2010年11月25日木曜日

20101125

韓国での砲撃事件に関するメモ。

・驚いたのは北朝鮮の砲撃もさることながら、死傷者数の少なさ。170mmという重砲クラスの砲弾が80発程度着弾した状態で、死傷者数がこんなに少ないというのは...。
 a) 着弾した地点の大半が市街地、あるいは展開地域ではなかった(山林など)。
 b) 当然韓国軍展開地域への砲撃だったが、事前に準備された陣地があった。
 とか考えたけど、どうなんだろうか。
 おそらく事前にある程度砲撃位置は観測済みだっただろうから、あとは打ち込むだけ、の状態だったのでしょうから、b)+a) の割合はb)のほうが大きいかもしれません。
(無論、少ないとはいえ無視は出来ませんが>死傷者数)

 だとするとWW1の例を見るまでもなく、ちゃんと事前に壕が準備された陣地に対する砲撃はやはりもっと大規模でないと難しいとみるべきでしょうかね。
 でもYoutubeでは市街地に着弾した光景が流れていましたが、平野部でない郊外居住地に着弾(建物直撃)の場合、すぐそばにあるている市民は何もなく平然と歩いているようなんですよね。大丈夫なんだろうか、あれ...。

 170発発射して80発着弾という報道もあったようだけど、良くまぁ前線観測員とかいない状態でやったもんだな。とか(多分数人は目視できる箇所にいて連絡してたんじゃないかな)。
 北朝鮮の砲撃がどれだけの密度(おそらく中隊レベルかな。で、その砲撃間隔もわからない)で行われたかわからないし、これは今後のレポートではっきりすると思うけれど、ちゃんとした統制砲撃が出来るだけの組織であることははっきりしているようです。
 ※どうやら時間的に20分で120発程度、それから30分ほどおいて20分で20発。という形のようですね。二回目は砲撃をうけてから30分後に行った韓国の反撃に呼応したものでしょう。

・今回は単なる北朝鮮の韓国に対する懲罰的対応という形に落ち着く(というか落ち着かざるを得ない)だろうけれど、対する韓国軍のカウンターバッテリーアーティラリー(対砲兵)砲撃もK-9自走砲などで行われたようですが、はて2002年あたりで対砲レーダーの数が足りないといわれていたのは解消されていたのかなぁ。あるいは音響とかかなぁ。

・ただ北朝鮮の瀬戸際外交としてもどうだろうかとは思いますが、それは経緯を見ていく必要があるでしょう。

ともかくそんな感じでメモとして書き残しておきます。

2010年11月19日金曜日

最近の購入物色々。

ちょっと追加予定

戦うコンピュータ2011
戦うコンピュータ2011井上 孝司

光人社 2010-10-21
売り上げランキング : 9579


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

(2010/11/20追加)
いつも読ませてもらっている井上@kojii.netさんの新刊。実際は少し前に購入していたのですが、ちょっととりあげ遅れてました。
前作の増補改訂版かと思いきや、ぜんぜん内容は異なっていて、前作が出た当初よりかなり変化してきた軍事関係におけるコンピュータ、特に充実してなお変化のさなかにあるC4ISRを中心に取り上げている。それぞれ細かい章立てなので興味あるところから読むと面白いかも。
(C4ISR ...シー・クウォドルプル・アイ・エス・アール/シー・フォー・アイ・エス・アール、Command(指揮) Control(統制) Communication(通信) Computers(コンピュータ) Intelligence(情報) Surveillance(監視) Reconnaissance(偵察)、を纏めたもの。Cの4乗なのでクウォドルプルというわけ。ま、ありとあらゆる情報を統合して戦闘を優位に進めようという考え方ですね)

ほんと最近、Anti-Access(拒否戦略)とか、Joint Air-Sea Battle Conceptしかが飛び交う中、どんな変化があるか数年でほんと変わっていきますからね。
軍事関係に興味があるヒトより、多分コンピュータ業界にいるヒトのほうが発見というより納得で読めるものがあるかもしれないなぁ。っていうかやっていることはシステムインテグレートとか、RFIDタグとかだしね。自分もまとまって最後まで読んだらもう少しとりあげようかと思います。

魔法先生ネギま!(32) (少年マガジンコミックス)
魔法先生ネギま!(32) (少年マガジンコミックス)赤松 健

講談社 2010-11-17
売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

(2010/11/20追加)


プラチナ・ジャズ ~アニメ・スタンダード Vol.2~プラチナ・ジャズ ~アニメ・スタンダード Vol.2~
ラスマス・フェイバー・プレゼンツ・プラチナ・ジャズ

曲名リスト
1. はじめてのチュウ(「キテレツ大百科」より)
2. 冒険でしょでしょ?(「涼宮ハルヒの憂鬱」より)
3. Adesso e Fortuna ?炎と永遠?(「ロードス島戦記」より)
4. プレパレード(「とらドラ!」より)
5. Skies Of Love(「銀河英雄伝説」より)
6. 愛の輪郭(「ブレンパワード」より)
7. 人生のメリーゴーランド (「ハウルの動く城」より)
8. 暁の車(「機動戦士ガンダムSEED」より)
9. 約束はいらない (「天空のエスカフローネ」より)
10. HELLO, VIFAM(「銀河漂流バイファム」より)
11. そばかす(「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」より)
12. Forフルーツバスケット(「フルーツバスケット」より)
13. yume no tamago(「ラーゼフォン」より)
14. Voyage(「ファンタジックチルドレン」より)
15. アイモ?鳥のひと(「マクロス Frontier」より)
16. 魂のルフラン(「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」より)
17. キグルミ惑星(「はなまる幼稚園」より)
18. 愛・おぼえていますか(「超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか」より)

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


信じられん、「はじめてのチュウ」がこれほどのJazzナンバーになるとはwww
でも個人的に1/3ほどわからない楽曲があってorzだったのは内緒。でも「HELLO VIFAM」をJazz化したなぁ...。



小さな魔女と空飛ぶ狐 / 南井 大介

小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)
小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)南井 大介 大槍 葦人

アスキーメディアワークス 2010-09-10
売り上げランキング : 2281


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


わりと個人的なツボをクリティカルでヒットしつづけてくれたことで印象に残っている「ピクシーワークス」の作者が書いた第2弾小説。

技術的レベルには1950~60年代あたりかなぁ。ジェットの夜戦機が飛び交うまんまスペイン内戦を思わせるような状況下で、第三国での騒乱に乗じて各国の思惑が交差して大混乱、という戦況。
その中で夜戦で鳴らしたエース・パイロットが本国帰還を命じられて戻ってきてみると、天才少女が待ち構えていました...というお話。

っていうか、9月に出ていたのにイラストでスルーしてしましたよ汗; だれがこのカバーイラストでやってる内容がネジが外れたマッド・サイエンティスト同士のエスカレーションをやっていると思うんだろうか、はい...。

うん、内容のほうはわりと中盤から終盤へかけてのなんていうか、タガが外れた情け容赦ない新兵器開発レースに乾いた笑いを起こしつつ読んでみるのが吉かなぁ。

本当にカバー帯に書かれていたように「御伽話(ウイッチ・テイル)」として読むのがいいかな。

無邪気っていうか、がつがつ開発される新兵器(っていうかそこらへんは突っ込みどころではないので)、バタバタ死んでいく人々、それとは変わりなく瞬く夜空の星、オウロラ。そこに舞う戦闘機たち...そういう物語です。
前作「ピクシーワークス」もそうでしたけど、作者、基本的に才能と理性を縛る常識とか倫理とかが欠けているような登場人物たちを出してくるのが多いなぁ。まぁ、それも有りだと思いますがw

人間が理性と常識の下に生きているのならこの世の揉め事の大半以上は起きていません。そこには感情が常にヒトを揺り動かすわけですからね。
戦う必要がないのに戦うのも、任務において戦うことを求められて拒否することもすべてはヒトの感情のなせる技なわけです。そういうわけでクライマックスの空戦は、そういう状況を描いていて、まぁなんというか...無常観を漂わせるに十分な話でした。

まぁ、私も個人的にはヒロイン?格であるアンナリーサより、主人公を下僕扱いしているリード姉様がツボでしたけどね。ありゃ無理。絶対無理。主人公に対する刷りこみ(インプリティング)の順番、絶対に間違えたよ! 露骨にアプローチしたって無理だねw

続きはなさそうな終わり方ですが、個人的にはこれでも満足かなぁ。
ライトノベルらしくない淡白な感情描写とかがあるから、ちょっと異質かも。そういうのを求めていない空戦好き、科学の暴走万歳?なヒトにはお勧め、です。

さて、あとがきに書かれているようにグロスマンの有名な本(自分も以前とりあげた本ですが、未読の方は是非)が発端だったようですね。

戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)
戦争における「人殺し」の心理学 (ちくま学芸文庫)デーヴ グロスマン Dave Grossman

筑摩書房 2004-05
売り上げランキング : 5693


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


殺人に対する心理的障壁を下げるようマインドセットを施されていない兵士は、(特に陸戦では)戦場へ出ても一定数の割合で人を殺せない。それがグロスマンがいうように人間の根幹にある善性なのか、それとも動物的忌避なのかはわかりません。それでもなお人を殺す人は一定数確実にいるわけです。
��と、同時にどれだけマインドセットを施していても人の心は戦場では数ヶ月で疲弊し、擦り切れていくのです。戦地から安全な地へ戻すのも1ステップを置かないと深刻なPTSDを起こします)

ヒトの最悪の中に見せる善性とは一体なんなのか。それが善性だとしたら、それがあるにも関わらずヒトが戦う理由は何なのか。悩ましい問題ですよね。



2010年11月18日木曜日

新しい電子書籍の可能性 Jコミの明日は?

「ネギま!」の赤松健さんが電子書籍サービスの会社を立ち上げましたね。

��株)Jコミの中の人
http://d.hatena.ne.jp/KenAkamatsu/


最近、首をかしげることが多いのは作者に対してメールを送るときにわざわざスキャンしたもの、あるいはダウンロードしたもので見ました。と書いてくるというのですからビックリなんですが。
��そういえば昔、森雅裕氏の著作でもサイン本を求めてられて古本屋からの値札付のが送られてきたことがある...というエピソードもあったけど、わりと無頓着なのかなぁ...)

閑話休題。

百花繚乱、雨後の竹の子、という形であちこち電子書籍サービスが立ち上がっていますが、大体一山超えたあたりで赤松氏からのアプローチですね。
「ネギま!」を長らく追っかけていると、連載当初からの赤松氏のマーケティング能力とか、そこらへんの商才があるのが見えてきます。インタビューなどを読んでもしっかり考えられているところがありますから、考え無しの行動は移さない。周囲の状況を調べつつ漸進的に確実に利益を得る...(この話あとでちゃんと触れたい)。今回もそんな感じです。

��コミの特徴は以下の点ですね。

1) 絶版作品がターゲット
2) PDFにより複数端末での参照可能
3) DRMフリー
4) 収益は作品ファイルに入れる広告をクリックする。
5) アップロードはサービス側が行うのではなくて、ユーザー側で行い、サービス側広告を付加する。

他にも特徴はあるのですが、これは上手い!と読んだときに思いましたね。

1) については、絶版作品をターゲットにすることにより各種の入らぬ揉め事を回避することが可能です。作品の著作権は作者本人がもっていますが、出版権利など様々な諸権利が複雑に絡みあう現状を考えれば、コミック化のされていない、あるいは絶版扱いの書籍というのはメリットが高いです。

2) 3)も上手いと思いましたね。電子フォーマットとして標準化で取り扱われているPDF形式であれば携帯端末、PCからでも見れます。セキュリティ/印刷禁止も(万全とはいえないまでも)可能です。かつDRMフリーでコピー可能。一つの端末に縛られることなくコピーが可能です。

4) 広告を入れすぎるとウザい、儲け主義と叩かれる昨今ですが、広告をインサートするのを表紙の次、作品の中盤、最後と、TVアニメ的な形としていることもさることながら、あっさりとクリックの収益が著作権者に入ります。読者のクリックが作者に利益となります。と明示してるんですね。

5) 一番上手いと唸ったのはこのあたり。電子書籍はどうしても立ち上がり時点のコンテンツ不足が痛いです。ならば読み手も巻き込んでしまえばいいわけですね。その後のFAQでコメント機能などの実装もうたわれています。
 自炊を行っている人達の間で絶版本のスキャンデータがあればアップロードする。おそらくその画質とかも問われることなるでしょうね。そしてその労力、能力に対するインセンティブは(ニコニコ動画の動画up主同様程度に)おそらく賞賛の声という形で現れるでしょう。サービス側はチェック体制をしっかりしておけばあとはPDF化+広告のインサートでことが足りる。成人作品はクレジットカードのみでの購入/ダウンロード可にしておけばいい。

本当にこのサービスが軌道に乗ればいいな。と思わせるに足りるサービスだと思います。

何が上手いのか。

電子書籍サービスが色々立ち上がっていますが、結局のところハードルが高い、あるいは結果的に囲い込みでしかないことが透けて見える。という点です。
某林檎系ですと、あまりはっきりとした基準のない基準で掲載有無、オンライン販売のハードルが決められてしまう。日本の漫画って、結構海外のこういう基準にばりばり引っかかるから海外のサービスにおいそれと乗っかれない。

では国内サービスだと、場合によってあまりに独自フォーマット過ぎて今後のサービス提供が不安。

そういうもやもやが今の玉石混合というか、何がイケるのかわからない。という状況なんでしょう。

PDFは(色々批判もされていますが)おそらく電子文章としてはデファクトなフォーマットです。一応ISO規格でもあるし、プラットフォームは選ばない。
かつDRMフリーをうたいつつ、広告をクリックすると著作権者にちゃんと利益還元しますよと歌う。スキャンレーション(海外の違法翻訳されたデータ)だってOKとのことです。

「スキャンもしてもいい、翻訳してもいい、でもUpしてくれたら広告付きで(クリックすれば)作り手に還元しますよ」
というわけです。

新古書店、電子書籍であろうと問題の一つには、作り手に対する還元性の薄さがある中で面白い試みだと思います。Jコミの収益そのものがサイトの広告でまかなうとのことですが、上手くいくかなぁ。やはり問題はどれだけ広告のクリック率があるかに左右されるかもしれませんね。

というわけで注目なので簡単にblogに書いてみました。






 

2010年11月15日月曜日

購入記録、色々

とりあえず購入記録として。

ビリオネアガール(1) (アフタヌーンKC)
ビリオネアガール(1) (アフタヌーンKC)桂 明日香 支倉 凍砂

講談社 2010-11-05
売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


狼と香辛料の作者が原作としてクレジットされている作品。オンライン・トレードで巨万の富を築いた(世間知らずでちょっとドジな)女の子と、ごくごく平凡でどこか抜けてる男子高校生との出会い。さてさて、どっちの方向へ進むのかなぁ。
「お金を稼いだあとの進み方」なのか、「ちょっと奇妙な恋愛」へ行くのか、さてはて・・・。

ファンタジウム(6) (モーニングKC)
ファンタジウム(6) (モーニングKC)杉本 亜未

講談社 2010-09-22
売り上げランキング :


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


すっかり買い忘れていたので購入。
手品、難読症、ほか色々とあるけれど、興味ぶかくて面白い作品です。


小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)
小さな魔女と空飛ぶ狐 (電撃文庫)南井 大介 大槍 葦人

アスキーメディアワークス 2010-09-10
売り上げランキング : 2714


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


どこかで聞いたような名前...と思ったら、「ピクシーワークス」の作者かよ! というわけで購入。カバーイラストでは想像もつきませんが、ジェット戦闘機による夜戦がネタらしいのだが、まだ未読。
もう少しカバーをなんとかしてくれないものかなー(苦笑)

俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈7〉 ((電撃文庫))
俺の妹がこんなに可愛いわけがない〈7〉 ((電撃文庫))伏見 つかさ かんざき ひろ

アスキー・メディアワークス 2010-11-10
売り上げランキング : 5


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


色々な意味で駄目な話だ(苦笑) えーっと、どっちへ向かうのかな。それとももうルートは選択済みなわけ? 個人としてはやっぱり幼馴染選んどけよ。とは思うけどさww


高砂コンビニ奮闘記 -悪衣悪食を恥じず-
高砂コンビニ奮闘記 -悪衣悪食を恥じず-森 雅裕

成甲書房 2010-01-21
売り上げランキング : 35510


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


森雅裕さんの随筆...?ルポ? ともかくエッセイらしい。いやぁ、小説読みたいんだけど無理なのかなぁ...。





2010年11月12日金曜日

色々メモ

最近twitterで呟き三昧でこちらのほうが...というわけで、メモメモ

#IS03...。
最初酷評していましたけど、色々Youtubeに上がっている動画とかニュースを読むとモリモリ購入意欲が沸いてきましたよ! 結構レスポンスが早くなってますからね。多分購入するとしたらオレンジかなぁ。黒だと自宅で就寝時携帯探すときとか億劫なんです、はい(苦笑)
とはいえバッテリが難ありで、待ちうけ時間短い点がネックかなぁとか、本体金額どれぐらい?とかあるんですけどね。
(自分が札幌のショップでためしに聞いたら、多分IS01からちょい上、4万円代じゃないですかねぇ)という話。
とはいえ、購入はちょっと先のばし。というのも2年縛りが来年2月で切れるから、本体サイクルもそれにあわせるため。

#愛国無罪はありえません。
色々国士様が沸いてきて本当、戦前もかくやという状況ですね。
Twitterとかmixiにも書いたので再録。
------------------
海保のビデオ流出は、
1)海保の職員による内部規定の逸脱に対する過不足ない公正な処罰
2)政府による情報機密指定の是非と妥当性の検討
は分けて考えるべき。情報漏えいしたものが大したものないから許されるとはそんなわきゃない。
無論結果的に(ビデオが)海保職員であれば誰でもアクセスが容易な可能なものであれば、情報保持レベルが引くいものであり、結果的に処罰は軽くなるかもしれない。
-------------------
自分が注視しているのは過不足ない公正な処罰という点。政権中枢にとってメンツつぶされた感大なわけで、どんな横車おしてくるかわからないからなぁ。
大体、国、政府レベルで機密指定しといて海保内部で職員であればアクセスできた状態なら、それは一体全体、どういう間抜けよ。と思いますけどね。
いや、わかりませんか。あの隣国大好き官房長官らしく、かの国特有の法の遡及適用なんて法治国家にあるまじき所業をもってくるかもしれませんからね...まったく。

#この国がちょっと不安になるとき。
ローソンに行って「けいおん!」のグッズとか曲とか聴くと、いいんだろうか。こんなことで。とか思いますが、まぁ、文科省でストライクウィッチーズを公認するような国だからいいのか、これで!w

でも「うへぇ」と思ったのがこの写真。TRDI(防衛省・技術研究所)が行っている防衛シンポジウムの写真のようなんですが...これはダウトだろうw → 



2010年11月5日金曜日

20年目にして始めて知る事実。

戦闘妖精雪風。神林長平氏の作品で日本SFでも(色々な意味で)金字塔作品です。

異世界の空を飛ぶ、シルフィード/雪風。自分も中学生のとき、横山宏氏のデザインを本屋ではじめて手にとったのが(おそらく早川SF文庫の)最初だったはず。
アニメ版とかもありましたが、自分の中でシルフィード/雪風といわれると、F-14のボディにF-15のような固定翼。というイメージがこびりついてるんですよね。

まぁ、それはともかく。

Twitterとかで、「雪風(の紙飛行機)作りました」とかいう話が飛び交って、ふむと思ってクリックすると見慣れない物体が。

http://jan.2chan.net/nov/y/src/1288795873922.jpg


...こ、これが雪風? 思わず目を擦って、何かの冗談か。と思っていたら衝撃の事実が。

http://jul.2chan.net/nov/y/src/1288841515902.jpg


SFマガジンで連載当時の挿絵版か!!

そうか...たしかにあの記述で予備知識無しだったら、しかも1979年初出だとすれば高高度戦術偵察機になるからU-2のようなデザインに...な、なるかー!(笑)

なんてレトロフューチャーな雪風! 深井零もなんていうか60年代テイストばりばりな銀色ヘルメット姿で...いやはや...。



2010年11月3日水曜日

時代は繰り返すのか?

(追加情報)プロペラ攻撃機が復活か [米空軍]」 from 東京の郊外より
前に軍事評論家の清谷氏だったかな? 日本にもOV-1ブロンコみたいなプロペラ攻撃機を導入したら。という話を書いて、軍事系プロガー界隈とかで「おいおい、携帯型対空ミサイルで狙われたら洒落にならないだろ」とかいう話になって、その当時、自分もまぁ、日本じゃ使い道が...とか思っていたら、アメリカ空軍がいやに乗り気らしいです。という記事。
読むと、デビス・モンサン空軍基地でモスボールされていたOV-1を引っ張り出して、AH-64の30mm乗せたとか、アメリカ空軍もTB-6(テキサン練習機か汗;)にあれこれ機材を載せて試しているとのこと。

まぁ、読むと事情は見えてくるんだけど、アフガンあたりでF-16やA-10では運用コストが高いわりに成果が上がっていないならいっそ「8割の性能を2割の価格で」っていう判断らしい。UAVほどインフラに手間暇かからないし、ジェット戦闘機ほどコストもかからない。
まぁ、パイロットの育成にも時間がかかるけど、プロペラ機パイロットなら育成にもそんなに手間はかからない。アパッチみたいな高コストもいらない。撃墜されたって許容できる(ヒドイ話だが)。
まぁ、アメリカ軍の事情はわかるけど、だからといってわざわざ日本で導入する価値あるの?といわれると、まぁ、無いなぁ。というのが変わらぬ意見。

でも、透けて見えてくるのは退任するゲーツ国防長官らの新しい「戦闘機不要論」っていうか、戦闘機の価値下落があるんだよなぁ。長引く戦費増加にあれこれと国防費削減を打ち立てているゲーツ国防長官の気持ちもわかるけど、たまたま航空優勢を勝ち取れる場所で戦っているからであって、どの国相手でも絶対的な航空優勢が勝ち取れるわけでもないのに、そこまで戦闘機のプライオリティを落としていいのか?っていう疑問があるんですが...。ミサイルがあるからとか思っているならベトナム戦の二の舞だけど。

で、この影響が日本にもあって、アメリカ国内でも戦闘機の優先順位が落ちていることもありF-Xがこれほどもめる一因でもあるんだろうなぁ。

なんだか、同じblogのエントリを読んでると、アメリカ海軍の空母グループも同様で、中国相手に戦端開いたら戦域が安定するまで、おそらくグアム、へたすると太平洋西側に引きこもるだろうという話まで。おいおいなんのための空母打撃群だよ汗;というように話にまで。空母がほんと高コスト目標になりすぎたっていうのもあるんだろうけれどね...。(空母打撃群そのものも、今はCV×1、CG×1、DDG×2が水上艦艇の構成だっていうんだから、えらくコンパクトになったもんですが)

ついでにアメリカ海兵隊も陸軍化があるので存在意義は?という話が上がっているらしい...いや、アメリカ海兵隊を陸上で使いだしたのはアメリカ国防総省、アンタらであってその存在意義を海兵隊に求めるのもどうかと思うのだけれど...。
基本的には海兵隊って上陸専門部隊だったんだけど、陸軍も海軍も空軍もアテにならんと装備を充実させたらいつの間にやらアメリカ軍内部でのもう一つの統合軍みたいな形になっちゃった。というのはあるんだけど、そのメリット生かしてコンパクトな即応軍的な使い方でいいと思うんだけどね。

ゲーツ国防長官曰く、「大規模着上陸の可能性は少ない」という話なんだけど、そりゃたまたま今までがそうであったからで、最後にモノ言うのは歩兵がブーツ濡らして上陸してナンボだよ? 歩いてナンボだよ? アメリカ軍はほんとヘリに味占めてから歩かないので、点と点しか戦場で結べないでしょ? 手間かかろうとも歩兵が歩いて戦場を歩かないかぎり、面としては制圧できないのは古今の戦場の鉄則だよ。いいのかなぁ。

予算削減はわかるけれど、やりすぎるとベトナム戦後のアメリカ陸軍のようなgdgdっぷりになるじゃないかなぁ。そもそも今の戦場が今後も続くと思っているのかなぁとか、過去の事例を見るに同じ間違い再びっていう気がするんだけど、いろいろきな臭い昨今、ちょっと心配ではありますね。

(ちょっと書くけど、結局大規模国家間戦闘において戦略爆撃も原子力爆弾による攻撃も、結局は戦闘継続能力を失わせる一因ではあったけど決定的なものではないのだというレポートがあったかな。戦争において戦略的に必要なのは指導者の戦闘継続の意思を打ち砕くのが目的であって物質的破壊はそのための手段でしかないんだよね...。
対テロがどうして対処療法的しかできず抜本的に解決できないかっていうのは、指導者の心が宗教的、あるいは憎しみにより挫くことができないから。心を挫かせるためには周囲の人々を指導者から引き離していくしかない。白善燁(ペク・ソニョプ)将軍が書いた間島特設隊の戦いぶりとかを読むと本当にそう思うんだよね...)

若き将軍の朝鮮戦争 - 白善ヨップ回顧録
若き将軍の朝鮮戦争 - 白善ヨップ回顧録白 善

草思社 2000-05
売り上げランキング : 271406

おすすめ平均 star
star装備も錬度もケタ違いの敵に直面しても・・・
star知らない事実がなんと多いことか
star上から下までの視点の広さがあなどれない

Amazonで詳しく見る
by G-Tools





2010年11月1日月曜日

最近買ったもの、いろいろ。

ストライクウィッチーズ2 第2巻【初回生産限定】 [Blu-ray]
ストライクウィッチーズ2 第2巻【初回生産限定】 [Blu-ray]
角川映画 2010-10-22
売り上げランキング : 164

おすすめ平均 star
star箒とジェットの回
star包装が・・・
star沢城みゆきとペリーヌクロステルマン。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


...映画化も決まったようで何よりです。
えー、個人的に大ウケしたのは、特典の「秘め声CD」。後半のトゥルーデとシャーリーのトークなんですが、501の他のメンバーに対しての評価というかトークが笑えましたねw 501でも年長組かつ名実ともに良き「お姉ちゃん」役二人から見た他のメンバーというわけで、ペリーヌに対する視線、リーネに対する期待など、ちゃんとキャラクターの位置づけをしっかりしているわけです。

ペリーヌが1期ではチーム内でも浮いた存在だったがその理由も理解していて、ちゃんと2期では解決できて"丸く"なったことを二人で喜んだり、リーネの将来性をちゃんと評価していても本人にウイッチとしてやる気があるかを気にしていたりとか、そして何よりエイラに対する評価がww
固有魔法の「未来予測」で戦場で長く戦えて、オールラウンドで戦える能力を二人とも心底評価してるんだけど、とうとう公式でもヘタレ認定ですか...。脳内であれこれ妄想しているわりに目の前にそれがあっても手を出せない男子中学生扱いだからなぁw...>>エイラ

7と嘘吐きオンライン―HERO個人作品集―(ガンガンコミックスONLINE)
7と嘘吐きオンライン―HERO個人作品集―(ガンガンコミックスONLINE)HERO

スクウェア・エニックス 2010-10-22
売り上げランキング :

おすすめ平均 star
star漫画の必要性は・・・

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ネットで読んで面白かったのと絵柄が好みだったので購入。作者に対するお布施みたいなものです。
Twitterを上手く物語に取り込んでいますよね>タイトル作品

ヤングガン・カルナバル グッドバイ、ヤングガン (トクマ・ノベルズEdge)
ヤングガン・カルナバル グッドバイ、ヤングガン (トクマ・ノベルズEdge)深見真 蕗野冬

徳間書店 2010-10-19
売り上げランキング : 2476

おすすめ平均 star
star最高にありがとう!
star完結編

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


長かった印象があまりないのだけど数年にわたるシリーズ作品完結編。殺し屋を描いた作品のラストシーンはやはりああいう形にならざるを得ないよね...というか、多分そうなるだろうなと思っていた通りでした。満足です、はい。

ロマンス、バイオレンス&ストロベリー・リパブリック (ガガガ文庫)
ロマンス、バイオレンス&ストロベリー・リパブリック (ガガガ文庫)深見 真 織田 non

小学館 2010-05-18
売り上げランキング : 52307

おすすめ平均 star
star骨太のファンタジー
star最高
star中世のバイオレンスアクション、ここにあり!

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


未読だったので読了。ファンタジー作品を皮かぶった...ような作品。

半島有事〈2〉釜山の幽霊舞台 (C・NOVELS)
半島有事〈2〉釜山の幽霊舞台 (C・NOVELS)大石 英司

中央公論新社 2010-10
売り上げランキング : 1364

おすすめ平均 star
starなにか『後味の悪い爽快感』というべき1冊

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


...あー、多分これはフラグかと思っていたら案の定...いやな予感したんだよね。物語世界で死の街と化す場所で暮らしていると、後味の悪さがMaxです(苦笑)。まぁ、ほんとこの街って「手ごろ」ですよね。大都市だし、国家の戦闘継続能力を妨害しないし。テロのターゲットにうってつけ...。ただ、季節として考えると風向き、どうなんだろうとか色々考えちゃいました...。



コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった
コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だったマルク・レビンソン 村井 章子

日経BP社 2007-01-18
売り上げランキング : 88329

おすすめ平均 star
star箱の発明ではなく、「箱の運用」の発明とサブタイトルはすべきだったかな
starシュンペーターの「新結合」の代表
star縁の下の力持ち

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


ロジスティクスを色々と調べている最中にお勧めだというので読んでみたが、確かにこれは面白い。
この本は、コンテナをめぐるシステムがいかに望まれ、そして生まれ、紆余曲折のうちに生み出した者すら扱いかねる巨大なモノ(システム)になっていったのかということを丹念に描いている。そしてマルコム・マクリーンという一人のアイデアマンの一代記でもある。

物流の革命へ。
第二次世界大戦直後の船便貨物の姿とは、沖合いに止まった船からはしけに荷物を乗せかえるか、岸壁に接岸した貨物船から港湾労働者達がほぼ人力に等しいやり方で荷物を積み替えて陸地の配送場所へと送る方法がもっぱらであり、あまりに無駄と時間とコストが掛かりすぎた。
問題は貨物のサイズが不ぞろいだったことであり、積み込み、積み出しに多くの人手を要した。そしてそれは半ば(比喩でもなく)ギャング化している港湾労働者達の権利要求にもつながり、高コスト状態となってしまっていた。

一方、アメリカの内陸部の物流も、基本的には技術的ハードルではなく官僚的ハードルにより様々な手続きをクリアする必要があるため、実のところ州境を超えるトラック運送ですら面倒ごとが多すぎた。

ここに、マルコム・マクリーンという一人の若手アイデアマンが現れる。
隣町でガソリンを買うといくばくか安いということに気がついたところから端を発した彼のビジネスは、瞬く間にトラック物流業者として名をあげていきトラックの運用台数もうなぎのぼりになっていく。

戦争直後の動員解除に伴い事業を起こす兵役経験者には補助が出るというのを生かして、個人でトラックを購入させ個人事業主とさせ、それを契約するというやり方と、州越えの運送を可能にする手続きの煩雑さを嫌って、許認可持ち既存業者をつぎつぎと買収するやり方、そしてそれを可能にしたキュッシュフローに対する斬新な(つまり借金することをいとわない)捕らえ方と、それを上手く回すためのコスト削減へ注力した彼のやり方は時代にも適合していた。

が、さらなるコスト削減のためには陸地ではなく海上輸送も視野に入れる必要がある。だが、海上輸送は前述の通り、無駄と時間とコストばかりかかる代物だった。そもそも貨物を船に降ろしたり上げたりするのが問題の本質だと気がついた彼は、いっそ船に車を載せてしまえ。というアイデアにたどり着く。これがRo-Ro船の誕生となる。だが、そのアイデアが形になる前に彼はさらなるアイデアをひらめくことになった。そう、トラックに載せる貨物と船に乗せる貨物をそのままワン・パッケージとしてしまえばいい、つまりコンテナの発想である。
ところが、この発想が実現して世界を席巻するにはいささか紆余曲折を要することになる...。

一つには相変わらず様々な難癖をつけてくる官僚組織や公的組織。一つはコンテナ積み下ろしの場所である港の問題、一つは既得権益を大きく損なうため大反対する港湾労働者組合、一つはコンテナを積む船とその設備の問題...。そしてそもそものコンテナのサイズ。こういった問題に様々な人々、会社、団体が絡み、複雑な経緯を経て現在の姿になっていく。

マルコム・マクリーンが素晴らしいのは、物流という大きなシステムの中でその枠組みを替えていったところだろう。コンテナという発想そのものはマルコム・マクリーンが思いつく前からあった。しかし、それを陸上輸送と合体させることまでは思いつかなかった。
 また既存許認可や設備をもつ企業を積極的に買収する。その中でLBO(レバレッジド・バイ・アウト、わかりやすくいうと買収予算を買収予定の会社資産に基づき借り入れするというやり方)をはじめて取り入れたのも彼の手腕だったりする。

 港湾労働者組合との争議解決はいささか皮肉めいた解決方法が繰り広げられ、そのくだりには多くののページが割かれ、より示唆に富んでいる。彼らの多くはコンテナ物流に反対した。結局のところ穏当な方法とは、彼らを尊重しつつも緩やかに退場を促すのが一番賢いやり方だった。最後まで頑強に反対したものたちはその多くはすべてを失っていくだけであった。
なぜならば既得権益を頑強に保持しようとしたところを回避して港を整備すればよいだけの話(海上運送の位置変更によるコストは陸地の輸送路さえ確保できれば、よほどの場合を除き過小なのだから)であり、そのことに彼らが気がついたのは、船も寄り付かず港が寂れていくことを目の当たりにしたときなのだから。

 結局のところ、既得権益持ちの多くはその権益を失っていくことなった。港湾労働者ではなく、それまで荷物の積み下ろしで隆盛を誇っていた多くの港町すらも。そしてコンテナ輸送は大きく国や経済すら変えていくことになる。


軍事と兵站、そして物流の兵站化。
コンテナ物流が軌道に乗り始めたあたりでおきたベトナム戦争がさらにコンテナ物流を後押しすることとなる。
アメリカ軍を悩ませていたのは大量に物資を消費する近代戦にも関わらず貧弱な港湾設備しかないベトナムだった。ましてや効率的な物流を進めようと中央で管理するスタイルをとったのがさらに状況をややこしくさせることになる。貨物が来るたび人手を割いて貧弱な港湾設備で荷卸をせねばならず、船をただ海上にとどめておいて倉庫代わりにまでする有様だった。さすがに状況が酷すぎると当時の司令官も本国側も気がつくが抜本的な解決策がなかった。

 ここでもマルコム・マクリーンが現れて、瞬く間に状況を改善する手を打ち出していく。アメリカ本土から物流拠点の沖縄、そしてフィリピンまでのルートを改善した彼のコンテナ物流は、アメリカ軍も動かして、カムラン湾に一大コンテナ港を作り上げることになる。
 コンテナ物流を効率的に進めるための要点は、1コンテナにつき一つのモノ。出来るがり経由しないでドア・ツー・ドア。ということを理解したアメリカ軍はコンテナ輸送を大規模に取り入れて兵站業務を回していくことになった。
 ここで、マルコム・マクリーンはベトナムから帰る空荷のコンテナ船に目をつけることになった。アメリカ軍の輸送支払いは片道のみで往復分をまかなうので、どこか帰り道に適切な荷物を積む場所があればさらに利益はあがるはず。そしてそこには貿易立国して名乗りを上げつつあった日本があった...。日本の(まだダイナミズムを失っていなかった)官僚、企業はこの動きに瞬く間に乗り、こうして日本の対米輸出はさらに加速していくことになる。

こうした物流活動の極めつけは、トヨタのカンバン(ジャスト・イン・タイム)方式で、軍の兵站活動とほぼ同義な(倉庫を置かない)物流体制により可能になる方式であり、こうして企業内物流も軍隊の兵站活動と同じように総称してロジスティクスと呼ばれることにもなっていく。

勝ち馬総取り。そして勝者のいなくなった戦場。
世界の海運会社がなだれをうってコンテナ物流に取り組む中、港町も同様だった。

組合など既得権益と上手く折り合いをつけ、最新のコンテナ物流に適した設備を導入できたところだけが次の隆盛を手に入れることが出来た。そうではない昔ながらの港町はコンテナ物流により地上輸送のコスト軽減が図れたことにより生産業が港町に隣接する必要性も無くなり、企業すらも離れていき寂れていくことになる。

しかし、その隆盛を誇った港町も長くは続かない。後続の港町がさらに巨大な港を作ればその隆盛は移っていく...。つまるところ、すべては移ろいやすいものだった。

そしてそれは当の海運業者も変わらない。

数多の歴史ある海運業者はコンテナ貨物船導入になだれをうって参入するが、多くは再編の波に飲み込まれた。マルコム・マクリーンも同様だった。多額のキャッシュフローを必要として数々の新機軸、新航路を行うことが出来なくなったとき、彼は自らが築き上げた会社を去り、ライバル会社を購入するが、時勢に合致しないコンテナ貨物船を導入したため破産してしまう。
そう、海運業者の手綱を握るのは、いつしか彼ら本人たちではなく世界を席巻する巨大な消費者と彼らにモノを売りつける荷主になっていた。

コンテナ船が増えれば供給が飽和してダンピングが発生する。ダンピングが互いの手足を食い合う行為と気がついた家運業者は組合を作り、最低価格を決める。が、よりコスト削減に注力する荷主達は組合に参加していない独立船主、あるいは旧ソ連系のコンテナ船で荷物の運搬を行う...。
かくして海運業者に勝者は存在せず、巨大な消費社会を維持するコンテナ物流だけが人知れずモンスターのように動くようになったということだった。

まぁ、通信事業もそうでし、インターネットの事業もそうですし、最近の様々な分野や事業でどんどん「モノが動く(フロー)」に対するコストの軽減が進んでいますよね。ロジスティクスなんて最たるものですけど、日本みたいにAmazonでぽちりとクリックして数日後に手元に届くってことの凄さとかは意外と体感しずらいものです。しかしその背後では365日、日夜を分けず血液のごとくはこぶ存在...物流があり、その上位の概念としてロジスティクスがあるわけです。

この「コストの軽減」。問題なのは実際のコストはそこにあるのに、コストそのものについてが希薄になっているというか。本当に希薄ですむところと、そうでないところがあるというところがこの問題の嫌らしいところです。

まぁ、話を元に戻して、コンテナという箱は元からあった。しかし、それを物流システムへと昇華したマルコム・マクリーンの業績は偉大でしょう。彼が最後破産するというのはいささか物語として皮肉が利きすぎていますが...。

というわけでお勧め本でした。