2005年12月3日土曜日

天涯少女・シノ―狗狼伝承/新城 カズマ

4829117737天涯少女・シノ―狗狼伝承
新城 カズマ

富士見書房 2005-11
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��年の歳月を経てようやく完結。最終巻までかなり時間がかかってしまったが、完結して正直うれしい。
この物語を読むには、登場人物たちの思いの軌跡はすでに実感できるものではなく、辿るような年齢にはなってしまったけれど、自分も作者と同じ立ち位置であるんじゃないかな、と思い読了した。

世界は残酷で冷淡で無価値かもしれないが、それゆえに思いもつかぬほど果てなく広く、我らがいる意味がある。

まさしく久遠であり、無限であり、有限である砂浜のシーンはこの物語の白眉とも言える。新城カズマの作品に抵抗がないなら読んでみてもソンはない。読んでいない方は探すのは難しいかもしれないが是非、シリーズ第1作からどうぞ。「サマー/タイム/トラベラー」を読んだ方も是非。この作品は、「サマー・・・」と対を成す作品になっていると思う。「行くものと、おいて行かれるもの」の対比といってもいいかもしれないし、それ以上の対もある。

さぁ、是非――。恐ろしく配本数が少ないせいか、自分もぎりぎりそのスジ系の書店に飛び込んで残り数冊の中でゲットしたので、大型書店でないと手に入らない可能性はあるのだか――読んでみてそんはない、そんな作品です。

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