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5巻までのクライマックスであるピノッキオとの対決が終結して、物語は新たな局面へ。
兄弟の過去が交錯し、今後はこの兄弟の背景が語られることになるだろう。これが縦軸。そして、もう一つの横軸が、新しいフラテッロ。第二世代と呼ばれる義体に選ばれたのは骨肉種による足の切断により自殺未遂を犯した元バレリーナ。陽気な表情の影に複雑な顔を見せるロシア系担当官。
正直、もう萌えとかそんな領域ではなくて読むたびにその背景の陰惨さと醜悪さ、そして無常観(とうとう明示的に明かされたが、トリエラ、ヘンリエッタ、リコたち第一世代の義体の寿命は短いことが明らかにされた。この物語が、同人版のような形に行き着くのか、それは不明だが、どっちにしたって真っ当なハッピーエンドは望めない)に辟易しながらも次を楽しみにしている自分に驚く。よくもまぁこんな醜悪な物語を容易して、綺麗なラッピングに包んでテーブルに差し出すものだ。なおかつタチが悪いのは作者がこれを意識的にやっていることだ。と思いながら。
作者の画力も上がってきた。新しい義体となったペトルーシュカがそれまでの第一世代とは違い年齢が上がり、脆くなっている。それがどういう形で物語にキックを与えるのか、期待しているのも確かなのだ。
どんな世界を見せてくれるのだろう。目を差向けたくなるような醜悪な世界の向こう側に。
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