2005年8月29日月曜日

戦艦ミズーリを奪取せよ(上・下)/大石英司

4125009112戦艦ミズーリを奪取せよ (上)
大石 英司

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4125009120戦艦ミズーリを奪取せよ (下)
大石 英司

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イラクに派遣されたハワイの州兵が待ち伏せ攻撃に遭遇。生存者が捕虜になる。その生存者の家族に対して身代金要求がなされ、交渉がスタートするがアメリカ政府はテロリストと交渉しない。との建前により、支払いを拒否する。退役軍人達家族たちの憤りは、ハワイを訪れた副大統領令嬢と戦艦ミズーリに向けられた・・・。
一方、ハワイに訓練研修に訪れていた日本陸上自衛隊のある特殊部隊がいた。習志野に本拠地を置く彼ら<サイレント・コア>は観光気分で戦艦ミズーリ、そしてハワイ島の密林の中にそれぞれ訓練目的でいたのだが・・・。

というわけで、大石英司氏の新作です。
イラクでボディー・ブローのように効いているテロリストの待ち伏せ攻撃とハワイの州軍として名高いアジア系外国人を中核とした第442連隊第100大隊という、これまた由緒正しき日系人部隊(WW2欧州戦線で死傷率314%。もっとも過酷な戦場に、もっとも勇猛果敢に戦いつづけた、"Go for Bloke!"が合言葉の部隊)をもってくる非常に美味しい展開をしています。そこには最近の大石作品に漂うある種の「やりきれなさ」とその中での「セカンドベスト」を模索し続ける軍人達の姿があります。そして、最近多い子供の出番もやっぱり。

あと、情け容赦なくその鉄腕ぶりを発揮する最強ミセスコマンド、司馬さんは今回ショッピングが台無しになって憤りをテロ・グループに向けるのですが(w
久しぶりに<サイレント・コア>の隊長である音無ニ佐も実戦に登場。もう一つの小隊を率いる土門三佐もはるか遠くのイラクにて最後の重要な役どころを担うという、結構美味しい展開となっています。
いや、面白かった。

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