科学ジョークとソ連(ロシア)のMig25の話。はてブにもあるけれど、これってネタとして面白いけれど、考えると深い話なので自分もつらつらと書いてみる。
宇宙飛行士は、無重力状態ではボールペンが書けないことを発見した。
NASA は120億ドルの開発費をかけて、無重力でも書けるボールペンを開発した。
ロシアは鉛筆を使った。
ありがちな科学ネタとしてのジョークだけど、これを読んでちょっと考えたのは、
・無重力状態で筆記するものがないという状況。
・アメリカ→新しい技術を手間隙かけて作った。
・ソ連→既存技術で対応。
これを安直に「NASAはバカだなー」と考えるべきなのか、「鉛筆使えばいいものを120億かけるだけのエネルギーで新しい技術を開発した」と考えるべきなのか...。
技術的にブレイクスルーするのと運用方法でブレイクスルーするのは、ケースバイケースだから一概にいえない。
そこにはコストが横たわるので、自分のようなへっぽこ傍流SEは、「頻度が高くて二度繰り返すならシステムで対応。1年一回程度なら運用方法で対応」と考えていたけど、ユーザーが配置転換する状況だとそうもいってられないという気もあって今悩み中ではあるね。
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ちなみにMig25のお話なんだけど、軍オタとしては
「だって、あの当時の航空軍事のセオリーはB-70バルキリーとか、高高度・高速度侵入がポイントだったから、そりゃMig25も出来合いの技術でさっくり作ってしまうよね。長生きしてるのはロシア
のお国柄と、単に航空機そのものの寿命が延びているから(それだけ運用時間が経過しないってのもあるかもね)」ってことで。
- その機能ニッチに競合者がいないのなら、その技術は長生きする
- 競合者がいるのなら、その機能を成り立たせるための「前提」がより少ないほうが生き延びる
はてブでもコメントがついてるけど、この条件に適合するとすれば、西側だったらA-10だろう。
エリア88のおかげか、日本国内のWW2以後航空機属性を持つ軍オタの間じゃ、かなりの確立でA-10教とF-14教が存在する。A-10教は、湾岸でもイラクでもアフガンでもその判りやすい欠点を帳消しにできる長所で見事に生き残って、いまや改修作業で生き残っているぐらいだ。
(F-14は特化できるほどの能力を持ち合わせていなかったので、ライノに乗り換えられたけどね)
2chスレでも長生きしてるし、有名なフレーズ「撃つまで撃たれ、撃った後は撃たれない!! 」とかネタになっているぐらいだからなぁ。
なんというかニッチ過ぎると逆に人気が出るというか。
上で書かれたのは、ブルーオーシャン理論にも似てるけど、相手の土俵に立たない、自らの有効性を発揮できる場所、相手を選ぶというのは、どの世界にも(そう、恋愛にも)いえることだと思うけどね(笑)
ちなみにMig21やF-4が未だに現役なのは、航空機そのものの寿命が伸びている(金属疲労とかを検出する非破壊検査技術とかが進んでいるのもあるし)し、航空機を維持できる技術レベルがあまり高くなくても大丈夫ってのがあるだろうね。
西側諸国の標準機、F-16が今後F-35に乗り変わるのか、と言われると微妙だし、自分の暗黒面は(多国籍開発でいくら金だけ出させるスタイルでもまともなもんが飛ぶわけがない)という呟きが確かにあるんだけどさw
F-22は確かにアメリカ、もしくは日本とか一部の国でないと運用できないだろう。あれは現用戦闘航空機のジャンルではもはやT-レックス級の"化け物"だと思うし、ここのところgdgd開発が続くアメリカにしては、航空優勢一本に絞っただけあって飛ぶことが出来た航空機だろうし。
大体、アメリカの開発って、「最初のコンセプトが素晴らしいけど、あとからあとから要求が追加されて、開発炎上」ってケースが多すぎる...。(ま、予算獲得のセールストークで足縛られているというか)
"目的は常にシンプルに。能力は常に余力を残し。運用は常に柔軟たれ。"ってこともメモしておこう。そんなのできれば苦労はしない、とシステムに携わる人なら思うにしても。
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