ガンパレード・マーチ九州奪還 4 (4) (電撃文庫 J 17-22) | |
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ハイペースで出る"榊ガンパレ"。最近では珍しいヤングアダルト的なレーベルのわりに、ガチな架空戦記モノとなっているのですが、その中でもクライマックスになりそうな九州奪還をめぐる戦いも4巻目。かなりヒートアップしてまいりました。
包囲殲滅の手から逃れた自衛軍。九州東北部に戦線を縮小させ、濃密な火力と要塞線によって奥行きのある縦深防御をとった新指揮官の荒波・岩田ペア。順調に行きかけたそのとき、幻獣サイドもその後背部への強襲上陸を果たそうとする。
二線級師団によって守られた陣地は、幻獣サイドの思いも寄らない新戦術によって崩壊しかける羽目に。
一方の5121小隊は精神面での危機を危ういところで乗り越えて、充実してきた様子。ここに荒波・岩田の司令部は、5121小隊以下、防衛陣から兵力を抽出してこれに対応することとなる。
果たして、幻獣サイドの指揮をとるものの思惑は? そして、それに対抗する自衛軍の対応は?
一方東京に召還された善行は、軍の中にある策謀の網と、パワーゲームの渦中にその身を置く羽目になるのだが・・・。
今回になって幻獣サイドにも動きがあって、物語は急展開。
それまで短編で描かれているに過ぎなかった九州奥地の野間集落がいきなり注目を浴びて、この地で幻獣・幻獣穏健派・幻獣共生派・5121小隊入り乱れての大乱戦が近くなってまいりました。
どちらもが破綻しかけたゲームの中、誰が最終的に勝ち抜けるのか。
ここでゲームGPMの空挺イベントが出てくるとは。正直ビックリ。ゲーム中では三号機だけですが、今回はなんと・・・ですからね。とんでもないことになりそう。
そして5121小隊だけではなく、彼らの周辺で、前線・後方係らず戦う人々もまたそれぞれの試練に遭遇したり・・・。クライマックスが近いだろうなという高揚感に包まれながら最後まで読めました。
そうそう今回まったく出番の無かった、榊ガンパレ世界の名歩兵部隊指揮官、アフロ大尉こと植村大尉。これで終わりかと思ったら、ノリノリなおまけがあって笑わせていただきました。
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この榊ガンパレでも使われるフレーズですが「鉄量」というのがありますね。「皇国の守護者」でも出てきますが。
戦記モノでは戦場に打ち込む砲弾や爆弾のことを指して、鉄量というんですよね。自分の記憶が確かなら、堀栄三元陸将補の著作で初めて読んだ記憶があります。
元陸軍情報参謀で、その切れ味するどい分析能力で米軍の侵攻意図を明確に読みきり、「鉄量に勝るのは鉄量のみ」という至言を残した人物でもあります。
大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫) 堀 栄三 by G-Tools |
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