2010年7月1日木曜日

祭りのあとに。

W杯パラグアイ戦のPK戦が決着したあとでしばらくしてからこれを書いています。

まず、すいません岡田監督。これっぽっちも期待していませんでした。
しかし見事な守備ブロック構築を見ていて、試合をこなすたびにチームが成熟していくのは今から12年も前の98年W杯予選のころのようでした。

何しろそれまでの無気力っぷりな試合運びを見ているととても期待するほどの気分ではありませんでした。イングランド戦の上昇気流っぷりに「これは?」と思いましたが、何しろ自分にとっての「暗黒時代」であるジーコ監督のときにもドイツW杯直前のドイツ戦で上り調子な代表を見たあとのgdgdっぷりを思い返すと、とてもではないが期待すると裏切られると思っておりました。
オシム監督が健康上の理由で代表監督を降りてからというもの代表サッカーに対する優先度はがくんと落ちたのはいなめない事実でした。

しかし。

だが、しかし、あの前目MFを使いつぶさんばかりに上下させるという問題はあるものの、おそらく世界ランキング以上の差があるに違いないグループ戦各国に対してPK以外で食らった得点は1点のみという強固な守備ブロックまで構築してしまったのは唖然としてしまいました。
FIFAのレポートを読むかぎり、毎試合10kmを軽々と走る選手たちは決して走力で負けていませんでした。おそらく今のチーム状態とコンディションすら上々ならよほど信じられない攻撃力と連動性をもつ...ぶっちゃけ、ブラジル、アルゼンチンぐらいでなければヘタはうつまいと確信を得るほどでした。
また、それまでフィットしなかった本田をいよいよトップへ上げて、攻撃への責任感を持たせたのは重要なアクセントになったと思います。何しろ攻撃の連動性に乗れず、守備は手を抜く、マークは引きはがせないが、フィジカルコンタクトとシュート能力、ボールを落ち着かせる能力は高いという非常に癖のあるこの選手をトップに据えればいやがおうでも走りまわざるをえませんし、より一層チームに対して責任感をもつことになるでしょうから。

パラグアイ戦はたぶんパラグアイと日本の観客以外は非常につまらない試合だったのでしょう。オシム爺のいうことももっともですが、自分は98年W杯予選このかた久しぶりに胃のいたくなるような探り合いを堪能できました。いや、それもW杯本戦で!

...この日、日本がパラグアイに勝つために必要なもので日本が準備できるものはすべて持ち合わせてピッチに立つことはできました。強固な守備ブロック。労を惜しまず献身的に動くMF、前線でターゲット足りえる選手。そしてチームとしての一体感と勝利の意思。ただ足りないのは準備できない最後の要素、「運」が足りなかっただけです。

これからまた4年間をかけてW杯への旅が始まります。あのドイツでの惨劇と無様な姿、日本人の体格では世界の強豪に勝てないと最後に言い放ったあの御仁による暗黒時代を乗り越えて、日本人の才覚と能力を尽くせばベスト16に届き、ベスト8への夢を見ることができた。おそらく長谷部・長友・本田が中心となっていくのだろうなぁ。でもまだ足りないことはある。

「サッカーは点を取られないようにするゲームなのか、取るゲームなのか」
答えはもう出ていると思いますね。

��とはいえ、次の代表チームはCBの選出という頭の痛い問題からスタートするんだろうなぁ。井原→宮本・森岡→中沢と続いたインテリジェンスにあふれるCBの系譜が途絶えるのかなぁ...)


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