ロジスティクス―戦史に学ぶ物流戦略 | |
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読了。うん、まぁ、ベーシックな出来で、ごくごく一般人向けかなぁ。
ふむと思ったところはあるんですけどね。
いきなりクレベルトの「補給戦」に手を出すのではなくて、ここから入るのがわかりやすいんじゃないでしょうか。
しかし、思うにどんな国の軍隊でも一度はロジでこっぴどい目にあうんだよね、というところですね。
大体はそれまで防御主体だったばかりの国の軍隊が外地に出たところでひどい目にあって、それから方針転換できるかが味噌なんですが...日本だと、日清戦争でひどい目にあって日露戦争は何とか・・・。そのあとシベリア出兵あったけれど、日露戦争経験者がまだいたからよかったけれど、日中戦争で泥沼、太平洋戦争ではいったい何を学んでいたのか...という展開ですからね。
この本でも日本では兵站はあまり省みられることのなかった不人気職だということが書かれていますが、まぁ理由はわからんわけでもないんですよね。乱暴な私見ですけど、陸士とか出るのが立身出世の道だったあのご時勢、彼らは自らの才能によほど自負をもっていたのでしょうが、そういう彼らが地味な兵站作業を自分のキャリアの主軸には中々なしないでしょう...よほどの変わり者でなければ。
もともと日本はチーフ・オブ・スタッフ優位な面が強いのですけど、これも昔ながらの「軍師」が持てはやされる一面が多分にあったせいでしょうしね。...まぁ、あと結構あっちふらふらこっちらふらふらしている明治期の軍に関するフランス志向→やべ普仏戦争でプロシアにボロ負けだよ→やっぱりプロシア最高!みたいな流れを見ていると...いや、実のところミーハーだったんじゃねーの?っていう気が。
話を戻して、世界の軍事史に見るロジスティクス(兵站)はいかに重要なのか、という導入にはいいかもしれません。これが行けるなら近代、それも湾岸戦争で大混乱のさなかに兵站チームを立ちあげた人の本へ行くのが面白いかも。...まぁ、こちら絶版なんですが...。
山・動く―湾岸戦争に学ぶ経営戦略 | |
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