2006年10月3日火曜日

氷と炎の歌シリーズ 七王国の玉座

七王国の玉座〈1〉―氷と炎の歌(1)
七王国の玉座〈1〉―氷と炎の歌(1)ジョージ・R.R. マーティン George R.R. Martin 岡部 宏之

早川書房 2006-05
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七王国の玉座〈2〉―氷と炎の歌〈1〉 七王国の玉座〈3〉―氷と炎の歌〈1〉 七王国の玉座〈4〉―氷と炎の歌〈1〉 七王国の玉座〈5〉―氷と炎の歌〈1〉 この世の彼方の海



長い夏と、厳しい冬が不規則に訪れる世界。
この島は長くこの島を支配していた古代王朝を斃した者達によって七つの王国による諸王連合国家となっていた。七つの王国を統べる新王の統治は決して磐石といえず、その足元は大きく揺らいでいる。
七王国の一つ、北の大地を統べるスターク家の子供たちが狼の子供たちを育てることを決めたころ、不穏な動きが始まった。一つは北の大地の更に北。辺境を守る城壁の向う側での出来事。そして、新王がスターク家を訪れ、先ごろなくなった王の名代、「王の手」の後継にスターク家家長、エダードを任ずることを告げたことから。
一方、海の向うでは、斃したはずの古代王朝の末裔が蛮族と結託しようとしていた。

この島に再び戦乱の時代が訪れようとしている…。

というわけで、めくるめくファンタジー小説がようやく文庫化になり先ごろ単行本第1巻分の1巻~5巻までがそろいました。早川書房、商売下手だよ。こういうのは一気呵成に出そうよ! 多分、ライトノベル好きの人達を引き込むために薄くせざるを得ず、毎月刊行というスタイルをとったんだろうけれど、面白いのは1巻読めばわかるから!(w
自分の場合、1巻読んで面白さを理解したものの、5巻が出揃うのを待ってもう一度読み直しましたよ。二日弱かかって一気に読んだなー。いや、ほんと面白い作品です。

全編、これでもかという登場人物の数と権謀術数、陰謀と思惑が交差し、決して物事は単純に進みません。高潔すぎるが故に足元をすくわれる者、智謀はあれど異形のために煙たがれるものの心根は素直な者、見識も勇気もありながらもその身分や生まれなどに偏見を持ち見る目を曇らせてしまう者。夢見がちなために回りに迷惑を及ぼす者。様々な者達が現れます。そういったキャラクターたちがこれでもかと陰謀の渦中に巻き込まれ、情け容赦ない展開の中に放り込まれ、その命を散らしていきます。
作者が書いたように「薔薇戦争」(Wikipediaの解説はこちら)をモチーフにしているとのことで、まるで時代小説か戦記もののように権謀術数を描く一方、ファンタジー小説というからには魔法と怪物(ドラゴン)も絡んでくる。もうてんこ盛りですよ。

やはりですね、一級のファンタジー小説は辺境のシーンから始まらないといけないし(偏見)、古代王朝の復興と戦乱は欠かせないわけですよ。それに魔法もドラゴンも絡んでくるので、楽しみは一級品です。
で、そういった中でスターク家の子供たちがどう戦乱の世に巻き込まれていくのか。彼、彼女らに付き従う狼も何かを暗喩されるものばかり。さて、どうなることか。

一応アメリカ本国では第6巻完結の予定のはずが、延びるかもとのこと。で、対する日本は単行本が2巻までで、来月ようやく3巻が出るとか。弁当箱級の厚さとのことですが、もう速攻でAmazonでクリックしてしまいましたよ(w 文庫化なんて待てるか!

というわけで未読の方は是非! 一押しの作品です。


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