2010年6月1日火曜日

映画「グリーンゾーン」 自己批判の道はまだまだ険しい

ま、なんですか。見終わってから「しまった、これなら「パリより愛をこめて」のほうがよかった」orzと思ったんですが、どうしよう、この映画。

・例によって例のごとく翻訳が戸田さんなので、英文聞いて自己変換が必要。
 「装甲車を持ってこい」...「ハンヴィをまわせ」でいいんじゃね。発音ちゃんとハンヴィって言ってるよ?

・冒頭30分で話の筋が読めたが、ななめ下の展開でズッこけたのは内緒(この話、のちほど)

・実はもっとバッドなエンディングだと思ってました(この話、のちほど)

・冒頭、狙撃兵の立てこもる塔への突入シーンがあるんだけど、うーん、それならヘリ呼んでフッ飛ばしたほうが?とか思う自分はCod:Mw厨です・・・。

・結局トホホなお話だが、アメリカにとってイラク戦争の大義を喪失していることの証左でもあるんだよなぁと思ってみていたり。ハート・ロッカーもそうだったけど、今は本当に内向き。ベトナム戦戦争直後とはまたありようが違うというか、なんというか、ねぇ。

・っていうか反省の矛先はマスコミにも向かっているんだけど、総じて弱い。事の深刻さがまるで他人事。これで反米云々とか言われるならかわいいもの。

・さらにいえば、イラクにおいてはスンニー派とシーア派の対立が主体でクルド人問題はアメリカにとっても触れたくない話だろうに、なに並列で扱ってんのよ。とか思ってもみたり。

・個人的にB級ボンクラ映画的ランクでもちょっとドンヨリ系な扱いです。
 マット・デイモン出るならもう少しこうなんていうの、ドンパチしようよ。
 (いや、ボーンシリーズじゃないんだけどさ)






(以下、完全ネタばれ時空かつ妄想全開)






・や、結局のところアメリカでの占領後プランがgdgdであることを自分たちでとどめさしちゃったような話なんですよ。国防総省とCIAの内ゲバでもあるし。
・びっくりしたのが諸悪の根源みたいなCIAがわりとマトモな扱い。でも大してストーリーに絡んでない。
・正直、あのストーリー展開で主人公が生きているのがおかしい。これでマット・デイモンが演じるMET部隊の隊長がラストシーンでIEDで爆破死亡だなとか思ってましたから。
・結論からいうとシナリオ、結構改変されたんじゃないかなぁと。ハリウッド映画シナリオにしてみるとどうも腰砕け感が大きいです。いくら史実を逸脱できないとはいえ、どうもシーンをばっさり削られた感が強い。何かあったのかな。

・もっとなんていうか、どんより系ならどんより系に突っ走れよ!とか見ていて思ったり。



つまりこんなカンジのストーリー(一部映画準拠で途中から妄想モード)でどうだろう。
(色は反転しています)


・イラクの将軍がアメリカ国防総省の高官とつながっている。→将軍はフセインの失脚を狙って、国防総省(政府筋)は9.11の矛先をイラクに向けるために結託。ありもしない大量破壊兵器をでっちあげて戦端を決意。そこである密約を交わす。
・将軍指揮下のイラク軍はアメリカ軍侵攻に対して主力をぶつけることなくイラク南部方面に展開。指揮ラインはそのままであちこちに潜伏することに。
・国防総省はありもしない大量破壊兵器の捜索を命じつつ、将軍を口封じするため行方を探る。国防総省のプランは将軍の身柄を生死を問わず覚悟したうえで大量破壊兵器を「発見」し、戦争の大義を確立するのが目的。
・将軍はアメリカの意図を読んでおり、国内の勢力を掌握。イラク暫定政府に自分、あるいは自分の配下を送り込み勢力を確保したい。将軍の手で事前に生物化学兵器工場とその兵器を隠匿したという情報を流す。焦りだす国防総省筋。CIAはその動きを察知する。
・主人公率いるMET捜索チームは空振りばかりで苛立ちが募る。どうも上層からの指示で空振りばかりだということを悟る。その途中、不審なイラク人を追跡することになる。元イラク軍軍人将官だったらしく彼の抵抗で射殺したとき、身元を確かめている最中あやしげな手帳を手に入れる。
・大量破壊兵器は本当はないはずなんだけど実はある...かもしれない。そのことを科書き残したのが冒頭に将軍が書き残した手帳。(ところが作中では単純に将軍の潜伏先リストでズッこけた)CIAはその有無を調べるため、国防総省は手帳の存在を帳消しにしたい。そこに国防総省との取引が書いてあるとディス・インフォメーションの証拠だから。
・手帳には、国防総省が最後にでっち上げる化学兵器工場のポイントが記されていることを、CIAから主人公はしらされる(ただし、本物だと信じているしCIAには渡していない)。
・CIAは主人公に国防総省のでっち上げの可能性を知らせ協力するように要請。イラクに対するスタンスは自治はその国の国民が行うべきというスタンス。すこしだけ共感する主人公。
・とはいえCIAはイラクの治安についてアメリカ兵士を使うのではなくイラク人主体の兵士を使うのが目的。"睨まれるのはイラク人のほうがいい"
・CIAに手帳を差し出す。しかしその手帳は控えで、ポイントが数箇所に分かれていた。
・将軍はグリーンゾーンに対してこの化学兵器を使わせると国防総省に通達。顔色を変える国防総省高官。ただしブラフでわが身と配下の兵士の身の安全を確保するためだった。
・イラク軍残党とアメリカ軍内部での大量破壊兵器をめぐって三つ巴の争奪戦が繰り広げられる。協力したイラク人はイラン・イラク戦争以後、化学兵器使用のため余命いくばくもない不遇をかこったイラク軍軍人、としておこう。
・CIAのバックアップもあり主人公が大量破壊兵器のケースを手に入れる。その過程で化学工場には何もないしケースもフェイクだということがわかる。将軍は混乱のさなかに協力した元イラク士官の手にかかり死亡。イラク士官も死亡。士官は死の間際主人公に「これでこの国は国民のものだ」という。
・将軍の懐から出てきた密約を示す資料は最後に国防総省が大統領令で取り上げられる。
・大規模な戦闘があったことが国防総省から発表される。その場所は工場の名前であり、現在大量破壊兵器の捜索中であると高官が告げる。
・その後国防総省高官はフセイン逮捕を発表。ただし高官は発表の直後更迭されるがその事実はフセイン逮捕のドタバタで報じられない。
・実はその手帳に書かれた工場の名前は符号であり、イラク軍残党がIED爆破攻撃を実行するためのシグナルだった。イラク戦争はより混迷を深めることに。
・CIAの忠告を無視して報告をマスコミと協力した記者に流す主人公だが、マスコミはこれを圧殺。記者は会社を辞め、独立ジャーナリストとして真実を告げようと主人公に告げようとするが、彼と一足違いですれ違うことに。
・CIAはあるところへ電話をかける。
・マスコミから黙殺されたことを知らず任務に出た主人公たちの向かったさきでIEDの爆発シーンでEND

...うわ、救いのねぇ展開だなと自分でも思いますね。


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