2009年5月7日木曜日

思い出アレコレ。

六月の勝利の歌を忘れない 日本代表、真実の30日間ドキュメント DVD-BOX
六月の勝利の歌を忘れない 日本代表、真実の30日間ドキュメント DVD-BOX岩井俊二 茂野直樹

ポニーキャニオン 2002-11-20
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おすすめ平均 star
star熱狂と平静
star2006年W杯 独大会の惨敗後に見てみると
star5でもありだけど・・

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体調悪くて自宅で引きこもり状態で積んであったDVDの山を消化しようと思っていたら、ついつい見返してしまったのが上のDVD。だってね、面白いんだもの。組織のチームリーダーとかそういう人は是非見ておくといい。もしくはグループのリーダーでも。それぐらい面白いシーンが満載なんだから。

一つの目標のために結成されたチームの内情がこれでもかと映像で映し出されるのだから。

2002年W杯出場のためにフィリップ・トゥルシェが作り上げた代表チーム最後の30日間のドキュメント。
フィリップ・トゥルシェという男は本当に毀誉褒貶が多い人物で、今では日本サッカー協会すらまともに評価されていない。曰く「人間性が最悪だった」という一言だけ。それだけで歴代最高の実績を上げた人物に対して正しい評価も何もなされてない。彼が人間的にパーフェクトだったと自分も言えることはないと思うが、それでも彼が瞬く間に若い選手にフラット3という新機軸を教えて込み、ワールドユースをはじめ好成績をあげたことすら過去の出来事に葬りさられている。

このビデオに映し出される彼(トゥルシェ)の姿は、時にミーティングで辛辣に批判した選手たちを呼び出し、穏当にフォローしたり(ミスをするのは致し方ないが二度同じことをしちゃだめだ)、当時若い市川を可愛がる、最年長の中山を呼び出して、チームの雰囲気を盛り上げてくれと頼む、チームの指揮官としての責務を全うに果たしている。ミーティングでは激を飛ばし、戦術理解も密にしている。

一方の選手もそう。怪我で苦しむ森岡だが、DF陣をよく掌握して助言や検討を重ねている姿がある。中田浩二も同様に高いレベルで戦術を理解して、不慣れな秋田にレクチャーするシーンもある。大会中、ラインの位置取りについて松田たちが「上げて裏を取られるならもう少し下げよう」と決意する下りがあるからといってフラット3システムそのものがダメになったわけではないしね。

日本代表に参加するだけの能力もあるし、実績もある面々が揃った一癖も二癖もある連中ばかり。その筆頭が中田英寿だったりするわけですけど、そんな中田英寿も孤立させないよう年上の中山、同世代の松田がバカやったりしてチームとして組み込んでいるシーンがちゃんと描かれているわけです。

目的を一つとするチームを構成する個々をどうやって掌握し、勝利という目的のために邁進させるのか。
そして個々はどうチームや自分、そして仲間と対応していくのか。というサンプルケースがちゃんと描かれているわけです。
どうしてこういう大切なドキュメントをその後日本サッカー協会は撮る事すらやめてしまったのか。まったく、最近の日本サッカー代表にシンパシーなり気持ちが乗らない理由ってやはりそれなりにあるんですよね。


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