2011年9月12日月曜日

自衛隊救援活動日誌 東北地方太平洋地震の現場から

自衛隊救援活動日誌  東北地方太平洋地震の現場から
自衛隊救援活動日誌  東北地方太平洋地震の現場から須藤 彰

扶桑社 2011-07-06
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今回の震災で政府よりも評価を上げるというなんとも皮肉な展開になってしまった自衛隊。活動の中心となったJTF-TH(統合任務部隊-東北)に在席する政策補佐官である防衛省キャリア官僚の手による活動報告。

なんとも軽妙な語り口で語られる震災後の自衛隊活動がそこにある。

各所が持ち上がる難題をさばき、もう時間的にむずかしい被災地の遺体捜索任務にかかりきりになる現場の部隊や、被災した小学校の金庫にある通知表を回収するために急遽手助けした小隊など様々なエピソードが語られるわけです。
被災直後、チョコパンを大の大人三人が分け与えるような状況からいつまでたってもかわらない缶詰などの一向に改善しない食生活を嘆き、ヨーグルトとラーメンに恋焦がれ、無事だった家族に安堵する一報、子供、両親をなくした遺族に心を痛める。たまの会議を貴重な睡眠時間にあてて(いやいや汗;)、温度差のあるボランティア達の活動などなどがつづられています。

各被災自治体の温度差のある災害復旧対策や、その理由を的確に指摘するだけでなく様々な問題点が垣間見えます。また被災地を訪れてはアレコレ要請する政治家の要望を聞いたり聞かなかったりということも赤裸々に描いています。

なんでもかんでも自衛隊にやらせすぎ。っていうところも正直あるんですがね、こういう話が震災後半年も立たずに出版されたことは、阪神大震災のころ、指揮にあたった幹部自衛官が退職してのちはじめて出されたレポートにくらべると隔世の感があります。

もし、震災当時の自衛隊の空気や雰囲気を知りたい場合などいい資料になると思われます。



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