#いやいや、何か違うんじゃないかな。
「F-104を当時日本で装備する意味はほとんど無かった?」 from Toggeter
要点は以下の通り。
「西ドイツ空軍で採用されたF-104Gは、戦闘爆撃機を任務としていたがそういう任務で使うことがなかった航空自衛隊ではF-104Jを採用する理由はなかった」
...そんなわきゃないだろう(バンバン←机をたたく音)
後付で理由を考えるのはいいけれど、当時置かれた状況とかを考えてみないと、どうして当事者たちがそういう判断に至ったのか。っていうことは浮かばないだろうか。
正直、日本のF-X(主力戦闘機)選定作業はF-86以降、結構gdgdな状況で決まっていて、F-104に決まるまで紆余曲折あったという事実もあって、F-11とF-104が決まったり決まらなかったり。という点もあった。ただ、日本にとって、(当時、完成していた機体で要撃任務に足りえる)F-104のみが理想の形だった。マッハ2クラスで高度1万5千まで10分以下の上昇能力はF-86では不足していた航空要撃力を補うためにはうってつけだった。爆撃コンピュータ取っ払ってまで導入したのにはそれ相応の理由があってこそ。
当時、アメリカ本国でさえ防空システムSAGEが導入され、空自の視察団は見ることすらかなわなかったF-106(デルタダート)があったけれど、対航空核ミサイルとかそういうもろもろコミのシステムを日本で導入するわけにもいかないし、日本版防空システムのBADGEが導入されるのはまだ先の話。となると、日本にとってもっとも脅威である高空侵入してくる爆撃機に対しては「単独で足が短くとも早くて上昇率も高いもの、かつ装備が可能な」要撃機となると、候補機(F-104、F-100、F-11、NF-102(F-5))のうちどれが?といわれたらもはや消去法でF-104しかない。F-100は戦闘爆撃機任務が主なのでキャンセル(多分ちゃんとプレゼンしてればF-100になっていたと思うけど)。F-11、NF-105はまだ実用化にもたっしていないしね。
西ドイツ空軍は航空自衛隊の運用機数230機の倍以上916機を運用している。そりゃ、戦闘爆撃任務にも使うだろう。潤沢にあるんだし。それで200機も喪失してりゃ、そりゃ運用能力が足りないと判断するか、そもそもそういう不適な任務にも使っていただろうという話も出てくるだろうさねー。
今の価値観で当時を判断する前に、どうして当時の人たちがそういう判断に至ったのか。という点をまず考えて、それが妥当性があってこそか否かの検討をしてから、しかるのちに考えるのがいいと思うけどね。
(大体、航空自衛隊が今までもそしてこれからも陸自の対地支援任務に本腰入れることはないだろうなぁ。って諦観もあるし、そんな余力もないよね。航空自衛隊は侵入してくる戦爆連合の要撃が主任務で、お次は来寇する敵艦隊の遠距離撃破が次で・・・げふんげふん)
(ちなみにF-35をどうして選択したかと言われれば、やっぱり航空自衛隊にとってマルチユースファイターであるよりも、純然たる航空戦闘能力を欲したから。その中でもっとも高性能なのはF-35だから。という判断がある。マルチユースだったらF-2を増産していりゃ事足りたしね)
(ここ20年近く、まともな制空戦闘が生じていないことから戦闘機不要論が時々あちこちで出てくるけれど、正直賛同はできないのは、今、現時点での現状だけを踏まえて未来を語っているから。時代の趨勢はまだ見通せないし、一気に舵を振るのは、実のところ弱者の戦術であって、トータルの能力を求めるのが一番ですよ、やっぱりね。)
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