2010年11月3日水曜日

時代は繰り返すのか?

(追加情報)プロペラ攻撃機が復活か [米空軍]」 from 東京の郊外より
前に軍事評論家の清谷氏だったかな? 日本にもOV-1ブロンコみたいなプロペラ攻撃機を導入したら。という話を書いて、軍事系プロガー界隈とかで「おいおい、携帯型対空ミサイルで狙われたら洒落にならないだろ」とかいう話になって、その当時、自分もまぁ、日本じゃ使い道が...とか思っていたら、アメリカ空軍がいやに乗り気らしいです。という記事。
読むと、デビス・モンサン空軍基地でモスボールされていたOV-1を引っ張り出して、AH-64の30mm乗せたとか、アメリカ空軍もTB-6(テキサン練習機か汗;)にあれこれ機材を載せて試しているとのこと。

まぁ、読むと事情は見えてくるんだけど、アフガンあたりでF-16やA-10では運用コストが高いわりに成果が上がっていないならいっそ「8割の性能を2割の価格で」っていう判断らしい。UAVほどインフラに手間暇かからないし、ジェット戦闘機ほどコストもかからない。
まぁ、パイロットの育成にも時間がかかるけど、プロペラ機パイロットなら育成にもそんなに手間はかからない。アパッチみたいな高コストもいらない。撃墜されたって許容できる(ヒドイ話だが)。
まぁ、アメリカ軍の事情はわかるけど、だからといってわざわざ日本で導入する価値あるの?といわれると、まぁ、無いなぁ。というのが変わらぬ意見。

でも、透けて見えてくるのは退任するゲーツ国防長官らの新しい「戦闘機不要論」っていうか、戦闘機の価値下落があるんだよなぁ。長引く戦費増加にあれこれと国防費削減を打ち立てているゲーツ国防長官の気持ちもわかるけど、たまたま航空優勢を勝ち取れる場所で戦っているからであって、どの国相手でも絶対的な航空優勢が勝ち取れるわけでもないのに、そこまで戦闘機のプライオリティを落としていいのか?っていう疑問があるんですが...。ミサイルがあるからとか思っているならベトナム戦の二の舞だけど。

で、この影響が日本にもあって、アメリカ国内でも戦闘機の優先順位が落ちていることもありF-Xがこれほどもめる一因でもあるんだろうなぁ。

なんだか、同じblogのエントリを読んでると、アメリカ海軍の空母グループも同様で、中国相手に戦端開いたら戦域が安定するまで、おそらくグアム、へたすると太平洋西側に引きこもるだろうという話まで。おいおいなんのための空母打撃群だよ汗;というように話にまで。空母がほんと高コスト目標になりすぎたっていうのもあるんだろうけれどね...。(空母打撃群そのものも、今はCV×1、CG×1、DDG×2が水上艦艇の構成だっていうんだから、えらくコンパクトになったもんですが)

ついでにアメリカ海兵隊も陸軍化があるので存在意義は?という話が上がっているらしい...いや、アメリカ海兵隊を陸上で使いだしたのはアメリカ国防総省、アンタらであってその存在意義を海兵隊に求めるのもどうかと思うのだけれど...。
基本的には海兵隊って上陸専門部隊だったんだけど、陸軍も海軍も空軍もアテにならんと装備を充実させたらいつの間にやらアメリカ軍内部でのもう一つの統合軍みたいな形になっちゃった。というのはあるんだけど、そのメリット生かしてコンパクトな即応軍的な使い方でいいと思うんだけどね。

ゲーツ国防長官曰く、「大規模着上陸の可能性は少ない」という話なんだけど、そりゃたまたま今までがそうであったからで、最後にモノ言うのは歩兵がブーツ濡らして上陸してナンボだよ? 歩いてナンボだよ? アメリカ軍はほんとヘリに味占めてから歩かないので、点と点しか戦場で結べないでしょ? 手間かかろうとも歩兵が歩いて戦場を歩かないかぎり、面としては制圧できないのは古今の戦場の鉄則だよ。いいのかなぁ。

予算削減はわかるけれど、やりすぎるとベトナム戦後のアメリカ陸軍のようなgdgdっぷりになるじゃないかなぁ。そもそも今の戦場が今後も続くと思っているのかなぁとか、過去の事例を見るに同じ間違い再びっていう気がするんだけど、いろいろきな臭い昨今、ちょっと心配ではありますね。

(ちょっと書くけど、結局大規模国家間戦闘において戦略爆撃も原子力爆弾による攻撃も、結局は戦闘継続能力を失わせる一因ではあったけど決定的なものではないのだというレポートがあったかな。戦争において戦略的に必要なのは指導者の戦闘継続の意思を打ち砕くのが目的であって物質的破壊はそのための手段でしかないんだよね...。
対テロがどうして対処療法的しかできず抜本的に解決できないかっていうのは、指導者の心が宗教的、あるいは憎しみにより挫くことができないから。心を挫かせるためには周囲の人々を指導者から引き離していくしかない。白善燁(ペク・ソニョプ)将軍が書いた間島特設隊の戦いぶりとかを読むと本当にそう思うんだよね...)

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