2005年2月2日水曜日

第16話 「詩人と地雷」

さて、今週のザ・ホワイトハウス(TWW)ですが、大統領の思慮遠謀つーか、策略が最後の最後、CJによって暴かれましたね。
煽りをくらったエインズリーは休暇先から呼び戻されてご愁傷様でしたが、S-2の地下の穴倉のようなオフィスから、
割と立派な部屋にまで出世したようで何よりです。


さて、今回の桂冠詩人にまつわる地雷についてちらちらと(こんなネタしか書かないのか!?って、だって普通のネタを取り扱うと、
TWWファンサイトの方々にはかなわないので、こういうヘンな切り口でせめていこうかと)。


話中で出てくる地雷禁止条約。正式には対人機雷禁止条約(オタワ条約)というものです。加盟国については外務省の"http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/mine/ichiran.html">ホームページをどうぞ。


さて、地雷ですが、読んで字のごとく地面に埋めるものですが、何が厄介かというと、機能が単純の上、
安価だったためにバカみたいな数が埋め込まれて、なおかつこの埋め込まれた場所がわからない。という大問題があるからです。


地雷、特に対人地雷の嫌らしさは、その殺傷能力が人を殺すまでに至らない点です。どうしてかというと、
戦場においては残酷なことに人を殺すことより、傷を負わせて戦場から離脱させるほうがダメージが高いのです。つまり、
戦場から運ぶ人手を裂かねばなりませんから。

とはいえ、地雷は防御兵器としてはありがたい側面もあります。どうしても戦場に展開する兵力が足りない場合、
地雷原を準備することで敵の攻撃を足止め、もしくは限定させることが可能になるからです。日本の加盟については防衛庁の一部が難色を示した。
というのもむべなるかなというところですか。真っ当な軍であれば、地雷を設置した場所の記録を保管するのですが、
今も地雷問題が残るカンボジアでは双方ゲリラ化してあれこれと地雷を埋め込んだわけで、これは流石に地雷を制限せざるを得ない。
というのも自分としては理解ができます・・・が。


オタワ条約を厳密に適用すれば設置型の攻撃兵器はアウトという形になりますが、あくまで人がコントロールする。というのを逃げ道に、
様々な兵器が現在も使用されていたり、開発されています。有名どころのクレイモアと呼ばれる指向性地雷は、
あくまで人がコントロールするという建前のもと、今も使っているはずですが、
これとてブービートラップ(罠)として設置することが出来る以上、地雷の一種と言えなくもありません。


・・・また、これは自分の想像ですが皮肉なことにオタワ条約があることで、
逆にもっとタチの悪い兵器が発生するのではないかとも思っています。

例えば、地雷と同様に禁止されたものにはダムダム弾と呼ばれる殺傷能力の高い弾種がありますが、これも今でもホロー・ポイント、
シルバーチップと呼ばれる弾が代替品として世界で出回っています。50口径以上の対人ライフルも同様に禁止となっていますが、アンチ・
マテリアル・ライフル(対物ライフル)と名前や形を変えて生き残っています。当然、名前だけですから人を狙うのもOKなわけです。


結局、条約(ルール)があれば、その隙間を狙ってくる場合もあるわけです。理念が正しくとも、その結果は正しいものが導かれるわけではない、
というのは歴史を知れば思い知りますね。


しかし、前述の外務省のホームページを読んで気がつかれたかと思いますが、アメリカはこのオタワ条約に批准していません。というのも、
クリントン政権時代の話(TWWは基本的にはクリントン時代をモチーフにした話が多いですね)ですが、朝鮮半島、
38度線に展開している地雷原があっため、2003年までに中止。という形をとっていたのですが、
結局今のブッシュ大統領は同条約の破棄という形をとりました。前述したように、一概に地雷そのものが駄目。という形では、
あの地域では難しいものがあるのも事実なのですが、難しいところですよね。

で、今回の話で詩人タバサとトビー・ジーグラー広報部長(しかしえらく今回はノリノリでしたな。
CJもうすうすわかっていたと思うけど)が韓国での・・・というくだりがあるのも、ここからですね。
そのいきさつに関しては
日本共産党サイトにちらりと書かれていますので
、興味がある方はそちらをどうぞ。


さーて、来週はオヤスミなので、見送った15話分を書きたいなぁ。



2 件のコメント:

  1. > 戦場においては残酷なことに人を殺すことより、傷を負わせて戦場から離脱させるほうがダメージが高いのです。つまり、戦場から運ぶ人手を裂かねばなりませんから。
    え~っ? そうだったんだ… 
    また私の知らないことばかりでした。
    ありがとうございました。

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  2. いつもコメント有難うごさいます。
    graceさんのサイト、興味深く読ませてもらっております。英語のヒアリングはてんでダメな自分としては(いや、リーディングもダメなんだけど)、関心してしまうことしきりです。そんなわけでいつもこのようなヘンな視点からの書き込みなのですが。
    もう少しだけ補足説明を書くと、戦場での傷病者を搬送するのに、最低二人は必要です。で、安全な場所まで搬送して今度は軍医などのメディカル・スタッフが処置を施さねばならない。そしてさらに本国(もしくはさらに安全な地域)まで運び、療養をした上で(復帰が可能であれば)訓練の上・・・という形となります。このように一人の傷病者のために戦場での兵員が拘束されることが多いのです。
    しかしながら、地雷による負傷兵はかなりの確立で足を吹き飛ばされる場合があるわけで、切断せざるを得ないケースもあり、非常にタチの悪い展開となりますね。

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