆様。


 



2005年3月14日月曜日

ほしのこえ 佐原 ミズ/新海 誠

ほしのこえ
ほしのこえ
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佐原 ミズ 新海 誠
講談社 (2005/02)
売り上げランキング: 1,222
通常2~3日以内に発送
おすすめ度の平均: 4.11
5 違った角度から見た「ほしのこえ」
4 ほしのこえ
4 原作ファンをがっかりさせません


ふむ、こう料理して出てきたか。という一品。非常に繊細な、リリカルな作品になっていると思う。
「ほしのこえ」(のパイロット版)を始めて見たときの衝撃、背景の美しさと物語の繊細さを思い出した。

宇宙空間と時間に隔絶される人間関係というのは、SFネタとしては非常にベタだ。
「終わりなき戦い」などを持ち出すほど古いネタを引っ張ってこなくても、「トップをねらえ」がある。
それでも、この作品は鮮やかに青春と携帯というガジェットでそれを描き出すのだ。

いささか、その時に感じた懸念は、「雲の向こう、約束の場所」で現れて、どうにもこうにも背景美術や表現に物語が追いついていない感があるが、逆に言えば、それだけの舞台を作れるのなら、もっといい脚本を描いてほしい。というのが正直なところなのだ。次回作でどういう答えを導き出してくれるか、期待している。

それはともかく、そのコミック版だ。オリジナルキャラも出ているが、ちゃんと筋をはみ出ることなく「ほしのこえ」世界を補完している、いい作品だった。良作です。ただ、原作を読んだ上で、という但し書きもつけておきますが。

2005年3月13日日曜日

まぁ、なんとか今回は。

「人権擁護法案 国会提出当面見送り 自民、党内合意得られず」
"http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050312-00000005-san-pol">http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050312-00000005-san-pol


まぁ、なんとか時間の余裕が出来たみたいですか。YAHOO!のヘッドラインだと今国会の提出見送りなのか、
さっぱりわかりませんので、この件に関しては、"http://blog.livedoor.jp/no_gestapo/">http://blog.livedoor.jp/no_gestapo/をみるかぎり、
とりあえず継続審議ということになりましたか。

2chで流れている自民党部会の議事録を見るかぎり、まぁ、よく国会提出が止まったな、とは思いますが。

この件に関しては引き続き注意していく必要があると思います。



自分がこの法案について疑念をもって反対しているのは、

・表現の自由、
報道の自由には何らかのガイドラインが必要であるのは一定の理解を示すが、恣意的なものが入り込むことを極力避ける必要がある。
(三権分立が何のためにあるのか!と書いたのはこのせい。
一方の権利があればそれを監視する権利もまた必要だと自分は思っています)

 国籍条項もなし、罷免権もなしでは危なっかしいものです。

・大体、
人権擁護局があるのにこれ以上の外郭団体なんていらんだろう!?

というのが主な理由で、
もう一つには、

・メディア規制法案を凍結しておけばOKだと思うマスコミにも信用ならん。


とかがあって反対しているわけです。



まぁ、ぶっちゃけ言えば、非常に裏に胡散臭いものを感じてしまうのですよ。

少々の胡散臭さならばスルーもしますが、基本的人権にかかわることで座視するとロクなもんではありませんからね。いや、ほんとう。







不覚・・・。

本を買い逃した途端に、自分の心には「読みたい力(ちからと呼んでください)」がふつふつと沸いてきます。


今回、2月末に出た本をまんまと買い逃して、札幌市内を駈けずりまわったものの、結果的にどこにも無いので、ネット書店で買いました。
いや、確かに無いとわかった時点で本屋に頼むか、ネットで買えばよかったのですがね、
ここらへんの線引きが難しい地方都市の難しさという奴です。


なかなか上手くはいかないてすが、買うタイミングを逃すと札幌でも買うのはむずかしいなぁと思うことしきりの一日でした。



2005年3月11日金曜日

フランクリン・プランナーを使ってみる(その三)。導入ってどうするの?

7つの習慣―成功には原則があった!
スティーブン・R. コヴィー ジェームス スキナー Stephen R. Covey 川西 茂
キングベアー出版 (1996/12)
売り上げランキング: 230
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 4.59
5 米国資本主義の成功理念に仏教思想を感じる良書
5 本だけでは飽き足りない人に。独自の編集で、オリジナルのエピソードも収録。
5 現代のバイブル!?何度も読めばきっと人生の役にたつ。


さて、フランクリン・プランナーの第三回目。というわけで、フランクリン・プランナーの根底にある本として「TQ」にも触れたので、こちらにも触れないといけませんね。
もうそろそろ続編の「8つの習慣」が出るとのことですが、自分が読んだのはこちらなので、こちらから。
基本的には、フランクリン・プランナーの思想をより具体的にしたもの、と言えるのではないかと思います。スターター・キットを購入すると、7つの習慣の奇妙な絵がついてくるのですが、これを理解するのは「7つの習慣」を読む必要があります。

もともとは今のフランクリン・プランナーは、フランクリン・エクセレンス社のフランクリン・システムに7つの習慣の著者でもあるコヴィー氏の「7つの習慣」コンセプトを合体したもののようですから、どうもすわり心地が悪いのは確かなのですが(ですので、以前のコンテンツではTQを薦めていたのですが)。しかし、それでもこの「7つの習慣」は一読に値します。自分も何度か再読しています。

さて、フランクリン・プランナーの使い方ですが、並に使うと極々普通のシステム手帳とかわりがありません。
どうすればいいのか、と言われると、やはり「価値観」「目標」を作っていき、そこで初めて「大きな石(目標、価値観)を当てはめて、その隙間に小さい石(日常)を差し込む」ということが妥当なのでしょう。
一番厄介なのは、この目標や価値観をどのように作っていくか、が大変なのですが、色々と方法はあるかもしれません。かくいう自分も試行錯誤の真っ最中ですので。まず、参考になった本を色々と取り上げていこうかと。

スイッチ・オン!~あなたの生きかた切り換え術~
ケヴィン・W・マッカーシー 岸本 紀子
扶桑社 (2004/03/18)
売り上げランキング: 63,220
通常4~6週間以内に発送
おすすめ度の平均: 5
5 自分の方向性が見えてくる本


価値観に近い目標を構築するために悩んでいたところ、この本を読んだのだけれど・・・うーむ、確かに参考にはなった。スターター・キットにも書かれている目標の作り方をより具体的に強化したもの、と捕らえていいかもしれない。
年一回、見直すためにはちょうどいいノウハウ集だと思う。小説ですが。
それよりも判りやすいものを最近、別ルートで知りました。正直、「価値観」「目標」を作り上げることが難しいと感じているのであれば、この本のある章を読んでいただければ、すんなりいくと思います。

no image
菅原 裕子
講談社 (2003/03)
売り上げランキング: 15,302
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 4.43
4 目標はぐ・た・い・て・き・に
4 様々な状況で活用可能な指導術だと思いました
4 手広く書かれているが……


この本は、仕事柄アルバイトのコーチングとかで頭を抱えていたときに読んでいましたが、最後の章、「セルフ・コーチングのすすめ」に、価値観や目標を導くための「セルフ・コーチング」の方法を書いています。

やり方は、スターター・キットやスイッチ・オン!と変わりません。

が、目標を定めて少なからずうまく行かなかった人などはこの本をオススメします、セルフ・コーチングのメソッドと、「ぐ・た・い・て・き」(具体的な目標、達成可能であるか、目標に意欲的になれるか、目標が定量化できるか、プロセスを記録できるか)な目標の立て方と、うまくいかない時の「自らに施す」コーチングについて書かれています。非常に参考になりました。
自分としてもコケかけていた目標を見直し、仕事とのアライメントをとり、高すぎる目標を分割し、ものによっては延期する一方、手帳にその日の行動を書く。ということで、立て直している最中です。是非にオススメしたい本ですね。

さて、「価値観」「目標」を定めて、あとは具体的にどう使っていくのか・・という場合には、下の本も参考になるのではないかと思います。
フランクリン・システム
サイビズ編集部
サイビズ (1995/12)
売り上げランキング: 35,650
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 4
5 理想のシステム! 愛用の手帳で実践します!
4 フランクリン・システムを使い込むためのノウハウ集
4 フランクリンプランナーの概要を知るのに最適


フランクリン・システム時代で、なおかつWindows3.1時代と、今となっては古いところもありますし、リフィールも最新のものではありません。しかし、具体的なノウハウ、ナレッジという点では使えるのではないかと思います。

ふぅー・・・さて、本の紹介だけで終わっていきましたけれど、具体的に自分の悪戦苦闘を書いていこうと思いますので、これからが本番なのですが、続きはまた改めて書きたいと思います。はい。

2005年3月10日木曜日

「神々の座」

NASAで作成した、3D地球儀ソフト「World Wind」の存在を遅まきながら、「極東ブログ」
の作者であるfinalvent氏の「"http://d.hatena.ne.jp/finalvent/">はてなダイアリー」で知った(3/8)。あわてて、
"http://www.forest.impress.co.jp/article/2005/03/07/nasaworldwind.html">
窓の社の紹介記事
を読んで、NASAの"http://worldwind.arc.nasa.gov/">サイトでDwonloadする・・・。
178MbyteなのでADSL環境の自宅では結構気合が必要でしたが(w


すげーっ。こりゃ面白い。なによりネット時代の3D地球儀らしく、国旗、国境を表示させて国家をクリックすれば、
CIAの国別報告レポートが、遺跡や自然物アイコンをクリックすればWikipediaが立ち上がるというこの細かさ。

これでフリーなんだから、アメリカ国外のオルソ画像データ(専門用語だけどひずみを補正したものだと思ってくれれば)がお寒いのが難だけど、
必要十分。なぜから・・・。


マウスでぐるんぐるん動かして、札幌のあたりをフォーカスすると、ちゃんとある程度の町名(丘珠、新琴似まで出たよ)は表示されるし、
観測衛星のランドサットの画像データを切り替えれば、ちゃんと街がはっきりする。札幌ドームどころか、
札幌(丘珠)飛行場横にあるそれより小さいドーム練習場(つどーむ)までわかるじゃんか。


で、このソフトでぐるぐると中央アジア近辺とかを見ながら、自分の脳裏にある世界地図って結構あやふやだったんだなぁとか、
恥ずかしながらNYの位置を勘違いしてましたとか!(ちゃんと街名の検索が出来ます。英語ですけど)色々目から鱗でした。
地理と歴史と世界情勢は切り離させないとは思っていたけど、地球儀で色々と見たい方向を変えたりすれば(傾斜もつけられるので、
富士山とかエベレストのデフォルメのきいた表示も可能)、見えなかったものも見えてくる。


もう、ブロードバンド環境でほどほどのマシンスペックの方からインストールしてみることをお勧めします。
あっという間に時間が過ぎていくこと請け合い。かくいう自分も晩御飯食べながら、ぐるんぐるんまわしてましたもの(w。


 



2005年3月9日水曜日

立ち位置の危うさ。(その一)

このblogに書いて記述していることで友人の一人から、「立ち位置がわからない」という指摘を受けた。

該当のコンテンツを読むと、まぁ、確かにありきたりのことを書いているわな。と自覚する反面、
ちょっと書き方を見直さないといけないなぁと考えている。



正直、このblogのアクセスカウントは常時訪れる人(ブックマーク経由)が20人程度かな。あと「はてなアンテナ」経由の方もいるし、
上を見ても50は行かない世間一般でいう大半のblogがそうであるように零細なblogだと思っている。皮肉なのは、
某コンテンツのおかげでAnnex(別館)はいまだにここのblog以上のアクセスカウントをキープしているぐらいだ(いや、
本当放置してて申し訳ない)。

そんなわけでここは風が吹けば飛ぶような零細blogといってもいい。アクセスカウントをあげようなんて考えはないので、
逆にイキナリあがってしまうと2chかどこかの掲示板で晒されたか!?とおびえてしまう小市民でもある(w


Annexというより@niftyの頃は政治的な問題については極力触れないようにやっていたことは以前にも書いたけれど、
blogに移行してからはあまり考えなく興味をもったことにたいして書いている。その分、
考えに深度がないような案件については立ち位置が曖昧になっていたり、「隣が騒いでいるから自分も騒いでいる」
ようなスタンスになっているのかな、と思わないでもないのが実際のところ。

正直、TWWのコンテンツを書くときとか、振り返るととんでもない労力(軍事研究とかをひっくりかえしていたり、
ネットで検索していたりとか)をかけているのだから、もうなんつーか・・・逃避行動の一種ととられてもしょうがないのかも。まぁいいや、
好きなんだし(w・・・もあれば、脊髄反射的に「そりゃダメだろう」とリンクを張る場合もある。



・・・何が書きたいかって? いや、だから、そういう立ち位置の曖昧さも含めて自分の意見だと思っていてほしい。
正すべきところはただしていかなきゃならないと思うし、そういう意味で「そりゃおかしいだろう」
と思って(ついでに手間隙かけて)コメントやTBしてくれれば非常にありがたいと思う。日々これ勉強だし精進だと思って、
このblogを書いているのだ。生憎とここ最近は仕事とかがで優先度が落ちているので更新頻度が落ちているのだが・・・。



TWW 第二十話「大いなるジレンマ」 “WE KILLED YAMAMOTO”

前回、諜報ネタで書こうと思いましたけれど、冗長すぎたのでオフにしてしまいました(w

今回はちらりとさわりだけでも書きたいものですが・・・。


タイトルを見て、おや?と思いましたが、案の定クマーの国防大臣にてテロリストの親玉、
シャリーフの暗殺がフィッツウォレス統合参謀本部議長から仄めかされることになりましたが、WW2以降、この手の指揮官殺しは"ヤマモト・
オプション"と呼ばれています。だからこそ、「We Killed YAMAMOTO」となったのでしょう。

太平洋戦争中期、山本五十六連合艦隊司令長官の前線視察を察知した米軍による作戦からはんを取られていますが(いや、
ことこの手の件については日本軍があまりにも無防備すぎたのですが)、この手のテロリスト支援者に対する暗殺のようなダーティ・
ワークは実際、アメリカの特殊作戦軍(USSOCOM)の主任務の一つでもあったりします。もっとも、
特殊部隊(SOF)といっても常日ごろ要人暗殺や敵地進入などを繰り返しているわけではなく、
現地の軍などを指揮したりする任務があるわけですが。


さて、今回、シャリーフと宗教関係者との会話が赤外線レーザーで傍受して・・・としてというくだりがありましたが、
諜報にも色々と種類があって、

・HUMINT(ヒューミント)人的諜報(今回のような工作員による情報聴取がこれにあたります)

・COMINT(コミント)通信諜報(前回の携帯電話からの傍受などはこれにあたります)

・ELINT(エリント)電子諜報(一昔前に話に上がったエシュロンとかもそうですね)

・SIGINT(シギント)信号諜報(実はWW2の昔から日本は定評あったりします。大韓航空機撃墜事件でも動きがあったとかなかったとか。
日本は別の問題があって正しく使えていないのですが)

・PHOTINT(フォティント)写真諜報(別にIMAGINTとも言う場合があるようですが、偵察機/偵察衛星による諜報です。トム・
クランシーの一連の著作や佐藤大輔氏の「静かなる朝のために」(日本のトホホな偵察衛星運用とかが笑えます。
って笑いどころはそこじゃないか^^;)。

とかを行って、ソースを集めます。ソースは様々な形に分解され、組み合わされ、
インフォメーションではなくインテリジェンスとして扱われるわけですが、これがまた情報の9割は、オープンソース、つまり、
政府告示や新聞などの情報を組み合わせて拾い読み、構築したりするようです。


さてさて、話も残りラストワン。大統領は暗殺計画にGOサインを出すのか。そして、C.J.の恋の行方、そしてジョッシュ(やっぱり、
その、なんだ、仕事で敵対するような相手を彼女にしちゃ拙かろうよ・・・)の恋の行方はいかに。楽しみに待つとします。ああ、
早いところ4thシーズンを!



2005年3月8日火曜日

この国は法治国家だ。されど、すべてを法によって定めるは・・・。

愚劣極まりない行為だと思いますが、どうよ>人権擁護法案推進派諸氏。
詳しくはこちらを参照のこと。→http://blog.livedoor.jp/no_gestapo/

大体、どう考えてみてもこんなのが素通りするのがおかしい。
無論、この国は言われ無き差別はある。横溢しているといってもいい。
在日朝鮮人問題、部落問題、一部疾病に伴う差別問題。北海道ならばウタリ(アイヌ)問題・・・。

しかし、その差別問題を法によって制限しようなんて行為はおこがましすぎるし、危険だし、ましてや最大のネックは、人権委員会を制限する仕組みや制度がまったく無いという近代稀に見る独善的な行為だ。
大体、三権分立がどうして三権なのかっていうは中学レベルで習う話だろうに!
互いが互いの権力行使を管理、監視、抑制することが出来なければ、組織は必ず暴走する。
歴史を紐解けば簡単にわかることだろうに、口当たりのいい建前だけを述べて、それをなおかつ法として存在させようという品性にかける行為は一体全体どうかと思う。

差別を改善したければ、正しき知識と歴史を告示すべきだ。それは時に痛みを伴うし、自分の無知蒙昧さを明かされることだってあるかもしれない、だけれどそうやって差別の原因たるもの(それは妄信であったり、さまざまな形であるけれども)を潰していかなければならないと思う。それを無視して、得に権利が制限されるわけでもない一部に権力を集中させるようなやり口は一番の悪手だ。

この国は法治国家だ。人治ではない。さじ加減で何かが決まるわけではない。だから法を定めるのだ。
��どこかの国のように大統領が変わるたびに法が作られ、前任の大統領の弾劾が行われるなどといった近代国家にあるまじき法の遡及適用が行われるような国ではないのだ!)
だけれど、近代民主主義国家にとって必要な言論の自由を抑圧するような行為を、特にたいした議論も通さず、ましてやマスコミすらスルーするってのは一体全体どうよ・・・。

��「正しいことをやっている」と信じて疑わない奴が一番「正しくないこと」を行うのだ。

2005年3月6日日曜日

映画「ローレライ」を見る。

映画「ローレライ」を見た。


WW2末期。8/6。広島に原爆が投下されたその日、横須賀のドックに停泊している戦利潜水艦伊-507を前に、
海軍軍令部作戦課長朝倉大佐は絹見少佐を艦長にし、原発投下阻止を目的にテニアン島へ向かうべく命令を下す。一路テニアンへ進む伊-507。
しかし、この潜水艦にはそれまでの潜水艦戦闘を覆す"ローレライ"が搭載されていた・・・。


 


<ネタバレありますので、気になる方は飛ばしてください>




・・・まぁ、その、なんですか。もう少し、あとほんの少しだけ脚本に努力があれば、わかりやすくなったんじゃないかと思うなぁ。それとも、
へんに原作読んだせいでバイアスかかっているのか。

ローレライの説明にしても、ナチスドイツのユダヤ人ホロコーストをインサートするのがあまりにも唐突だし、
軍医長があっさりと謎解きするぐらいなら、パウラか映画オリジナルのキャラから頂戴したドイツ語の資料から・・・とか入れれば、
どうやってそんなことがわかった!?という疑問を抱かせなくていい。

また、艦長と強面の掌砲長田口との関係だって、予め冒頭で昔の戦友であるとの台詞が一言でもあれば親密な関係を作れただろう。でなければ、
後半の潜水艦占拠での艦長とのやりとりに説得力がなさ過ぎるし、田口の変心があまりにも唐突に感じる。
そういう面では脚本にいま少しの説得力や丁寧さが欲しかった。


映像はほどほどに良かったですよ。



色々感想はあるのですが、日を改めて書くとします・・・・。