A君(17)の戦争8 うしなうべきすべて
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豪屋 大介 玲衣
富士見書房 (2005/04/20)
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圧倒的兵力で攻め込むランバルト=人連合国軍に対して魔王領=魔族の軍勢はあまりにも劣勢だった。首都に迫るランバルト軍の前に、総帥剛士はどう立ち向かうのか。ってなわけで、イラストレイターが大人の事情で交代して、新装版の第八巻。
首都の防空システムとなるHAWK、NIKE、PATRIOTというネタにずっこけて(w、えらく軍事(システム)ネタに突っ走ったキライのある今回の話だけれど、まぁ、ファンタジア(抽象化、理想化)な世界の中での根本的な思想が違う軍事システムのぶつかり合い・・・たとえばランバルト軍ではどこまでいっても指揮官と軍師という中世軍事システムでの指揮体制であるのに、魔王軍は指揮官=幕僚によって形成される司令部を中核として、ネットワーク化された情報共有だけではなくて、任務部隊(任務内容によって兵力規模を自由に組み込み、活用する)によって対応する軍事革命・・RMA化を果たした最先端の軍事システム)を描いている。
また、そういう過酷な状況に指揮しなければならない剛士の、総帥=指揮官としての覚悟とかハーレム状態の中でのバランスのとり方(人付き合いの仕方)とかを苦悩しつつも成長していく、そして周囲の変化を描く・・・というのが今回の話だと思うが、これいかに。
まぁ、「ほのか」とそれにまつわる世界のなぞだってあるし、あからさまな伏線(あの意味不明なフレーズは、どうみてもノルマンディ上陸作戦のヴェルレーヌの詩のことをさしているのだから、多分作戦決行日を知らせるものなんだけれど、さてどういう作戦かな)。
そのほかにもマジック・ジャミング(ツンデレ)とか、笑っていいものやら笑って悪いものやらネタは数々だけど、お勧めですよ。はい。
どちらにしても続きですよ、続き! デビルよりもこちらを希望。激しく希望!
※既存の新装版については・・・まぁ、なんですね、既に購入された方については付録を読んで検討してみてはいかがでしょうか。
話はとぶが、作者も新装版の中でちらりと書いているが、「RMAっていってもイラクで今、てこずってるじゃねーか」という向きには、作者の言い分も理解できるが、ありゃ違う意味で問題で、「軍事研究」でもちらりと述べられているが、あれだけRMA化に邁進しているアメリカ軍でさえ、莫大な予算を必要としているためか遅々として進んでいないという状況もある。まぁ、主に国内の理由で占領政策がまともではない。というのも一因としてあるのだが。
「だから、RMAって何よ?」と思われた向きは、平成12年の資料ではあるが、防衛庁の「情報RMAについて」を参考にしてください(要AcrobatReader)。平成12年の段階で、米軍の進めるRMAについて的確にそこに至る経緯とメリット、そしてデメリット、日本での適用のメリット、デメリットにも触れられてます。単に情報インフラのネットワーク化だけじゃないんだよ、というわけですね。
とはいえ、おそらく今後十年間の間で非対称戦闘についてアメリカ軍はものすごい勢いで対応していくことになるんじゃないだろうか、と思う。あの国はそういう面ではエネルギーがあるからなぁ。
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