ドラフトっぽい書き方ですけれどもね。
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一般に「提督たちの反乱」事件と知られる一件を概要でも知る者についてどれだけいるのだろうか。Wikipediaでは概要を知らせてくれるが、そこに横たわる大きな問題についてはそれほど書かれていないと思われる。
1945年の第二次世界大戦から、1950年朝鮮戦争勃発までに起こった出来事で、海軍の空母〈ユナイテッド・ステーツ〉(USS. United States)建造中止が引き金となり、空軍のB-36爆撃機採用に伴う国防長官と空軍長官の汚職について書かれた匿名文書によって下院軍事委員会公聴会が開かれ、二度目の公聴会においてルイス・デンフェルド海軍作戦部長らが公然と政府方針を否定した。これが「提督たちの反乱」と呼ばれている事件である――概要としてはこのような形だ。
だが、この僅か数行で書かれる『提督たちの反乱』の事件の背景には様々な問題と人の動きがあったことは言うまでもない。我々はよく歴史の出来事を僅か数行に要約したものを読み、理解したつもりになる。が、ここではより深く詳細を見た結果を書いていきたい。何故ならばこの数行の要約の背景には複数の問題が存在し、それぞれがそれなりの正当性をもちつつ、かつ複雑なものとなってしまったが故に当時の合衆国国防方針を揺るがせていったことがわかるからだ。
この話を詳しく知るためにジェフリー・バロー(Jeffrey G. Barlow)氏が1995年に出版した「Revolt of the Admirals: The Fight for Naval Aviation, 1945-1950」を底本かつ中心にしつつ、『提督たちの反乱』の概要について時系列及び要点を整理まとめた上、説明を要すると考えられる当時の合衆国安全保障の指揮系統及び海軍の指揮などの制度面、政治状況、国際状況、個人情報などこの出来事の背景を知る上について必要と思われるものについてもわかる限り調べたうえで書き込んでいこうと思う。
正しく知りたい場合は、AmazonのKindleで安価に入手可能である「Revolt of the Admirals」を購入して頂くと共に、末尾の参考文献と合わせて読んでいただきたい。
最後まで書き上げることが出来たあかつきには自分なりのこの事件にかかわる私見について述べれればと思っています。