「はやぶさ」だが、なんとも深刻な状況で、A、B2系統あるスラスターの動作が不良という状態。目下、姿勢制御を取り戻すことが第一、
次に地球への帰還軌道を検討することが第一となっている。
状況は、松浦さんの"http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/">blogにも公開されているようにかなりシビアなものだ。
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"#7FFFD4"> これから地球に向けた最後の行程が始まるが、リアクションホイール3基中2基が壊れ、
代替となるスラスターは推進剤残量が少ない。帰途も又、困難なものとなるだろう。
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元々、三系のリアクションホイール(姿勢制御装置)の二つがアウトになっただけでもかなりタイトな状況なのだが、
運用スタッフはあれこれと手をうってスラスターで姿勢制御を行ったりしていた。その最後の頼みの綱であり、
地球への帰還に必要なスラスターも動作が不良。というのが今の状態。
ここまでスタッフの知恵と犠牲、そして何か知らない僥倖に助けられた「はやぶさ」が無事、地球へ帰還できるか、注目している。出来れば、
海の「雪風」のように、あらんがきりのトラブルと苦難を乗り越えて、幸運探査機の名称となってほしいのだが>「はやぶさ」。
一方、イロイロ問題含みなのはJAXAの特殊法人問題。予算がお寒いかぎりで、5年間127億円。
設備やスタッフの人件費もこれに手当てされるのだから、満足な衛星や探査機、打ち上げ能力が維持、発展できるのか。という疑問がある。
これまた松浦さんのblogから。
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予算増額は「関係者が誠心誠意、
予算の有効活用を行う」ことが前提となる。とはいえ、しかし、5年間、127億円という予算でこれだけの成果を挙げた分野に、
それなりの報酬があってもしかるべきと思う。
一番恐ろしいのは、「この金でこれだけの成果を挙げることができたなら、この経験を持って次はもっと安くやれ」と予算を削られることだ。
「なにをバカな」と思うかも知れないが、結構世間にはこのような例が多い。
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無論、予算に対して湯水のように金を注いでいいわけがない。だが、ちゃんとした成果が欲しいのならばちゃんとした予算を出すべきだ。
成果を望んでいながら両手両足を縛りつけ、ある一面だけ世界の技術レベルと伍したからといって「世界最強」なんてヨタを飛ばすのは、
60年前だけの話にしてほしい。
日本はまだまだ設備が足りない。NASAのような70m級のアンテナで行うDSN(深宇宙ネットワーク・・・
で探査機などのコントロールを行う)基地局が世界中にあと数箇所は欲しい。出なければ24時間体制で衛星や探査機の運用などできはしない。
また、今回の、ある意味「アットホーム」な「はやぶさ」の運用スタッフ達の苦闘は我々の感動を誘う一因ともなったが、
システム管理者や運用者にとって、代替スタッフがいない状態は悪夢の一言だ。今回のトラブルは予算不足のなか、
アレコレと技術的チャレンジを盛り込んだ意欲的な「はやぶさ」が、運用スタッフ達の犠牲のもとに成り立っている、
かなりタイトロープなミッションなのだ。こんなことは黎明期の一度で十分だ。潤沢な資金と設備があって初めて到達できる余裕があるのだ。
そこのところを忘れないでほしい。
大体、日本人が宇宙に行く理由について、まだ十分なコンセンサスが無いのも頭が痛い。実利的に言うべきなのか。正直、
この件については自分もいい回答がない。自分自身だけならば一言言えばいいだけなのだけどね。
「大体、そこに大きな手付かずの遊び場があるのに、いかないなんてウソだろ?」
そこにたって、高みから地球を見下ろすのもよし、銀河系を夢見るもよし、ラスト・クリスマスを聴くのもよしだしね。まったく、
俺が子供の頃、今の年代になったら月面の<フォン・ブラウン>市があって、どうやっていくか算段立てることを夢みてたんだぜ(笑)
2005/11/30 予算の考え方が間違っていたのでその部分を削除しました。
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