Landreaall 10 (10) | |
おがき ちか 一迅社 2007-05-25 売り上げランキング : 152 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
DXの友人であるリドが故郷へ帰郷した。DXがそれを薦めたから。という理由もあったのだが、リドは故郷で父の今際の際に遭遇し、継承問題について巻き込まれてしまうことに。彼と彼の忍者五十四の窮地を知ったDXはその一方で、リドの故郷での問題、すなわち継承権問題に足を踏み入れるのを嫌ったアカデミーが、DXからリドに故郷へ帰るように仕向けた一面もあったのだということを知らされる。利用された事の真相を知ったDXは、リドの窮地を救うべく、一路、彼の故郷、ウルファネアに向かうべく旅路を急ぐ…。
「『ランドリオール』10巻 セリフに凝縮された深み(・・深すぎる(笑))」@物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
「Landreall 10」@徒然雑記
自分がよく読む書評系サイトの方々が結構深い論調を重ねているので、付け加えることはないかなー。とは思うのだけれど、読了記録として。
いや、本当にいい物語。ちょっと蛇足としてこの物語の特徴をつらつらと書いて見ようかと。たとえば、この作品を絶賛する人は、(自分も含めて)、この作品世界の中での登場人物たちの一筋縄ではいかない心理描写と、変化の過程が描かれててることに注目している。
この巻でいえば、貧しい庶民出でありながら貴族子息達が通うアカデミーに奨学生として通うフィルが、ある一件で寮監ミセス・グレイに叱責されてるのをDXの妹、イオンが庇う。それを見たフィルは、ある夢を未来に見据えることになる。決して果たされることの無いもうひとつの願いを胸に秘めたままに…というシーンなんて特にそうだろう。
また、この作品、結構ツラっと、巻末のおまけてきページで、物語世界の補強や登場人物達の意外な側面を公開して、物語(作品)を補強するのも特徴だとは思う。たとえば、DXとイオンの両親が遭遇したある事件が、この物語を駆動させる最初の始まりになるのだけれど、その話から合間合間に見える、彼らのいる王国の変化に、彼らの父親が深く関与していることが、登場人物達の台詞からそれとなく断片的に語られている。
普通の作品だったら、えいやーっと描写して終わってしまうようなことを、この作品ではちゃんと懇切丁寧に説明しているのだ。だから、読み手には、「ちゃんと語られていない事件があるのだが、この物語世界の大半の人々はその事件の本当の真相を知らない(であろうと思われる)」という絶妙なさじ加減的な説明がなされているのだ。
そんなわけで、ちょっと歯ごたえのあるファンタジー作品が読みたいのなら、今からでも遅くない。本屋で1巻から10巻まで買って一気読みすることをオススメしたりする!
# 途中で判らない単語が出ても最初のうちは気にしないようにね(苦笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿