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ガンダム関係のムック本でエポック・メイキングだった本だといわれれば、その後のガンダムを位置づけたものといっていい、「ガンダム・センチュリー」が上げられます。豊富なイラストや設定集などで、その物語の背景にある世界観の構築を目指していた本ですね。
その後、Zガンダム、ZZガンダムのTV放送のあとを受け継いで拡散していくガンダム・プラモや、当時のマスメディアの方法論などを貪欲に(言い方悪ければ節操無く)取り込み、整理し新たな道付けをつくり、今もその影響を残している「ガンダム・センチネル」(その前にMGでの二冊の別冊も重要なのですが)。
上の二冊があとあとのガンダムのシーンに特別な影響を(良い意味でも悪い意味でも)もたらした本だと思います。「ガンダム・センチュリー」が無ければ、ガンダム世界の重要なガジェットであるミノフスキー粒子などの話は広範に広がらなかったでしょう。「ガンダム・センチネル」が、デザイン担当のカトキハジメを排出したことのみならず、そのワークス体制というモデラーの分業制を確立したり、「情報量」というタームを使ってとんでもないクオリティのモデルを作ってみせたりして、功罪はあれどその影響を今にも残しています。
無論、そればかりではなく良質なガンダム本もありました。1年戦争をジャーナリストがとった写真集という形で描いて見せた「M.S.ERA」もそうですし、色々と物議をかもした(wG20を受けて作られた「アナハイム・ジャーナル」もその切り口としては良かったですね。
で、この作品ですが、Zガンダムをフューチャした作品なんですが・・・そ、そのなんですね。いいんですよ。キットを使って描いていたり、とか意欲は買えるんですよ! でもね・・・がついてしまう。
海外の雑誌を取り入れたようなセンスのあるレイアウトか、といわれると「アナハイム・ジャーナル」「M.S.ERA」に遅れをとってしまう。文章の情報量も、正直「アナハイム・ジャーナル」には叶わないかもしれない。
(世界を切り取るのであれば、世界の真ん中ではなく周辺を描くべきだと思う。例えばZ計画概要案などで、Z計画の中でのZガンダムを描くべきだし、用兵思想としてのTMSならばどうしてそれが衰退していったのかを描くべきじゃなかったのか、と思うのだがどうだろうか)
Zガンダムのモデルや撮影技術も「ガンダム・センチネル」に及ばない点もある。方向性などチョイスは買うが、今いち内容が伴っていない、そんな感じがあるのだ。正直惜しいなあとは思う。
しかし、ほんとZガンダムは人気があるよなぁ。自分も好きなデザインのMSです・・・とここまで書いて、ああ、そうか嫌いなのは、出渕デザインのMSなんだ(wと気がついた。νガンダムもリガズィも嫌いだしなー。永野護、藤田デザインのMSが割とすきなのだ。というわけで、Zガンダム好きならば手にとってみてもいいかもしれない。あくまでも「かもしれない」というのが味噌といえば味噌なのだが・・・。
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