2007年3月7日水曜日

図説・幕末戊辰西南戦争―決定版

図説・幕末戊辰西南戦争―決定版図説・幕末戊辰西南戦争―決定版

学研 2006-07
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幕末・明治初期の日本国内の戦役・戦闘を網羅した結構タメになる本。幕末時期、商人たちの手によって使い物にならないお古の武器からなにからなにまで、結構高値で買い付けられたりして日本国内の戊辰戦争を戦うハメになったんだけれど、そういう武器の説明から軍勢の動きまで事細かに書かれていて、幕末時代から西南戦争までの戦いに興味がある人なら持っているべきな本。

だけど、まぁ、ちょっとはて?という記述もあって、当時の人々は欧州から火器などを買い込んだものの、死傷率についてさほどではなかったため、戦術などについてはまだまだ未熟だった(大意)。という下りがあって、読んでいてそうかな?ということを感じたので、ちょっと雑感としてメモ。

基本的に火縄銃からスペンサー銃など後込め連発銃に変化し、弾丸が変化。ライフリングなどによって長射程になったとはいえ、そんなに戦闘における死傷率が上がった、というわけではないだろうと思う。
WW2までそれまでは驚くほど死傷率が低かった。というのは、グロスマンの「戦争における「人殺し」の心理学」にも出ている。上がったにしても欧州の戦役などで爆発的に死傷率が上がったのは、ガトリング砲、大砲などの直接火力支援などが導入されてからだったと記憶しているし、基本的に抜刀戦術か、小銃による打ち合いじゃ、戦場での死傷率はさほど上がらないだろう。死傷率が上がるのは、壊走が始まり、追撃による掃討が始まったあたりだからなぁ。無論、指揮官達すべてが抜刀戦術から火力主体の戦術に関して理解したわけではないのは重々に承知しておりますが。

しかし、折角戊辰戦争・西南戦争で歩兵の突撃を食い止めるために日本の陸軍指揮官達はいやでも火力に傾倒するハメになっていったのに、その後の精神主義を見ているとどうしたもんかな。とは思うのだけど…。まぁ、貧乏がすべて悪いのか…。

まぁ、以上、ざっと読んだ段階での雑感メモなので読み込んだ上で感想が変わったらまた訂正するかもしれません。とはいえ、そういうことを考えさせてくれるいい本でした。


戦争における「人殺し」の心理学戦争における「人殺し」の心理学
デーヴ グロスマン Dave Grossman 安原 和見

筑摩書房 2004-05
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