2005年12月14日水曜日

"はやぶさ"の旅路。The ENDURANCE TRAVELER.

「至難の旅への参加者募集。報酬少なし。極寒。長期間 漆黒の闇。危険絶え間なし。無事生還は疑問。
 成功すれば名誉を得る。 アーネスト・シャクルトン」




自分が好きな物語の一つが、南極探検に赴むいたシャクルトン一行の苦難と帰還への長い旅路です。以前にも"http://babyloncafe.cocolog-nifty.com/babylon_cafe/2004/10/10.html">
blogで取り上げました
が、シャクルトンが南極探検のメンバーを募った広告文が上の文章です。「はやぶさ」
とその運用スタッフ達も毎度毎度の大困難をあれこれと乗り越えている、リアルタイムの物語となっていますね。


毎度の「はやぶさ」、松浦さんのL/Dでは"http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2005/12/1214_8042.html">記者会見の模様がエントリされています。


報告の内容は、「はやぶさ」は燃料流出のトラブルにより緩やかなスピン(すりこぎ)状態になっている模様であり、回復に時間をかけて、
帰還を2010年6月まで延期する。とのことです。いささか残念ですが、「はやぶさ」は「くしゃみ一つで危篤の状態になりかねない」
さまで帰還の道筋を探っている状態ですからね。いたしかたないことです。



また、言ってはなんですが川口プロマネの漢気大全開。ってな感じな報告でした(w。もう、これでもかってぐらいなので、是非全文読んで、
その魂と不屈のプロジェクトマネージャーっぷりに感じ入ってくださいな。ちょっと抜粋しますね。


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(前略)

今回、サンプルリターンを全世界で初めて試みた。宇宙開発は過去、マスコミの監視の中、びくびくしながら、
確実性の高いプロジェクトを実行してきた。しかし宇宙開発には、リスクを取っても先に進むということも必要なのではないか。


高い塔を建ててそこへのぼってみれば新たな地平が見えるものだ。
そのような塔を自ら建てるという意識を鼓舞したという点でははやぶさには意味があると考えている。

(中略)

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そこから、NASA、ESAの悪口ではないですが。と前置きして、
今の宇宙開発技術が基本的には既存の技術の延長線上でしか行われていないことの危惧と、JAXA(ISAS)の自信が垣間見える言葉が続く。


なにより、松浦氏の「『勝った』と思っているのではないか?」との問いかけに、川口プロマネの言葉がふるってる。



「いや、私としてはまだ『負け』と思っていますよ。何しろ今も、はやぶさは未完のミッションですから」


で、こちらは2chのスレで見つけた海外の「はやぶさ」のチャレンジを称える"http://www.msnbc.msn.com/id/10400707/">記事。親切な方が"http://science4.2ch.net/test/read.cgi/sky/1133966421/387-408">訳してくれているのだが、
さらにその抜粋。


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日本の小惑星ミッションの本当の目的

    サンプルリターンができなくても、
その革新性は人々の情熱を呼びさますはずだ


   
太陽の向こうのはるかかなたで、傷ついた日本の宇宙探査機が、いま必死で

    自らの危機的な状態の情報を地球に伝えようとしている。それが伝われば、

    運用チームが今の状態を診断して、問題を回避するプログラムを作って

    リモートコントロールで実行してくれるはずなのだ。プロジェクトの目標はー

    小惑星からのサンプルを、何年にもわたる長期惑星間冒険飛行を経て

    持ち帰ろうというものだがー今回の飛行中しょっちゅう失敗寸前の状態に陥った。

    しかし日本の運用チームは、これまでいつも何とか解決策を編み出してきた。

    たとえ運用チームが目標を達成できなかったとしても、この途方もなく斬新で

    立ち直りの早いミッションは、小惑星サンプルよりもひょっとしたらはるかに重要

    なものを確実に地球に持ち帰ることだろう。それは、型破りでハイリスク、想像力

    一杯の宇宙技術デモンストレーションに対する人々の関心を、もう一度

    呼び起こすことだ。

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この記事の最後の言葉がふるっているのだが、まぁ、それは読んでいただくとして、何はともかく、
地球への長い旅路はまだまだ続くそうです。頑張れ、「はやぶさ」&運用スタッフの皆さん!
 そして来年早々に発表されるという次期計画は「はやぶさ」のような、ハイリスクであっても野心的な、
想像力を喚起するような魅力的なチャレンジであること!



で、話は冒頭に戻ります。シャクルトン達南極探検隊が乗った船の名前は<"http://hush.gooside.com/name/e/En/Enduarance.html">Endurance>(エンデュアランス)号。
忍耐、苦難。という意味で、文字通り、彼らを表す言葉になるのですが、この名前は今、イギリスの氷海警備艦として名前を残しています。
「はやぶさ」の旅路は、苦難そのものですが、シャクルトン探検隊のような結末を迎えることを祈っています。



追伸。

もう一つ笑ったのは、このくだり。


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追記その2:リポDで一躍有名になったテラキンさんのところにはblogを読んだ大正製薬関係者から、
直々にリポビタンDが2カートン届いたそうです。

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大正製薬GJ!(w



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