バンダイビジュアル (2000/03/25)
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マイナーとは言いたくない

隠れた「名作」

静かで深い感動
��W進行なので、ちょっと肩の力を抜いて・・・。
自分がいままでの中で気に入って、影響を受けたものをちょっと取り上げてみようかと。
まずはこれ。「ペリーヌ物語」。恥ずかしながらDVDまで買って、一年に一度は見てしまうほど激ハマリの作品。
もともとは名作劇場ものなのだけれど、あまり知られていないが、まぁネットでは高い評価を得ていたりしている。
知らない人は多いかもしれない。レンタルDVD屋でも滅多に並んでないからなぁ・・・「ラスカル」とかもいいかもしれないが、自分にとっての名作劇場は「ペリーヌ物語」以外にはない。そのぐらい、ハマっていますが。何しろ原作が絶版だということで、「復刊ドットコム」にまで投票して、旧カナ使いとは言え原作の「家なき娘」(それも岩波だよ!)をゲットしたときは嬉しかったなぁ。今は新訳がありますので、いいのですが(w
ストーリーはいたってシンプル。フランスでも一ニを争う織物工場の跡取り息子を父親に持つペリーヌ(母親はインド人で、まぁハーフというわけですな)だったが、家族揃ってフランスの故郷へ戻ろうとしたところボスニアで父親が客死してしまう(アニメ版はストーリーがここからスタート)。そこから母親と二人っきりでパリの北にある祖父が住むマロクールへ向かう予定が元々身体が強くない母親がパリにはいってからは体調を崩し・・・(まぁ、原作はここからスタート)というわけで、もう名作劇場の王道とも言えるストーリー展開だと思います。
しかし、「ペリーヌ物語」がそこいらの物語と違うと思うのは、そこから。
ペリーヌは決して自分の境遇に甘えたりすることなく、サバイバルみたいなことをやらかしながらも「自分の力」で、必要なもの(例えば服とか靴とか)を作り、そして自分を疎んでいる祖父に自分の本名を明かさず、祖父の信頼を勝ち得ていくわけですね。
マロクールについて祖父の工場へ身分を隠して働くと、トロッコ押しの端役から、英語が喋れることが知れ(ほら、インド生まれで母親もインド人ですから)、臨時の通訳となり、馬も扱えるので御者となり、祖父の個人秘書となり、献身的に(年老い、目も不自由で頑固な)祖父に尽くす。祖父もその献身的な姿を見てペリーヌを信頼するようになる(個人的に、ペリーヌが秘書に昇格し、服を買うよう申し付けるあたりの台詞とやり取りが好きですよ。「お前がどのような服を選ぶか、周囲の評価を見て儂はお前がどういう人となりかを判断させてもらう」という厳しさと、その後でのやり取りのあと、「もっと高い服を買っても良かったのに」と一番安く、そして控え目な(秘書ですから)服を選んだペリーヌへの不器用な心遣いなど)。
そしてクライマックスの49話。弁護士のフィリップ先生の芝居がかったやり取りは、星里もちるさんの「危険がうウォーキング」(いや、これも影響受けた作品なのだけれど)でもネタにされてましたっけ。いや、最初このネタがわからず、再放送だった(ペリーヌ物語を始めて)見て「これかーっ!」と頭の回路が繋がったのですけれど。
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「パリではパリカールにあってきましたよ」
「まぁ、パリカールに!?」
「そう、あとあの男のような格好をした・・・」
「ルクリ叔母さん!」
「――これで調査は終了しました、ビルフラン様・・・」
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から続く一連の名シーン(そらで書いているが、ハズしてはいないはず)はもう、通して見ると涙なくしては見れません。はい。
その後、数話をかけて語られるエピローグも素敵なものです。ペリーヌを支えてきた人達に対するお礼、それまであまり省みること無かった工場の工員に対しての福利厚生(原作の時代背景からか、社会主義的な色合いも見れるのだけれど)、祖父ビルフランの目が元通りになることなどなど。
この「ペリーヌ物語」では、ちゃんと主人公が両手両足を動かし、機転を利かし、思慮を巡らし、優しさを見せる。そのため、意地悪い登場人物二人も最後には改心するのか、心をほだされることになる(かは微妙かなぁ?)。
その結果としての大円団であり、いきなりふって沸いたかのようなラッキーで金持ちになったりはしないのです。ええ、けっして!
そんなわけで、ちょっと大きめのレンタルビデオ店にいけば、ビデオかDVDはあるかもしれないので、未見の人は是非とも見てもらいたい作品です。そんな時間ねーよ!という方は、あまりオススメしませんが、パリ編から見ても話は十分納得できます(17話あたりからです)。自分はもっぱら繰返して見るときはマロクールについてから(27話あたり)見てしまうんですよ、これがまた・・・。
さて、最後に「ペリーヌ物語」のファンサイトの紹介をしておきます。→「
ペリーヌ物語の部屋」
ここよりはもっと(当然ですが)懇切丁寧に色々と紹介してくれています。自分も原作本を探していたときは重宝しました。