2011年10月8日土曜日

[徒然雑記] 色々予定外のことが多いですが。

中々私事多忙でblogの更新が予定通り進みません。ごめんなさい。過去数年来ないほどにプライベートでイベント満載状態なんですよ...。良いことも悪いことも...。

色々あってほったらかしなので書きかけとはいえエントリすることに。
あと、細かい話ですがTwitterでもうらうらつぶやいていますので...

#理想的な組織や統率についてのモデルケース、「軍隊」について
ちょっとTwitterでアレコレ語るケースがあったので、個人的まとめとして。

よく第二次世界大戦をケースにして、日本軍の組織的問題と、それと対比する上でのアメリカ海軍、海兵隊、陸軍のケースが語られます。『参謀本部の失敗』とかあるじゃないですか。
自分はあれを読むたびに

「いや、確かに太平洋戦争にいたるまでとその最中の日本軍は酷いけど、アメリカ軍だって褒められたもんじゃねーよ」

っていう気がするんですよね。いうなれば、

「斜陽になっている企業と、上り坂、成長期になりつつある企業は、組織的バイタリティが違うよ」

ってことなんですよね。
良く日本も、明治の日露戦争のころは良かったといわれるんですが、そりゃ幕末期の人材がまだ指導者層にいて、若手の士官達でめぼしい連中か海外で学んできた連中ばかりです。組織として勃興から成長期に乗りかかってるんだもの、そりゃ当然です。

太平洋戦争で攻勢限界点に達しつつあった日本海軍はミッドウェー海戦後、ソロモンをめぐる戦いで消耗して、その主導権をアメリカに渡してしまいます。大体絶対国防圏なんて海にライン引いている上で自分は日本海軍はついぞ制海権という考えを理解していなかったのか。と思うんですが(それは今の中国海軍にもいえます。ただ、A2AD...Anti Access Area Denial 戦略でちょっと変わってきたかなぁと危惧しています)。

もう、絶対国防圏ってな文言見た段階で海軍の中堅以上のポジションにある人達は「もう無理か」と思ってたんじゃないかなぁ。まがりなりにも海軍にいる人々ですよ。海にラインは引けないっていうか、A・マハンの論文ぐらい読んでいたと思いますし。

斜陽になった企業はよく「選択と集中」を口にしますし、周囲も口にしますが、そんなこと言われなくてもわかっているのですが、組織的にそれが出来るかどうかはまた別問題です。

何しろ、今の食い扶持を稼ぐために今の組織が成立しているわけで、今、その組織をスクラップ&ビルドするには食い扶持を手放さなければならない。しかし、それはリスクが高い。上層部は過去の成功体験をもっているから安直にそれを否定はできない。そうこうしているうえでジリ貧になり、上層部が危険性を察知したころには、現場では有能な兵士たちは消えるか、あるいは無気力になっている...ほら、どこのブラック企業とか斜陽企業、あるいは斜陽産業にいる人にはありがちな光景だったりします。
(だからこそ、組織的に立ち直ったりするところ褒め称えられるのですが、えてして元の食い扶持ちはまったく違うところが稼ぎの中心になったりしていますよね)

第二次世界大戦のアメリカ軍って組織的に褒められたのか...これは当然褒められます。
何しろ、湯水のような組織拡張期ですし、しょうしょうヘマしたところで次から次へと人材は入ってきますし。
でも...アメリカも結構トホホなことしてますよね。
例えば、アメリカの装備の問題はあまり軍オタ以外は突っ込んでいるの見ていませんが、大戦初頭の魚雷の品質問題。あれで負けてたらきっと大問題だと突っ込まれること必定だったと思う、戦車であるM4シャーマンの生産問題。あれで十分だと思っていたAGF(地上軍管理本部)の担当者は絶対恨まれただろうなぁ。

(AGFはAGFで、前線での装備を最優先にして、M4には歩兵の火力支援程度で十分。対戦車は駆逐戦車にまかせようとしたらしいですが、そんなM4で欧州戦線でドイツ軍に蹂躙されてりゃそりゃなめてんのかと。航空優勢があって地上攻撃機があってよかったねとしか言いようがありません)

そして、朝鮮戦争でも最初の撤退戦でアメリカ軍は死守命令とか出していますから、大体、負け戦になったらどこの軍隊でもやることは一緒かとは思います...。
なので日本軍も酷かったけど、負け戦だからねぇ。負け戦はやっぱり組織的にgdgdになるよ。と。

そんなアメリカ軍もベトナム戦争で組織的に瓦解、湾岸戦争直前までわりと陸軍はgdgd、海軍は空母をいかにして護るか右往左往し、空軍は爆撃機バカ一代(失礼)ルメイ将軍がいなくなったけど、今度は戦闘機マフィアとかでもめて、海兵隊は自らのアイデンティティの確立に大忙しになったりしたわけで。

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にもちらりと書いていますが、まぁ、ここからベトナムで辛酸なめた若手士官達が中堅となって軍を立て直していくわけですよ。湾岸戦争で兵站業務を仕切ったパゴニス准将もベトナム戦争時代、士官なりたてで戦いに加わっていましたし。

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NATO正面に展開するアメリカ軍主力の装備は正直80年代中期まで褒められたもんではありませんでした。
ワルシャワ条約機構軍(WTO)、その中核となるソ連のOMG(作戦機動グループ=第1悌団)を食い止める手だけは核ぐらいしかなく、その核を使えなくさせるためのOMGの無停止前進攻撃をどう食い止めるか、あまりいいプランも無かったわけですから。

アメリカにとって運が良かったとすれば、シナイ半島でイスラエルが近代戦のモデルケースを中東戦争で繰り広げていたために、新たなドクトリン、エアランドバトルが誕生するんですけどね。
で、装備も刷新したところで、湾岸戦争。上級指揮官達はベトナム戦争で辛酸なめてなお軍に留まって改革を成し遂げた面々、中堅どころはパナマ侵攻などで実績を積んで...とわりといいカンジだったんですけどね。

湾岸戦争後も混乱は続いているわけです。

少ないリソースで最大限の効果をあげるべく、通信・探査技術に重きをおいたRMAも、最適再配置のみに特化した感はぬぐえず、イラク戦争後の占領統治のgdgdさはいわずもがな。結局蓋をあけてみれば、当初軍上層部が要求していた兵員数と同じ規模になってしまったというオチ付です。

そんな中、イラク戦争からアフガンにいたる戦いの中で国防費は右肩上がりで際限なくあがり、国内部はガタガタ。退任されたゲーツ国防長官が引き締めにかかっていましたけど、WW2後がそうであったように急速な軍縮は各地において面倒事を引き起こしますから、注意深く行う必要がある。
その一方で軍装備品の更新は(色々な理由で)遅れ気味、予算は超過気味。色々なプロジェクトがキャンセルされたりしています。

アメリカはそれでも組織として改変しようと喘いでいますが、そういうことを考えてつつ組織論を考えると色々と興味深いですよね。



#Twitterは諸刃の刃だぜーっ?
最近、色々とサービス関係が多くて自分の中では、Twitter>Blog>FaceBook & Google+>mixiみたいなカンジになっちゃっているのがあれなんですが、なんとかやっています。

Twitterでは思わぬ方からダイレクトメッセージもらったり、RTもらったりヒヤヒヤすることなんですが、しかし何ですね、ソーシャルサービスは地雷の嵐ですから、気をつけないといけませんよ。皆様。

個人のサイトが開設されだしてから、Blogを経由してMixiを途中バイパスしてTwitter全盛になりつつありますが、色々「これはちょっとなぁ」という出来事に出会うケースが多々あるような気もしています。今まで一応は評価していた作家諸兄、あるいは評論家の方々の言説を呼んで、うわーっと思うことしきりなんですけどね、まぁ、作品と人格と思想はべつものですよ...。




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