「ネギま!」の赤松健さんが電子書籍サービスの会社を立ち上げましたね。
��株)Jコミの中の人
http://d.hatena.ne.jp/KenAkamatsu/
最近、首をかしげることが多いのは作者に対してメールを送るときにわざわざスキャンしたもの、あるいはダウンロードしたもので見ました。と書いてくるというのですからビックリなんですが。
��そういえば昔、森雅裕氏の著作でもサイン本を求めてられて古本屋からの値札付のが送られてきたことがある...というエピソードもあったけど、わりと無頓着なのかなぁ...)
閑話休題。
百花繚乱、雨後の竹の子、という形であちこち電子書籍サービスが立ち上がっていますが、大体一山超えたあたりで赤松氏からのアプローチですね。
「ネギま!」を長らく追っかけていると、連載当初からの赤松氏のマーケティング能力とか、そこらへんの商才があるのが見えてきます。インタビューなどを読んでもしっかり考えられているところがありますから、考え無しの行動は移さない。周囲の状況を調べつつ漸進的に確実に利益を得る...(この話あとでちゃんと触れたい)。今回もそんな感じです。
��コミの特徴は以下の点ですね。
1) 絶版作品がターゲット
2) PDFにより複数端末での参照可能
3) DRMフリー
4) 収益は作品ファイルに入れる広告をクリックする。
5) アップロードはサービス側が行うのではなくて、ユーザー側で行い、サービス側広告を付加する。
他にも特徴はあるのですが、これは上手い!と読んだときに思いましたね。
1) については、絶版作品をターゲットにすることにより各種の入らぬ揉め事を回避することが可能です。作品の著作権は作者本人がもっていますが、出版権利など様々な諸権利が複雑に絡みあう現状を考えれば、コミック化のされていない、あるいは絶版扱いの書籍というのはメリットが高いです。
2) 3)も上手いと思いましたね。電子フォーマットとして標準化で取り扱われているPDF形式であれば携帯端末、PCからでも見れます。セキュリティ/印刷禁止も(万全とはいえないまでも)可能です。かつDRMフリーでコピー可能。一つの端末に縛られることなくコピーが可能です。
4) 広告を入れすぎるとウザい、儲け主義と叩かれる昨今ですが、広告をインサートするのを表紙の次、作品の中盤、最後と、TVアニメ的な形としていることもさることながら、あっさりとクリックの収益が著作権者に入ります。読者のクリックが作者に利益となります。と明示してるんですね。
5) 一番上手いと唸ったのはこのあたり。電子書籍はどうしても立ち上がり時点のコンテンツ不足が痛いです。ならば読み手も巻き込んでしまえばいいわけですね。その後のFAQでコメント機能などの実装もうたわれています。
自炊を行っている人達の間で絶版本のスキャンデータがあればアップロードする。おそらくその画質とかも問われることなるでしょうね。そしてその労力、能力に対するインセンティブは(ニコニコ動画の動画up主同様程度に)おそらく賞賛の声という形で現れるでしょう。サービス側はチェック体制をしっかりしておけばあとはPDF化+広告のインサートでことが足りる。成人作品はクレジットカードのみでの購入/ダウンロード可にしておけばいい。
本当にこのサービスが軌道に乗ればいいな。と思わせるに足りるサービスだと思います。
何が上手いのか。
電子書籍サービスが色々立ち上がっていますが、結局のところハードルが高い、あるいは結果的に囲い込みでしかないことが透けて見える。という点です。
某林檎系ですと、あまりはっきりとした基準のない基準で掲載有無、オンライン販売のハードルが決められてしまう。日本の漫画って、結構海外のこういう基準にばりばり引っかかるから海外のサービスにおいそれと乗っかれない。
では国内サービスだと、場合によってあまりに独自フォーマット過ぎて今後のサービス提供が不安。
そういうもやもやが今の玉石混合というか、何がイケるのかわからない。という状況なんでしょう。
PDFは(色々批判もされていますが)おそらく電子文章としてはデファクトなフォーマットです。一応ISO規格でもあるし、プラットフォームは選ばない。
かつDRMフリーをうたいつつ、広告をクリックすると著作権者にちゃんと利益還元しますよと歌う。スキャンレーション(海外の違法翻訳されたデータ)だってOKとのことです。
「スキャンもしてもいい、翻訳してもいい、でもUpしてくれたら広告付きで(クリックすれば)作り手に還元しますよ」
というわけです。
新古書店、電子書籍であろうと問題の一つには、作り手に対する還元性の薄さがある中で面白い試みだと思います。Jコミの収益そのものがサイトの広告でまかなうとのことですが、上手くいくかなぁ。やはり問題はどれだけ広告のクリック率があるかに左右されるかもしれませんね。
というわけで注目なので簡単にblogに書いてみました。
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