2019年7月9日火曜日

「提督たちの反乱 私家概要」を書くにあたり

 前々からTwitter上では呟いていたのですが、出来るまでしばらくかかりそうだし、それならばいっそ連載スタイルで書き込んでいくのはどうだろうかと思うわけで、やってみることにしました。一応、週刊?にはしたいですが、無理ならば…まあ不定期で。

 ドラフトっぽい書き方ですけれどもね。

--------

 一般に「提督たちの反乱」事件と知られる一件を概要でも知る者についてどれだけいるのだろうか。Wikipediaでは概要を知らせてくれるが、そこに横たわる大きな問題についてはそれほど書かれていないと思われる。

 1945年の第二次世界大戦から、1950年朝鮮戦争勃発までに起こった出来事で、海軍の空母〈ユナイテッド・ステーツ〉(USS. United States)建造中止が引き金となり、空軍のB-36爆撃機採用に伴う国防長官と空軍長官の汚職について書かれた匿名文書によって下院軍事委員会公聴会が開かれ、二度目の公聴会においてルイス・デンフェルド海軍作戦部長らが公然と政府方針を否定した。これが「提督たちの反乱」と呼ばれている事件である――概要としてはこのような形だ。

 だが、この僅か数行で書かれる『提督たちの反乱』の事件の背景には様々な問題と人の動きがあったことは言うまでもない。我々はよく歴史の出来事を僅か数行に要約したものを読み、理解したつもりになる。が、ここではより深く詳細を見た結果を書いていきたい。何故ならばこの数行の要約の背景には複数の問題が存在し、それぞれがそれなりの正当性をもちつつ、かつ複雑なものとなってしまったが故に当時の合衆国国防方針を揺るがせていったことがわかるからだ。

 この話を詳しく知るためにジェフリー・バロー(Jeffrey G. Barlow)氏が1995年に出版した「Revolt of the Admirals: The Fight for Naval Aviation, 1945-1950」を底本かつ中心にしつつ、『提督たちの反乱』の概要について時系列及び要点を整理まとめた上、説明を要すると考えられる当時の合衆国安全保障の指揮系統及び海軍の指揮などの制度面、政治状況、国際状況、個人情報などこの出来事の背景を知る上について必要と思われるものについてもわかる限り調べたうえで書き込んでいこうと思う。

 正しく知りたい場合は、AmazonのKindleで安価に入手可能である「Revolt of the Admirals」を購入して頂くと共に、末尾の参考文献と合わせて読んでいただきたい。



最後まで書き上げることが出来たあかつきには自分なりのこの事件にかかわる私見について述べれればと思っています。

2019年7月7日日曜日

色々やっておりましたのと、新企画話のアレコレとか。



というわけで、この数か月色々と各方面に手を伸ばしていて、やっておりましたが一つは無事終わりましたのでご報告がてら。

#大サトー学会 佐藤大輔先生の死去を受けて、氏の作品についての考察など色々行いつつ、佐藤大輔氏を良く知る方からお人なりなどについてもお話を伺おう、というのが昨年から始まっております。
年末の冬コミに東京へ行った際に「北海道は征途で重要な舞台でもあるので、北海道大会を行いたいのだが」というお話をうけ、私、酒に酔っ払い&コミケ参加のハイの状態で「良いっすよー、やりますわー。私が現地幹事引き受けますわー」と言った数か月後、DMで「さて、北海道大会を…」という話を受け、あーあー、確かに! 確かに、言いました!というわけで、同人誌に引き続き、イベント幹事という訳に。

いやぁ、そのね、色々スイマセン、当日もバタバタしちゃいましたが、参加していただいた方の協力も得て、無事成功?かな、それは参加者の皆々様の感想に委ねたいと思います。
(そりゃそうと、来年は本当にオタモイ山ツアーでしょうか。その場合、長万部で宴会しつつプチ合宿モードになるはずです…)

さて、この学会の前後の中で色々と皆さまとお話をする機会もあって、同人誌を作るという困難性についてどう対処するかとか色々話をしておりました。

やっぱり定期的なアウトプットしてTwitterでネタを回しているだけじゃあかんのかなぁというのもありまして、ちょっとせっかくのblogですので、ここでドラフト(下書き)を吐き出しつつ行こうかなぁとか色々考えています。

すっかり備忘録的以下となったblogですが、せっかく作った以上は利用せねばw

マインドマップで語る物語の物語 についての所感メモとして





ツイートの引用ばかりなのですが、週末に冬コミで既刊・新刊を買い求めた「マインドマップで読む物語の物語」1~3を読みふけっていたのです。
(以後『MMで読む物語の物語』とします)
実はこの本を買うのも冬コミの目的の一つでしたので。BOOTHで通販あっという間に品切れなんだもんなーっ!(苦笑)

で、ですね、この物語、ガキの頃から日本に暮らして、アニメとか漫画読んで呑気に暮らしているオヤジ(自分)とかなら腑に落ちること絶対の話なんですが、これからの若い子、10代、20代でクリエイターとか漫画書きたい、それもロボットモノで!とかよしゃーいいイバラの道を歩みたい人は是非読んでおけと勧めたい。

これには戦後、日本のクリエイター達が悪戦苦闘して紡いできた物語たちを一気通貫、がちっと俯瞰して語ろうなんていう、本邦でも中々ない試みがなされているのですから、読まねば損です。

こういう物語を通史として語るっていうアプローチは(すくなくとも自分の観測範囲としては)今までに無いものです。これ、語ろうとすると結構難しいって思うんですよ。

自分もつい最近、佐藤大輔著「征途」を舞台に日本の戦後史をいじくり倒して、分断した日本で何が起きたのか、「征途」で描かれた事象を導くためにどうしたらいい?と資料を読みふけっていて、さぁとキーを叩くときに感じた歴史を語るという難しさが出てきます。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。 世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」
方丈記の言葉、学校で習いますよね、まんま、コレです。

歴史は一本道ではなくて、色々な出来事が起きた波紋がそれぞれ干渉して打ち消して合体して作られるので、「AがBしたからCになった」なんて単純なことにはならない。
「AがBでCした結果、DがEでFした結果が、相互に時間差で混ざり合い、影響し合い、そしてGという結果として現れてくる」という出来事はあるわけです。

というわけで、お勧めです。はい。