「はやぶさ」ですが、依然として状況は厳しく、楽観はできない模様。そんな中で、
サンプル回収のための弾丸発射が行われていなかったのではないかという記者会見があった。
(文中の引用部分は、「"http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/">松浦晋也のL/D」より「"http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2005/12/127450_22cc.html">はやぶさリンク」
��12月7日午後4時50分からの記者会見」から)
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ただし、降下中に送信したコマンドが再生できた。
すると着地前のシーケンスに弾丸発射系統を安全モードに戻して発射できないようにするコマンドが、まぎれこんでいたことが判明した。
なぜそんなコマンドが紛れ込んだかは現在解明中。
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というわけで、どうも人為的なミスと思われる?トラブルがあったようだ。むむむ。
おまけにスラスターが動かないトラブルは燃料であるヒドラジンが漏れて、探査機内部に充満。それが温度を下げてしまったようだ。
それによる影響で放電とリセットが発生。データレコーダーのデータさえ失うというトラブルに繋がっている。
運用スタッフは動かないスラスターによる姿勢制御の可能性を模索する一方、
4基あるイオンエンジンのノズルにある噴射ガス中和用のキセノンガスのノズルの開閉を行うことにより姿勢制御を行うというウルトラCを続行中。
たとえ弾丸が発射されていなくても、最初の着陸時に長時間「イトカワ」に接していたことから、サンプルの回収の可能性はある。そして、
帰還のための方法もまだ(かなり厳しいとはいえ)残されている。
人為的トラブルが組織的な問題(交替スタッフすらままならない状況が原因であれば、とすればだが)であるかはまだ不明なところが多い。
だが、当該エントリ"#C0FFFF">のコメントにあるようなミスが出るからやめるべきだという発言にはまったくもって組しない。
(※2002/12/8 上記色の部分が欠落していたため、まったく趣旨が異なってしまうので修正しました。誠に失礼しました)
失敗はある。だが、それは何かをやろうとして行った結果なのだ。潤沢な予算、国民の理解、国家の威信、
そんなものが日本の宇宙開発にあったためしはない。
その中でも可能な限り技術的、学術的野心を込めて様々なプランを盛り込んだのが今回の「はやぶさ」であり、
哀しきかな日本の宇宙開発の姿であり、希望なのだ。数々のトラブルも運用面で乗り越えてきている。つまり、
現在進行形で有形無形のknowledgeが蓄積されているのだ(これが、ただしく残ればいいのだが)。
忘れてはいけない。
我々はNASAのような大きな組織を抱えているわけでもなければ、
中国のような国家威信のために宇宙開発をするような恵まれた環境ではないのだ。
それでも地球から3億キロの彼方にある小惑星にピンポイントで探査機を送り込み、コントロールを行っている。そのことを忘れてはいけない。
それはチャレンジの成果であり、スタッフや開発エンジニアたちの英知の結果でもあるのだ。
ミスを恐れていては始まらない。無論、肯定するわけではないが、どんなものにも不具合やトラブルはつき物だ。失敗経験を共有し、
成功経験により経験則と経験値を蓄えることが、「タフなシステム」を作り出すこと、一見遠回りに見えて最短で、かつ最良の道なのだから。
だからこそ、運用スタッフ達には頑張ってほしい! この「はやぶさ」が見舞われた様々なトラブルを無事乗り越えて、
そして経験を次の宇宙計画に生かしてほしい。
Babylon C@fe.管理人は、「はやぶさ」運用スタッフの皆様を応援しています!
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