2010年6月27日日曜日

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編
ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編柳内 たくみ

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銀座に突如開いた門(ゲート)。そこから出てきたのは「ど」がつくほどファンタジーな存在。ゴブリン、オーク、そして騎士達。彼らは無辜の人々を襲いだし多数の被害者を出すはめになった。
...事件が解決したあと、日本国は門の向こう側に自衛隊を送り込むことを決意する。どのような不規則な事態があるかわからないため、向こう側の情勢を知るためという名目で三個連隊戦闘団(CT)規模の隊が送り込まれることになったのである。門の向こう側に出た自衛隊はそそくさと野戦陣地を作ることになる。
日本政府呼称するところの「門の向こう側」=特地の存在に色めき立つ諸外国。何しろその特地とは文明レベルが隔絶しているだけではなく手付かずの天然資源の山だったのだから無理もない。一方の日本(自衛隊)も頭が痛い。広大な土地を制圧するほどの兵力は無く、目的はいまだはっきりしない事件の首謀者を特定し、交渉のテーブルに付かせ、しかるべく謝罪と賠償を求めるにはきっかけがない。というわけで複数の偵察隊が組織され送り込まれることになった。その中の一隊の指揮官に「食う寝る遊ぶ、その合間にほんのちょっと人生」を公言してはばからないオタク自衛官、伊丹がいた。
はてさて、この「ど」がつくほどファンタジーな世界で自衛隊はいかにして戦うのか?

...まぁ、あれですね、たぶんあれだ、2ch軍事板の「自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた」スレがネタ元か?と思わないわけでもないです。翼竜相手に火を噴く87式自走高射機関砲"スカイシューター"はともかく、M42高射機関砲(あれ、一応アメリカに返還されちゃってますけどね)、エリコンL90(こちらも用廃処分で廃棄です)みたいな骨董品を持ちこんでいるという設定は、なんというか、燃えるというかあきれるというかw
あちこちに30代以上のオタク系趣味の持ち主ならクスリと笑うようなネタがあちこちにあるんですが、まぁ、そこはなんというか、ねぇ。
一番頭が痛いのは、ちょっと経験値を積みたいばかりに出撃を求める各戦闘団指揮官とかのあたりですか。空中機動旅団的なヘリを中心とした部隊でわざわざご丁寧にコンポとスピーカーを載せて、ベルリン・フィルの「ワルキューレの騎行」まで準備しています!とか言い出す部下に「パーフェクトだ」と答える指揮官。その様子を見てこいつらキルゴア中佐の霊でも取りつかれているのかと悩む総指揮官とか、まぁ、なんというかダメな自衛隊です。いや、そういうダメなところ以外に生真面目すぎるほどの野戦築城とかいうネタもあるんですが、まぁ、枝葉の話はおいといて。

何しろドがつくほど定番ネタが多いですからね汗; 金髪のハイ・エルフ、プラチナブロンドのわりと無口な天才少女。なぜか?ゴスロリ風味の齢...才の神様少女などなど。よくまぁこんなネタで...とおもわんばかりの話。そこにスーダラ自衛官の伊丹が絡むというわけで物語後半、伊丹の意外な過去を明かされるあたりで「ええー」ということ間違いないでしょうが、それを忌々しげに語る者達もヒドイというかw

本当に、ど直球なオタク向け自衛隊ネタ&ファンタジーのノリです。まぁ、それでも良いならおすすめかも。いや、自分はきっと好きですよ、ええまぁ(苦笑)。


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