2007年9月7日金曜日

ヱヴァンゲリオン劇場版:序

「ヱヴァンゲリオン劇場版:序」→公式サイト

正直、TV版のあの熱狂(Nifty・SGAINAXの深さは今振り返っても、中々のものだったと思う)、劇場版の乱痴気騒ぎと混沌、サブカルの寵児となったような展開から、パチンコなどまで展開して今でもスピンアウトというか、亜種作品を生み出していたモンスターではあるけれど、正直、心の中では「消費しつくされた」感が強くて、映画館、TVで予告編を見て、3Dで第三新東京市のビルがせり上がってくるシーンを見て「おっ?」とは思うけど、観る気は無かった。DVDで観ればいいかな。とは思ってもいた。

ところが、あちこちのblogで劇場版が良かったという評価じゃないか。どういうことだ。代表的なのは下のエントリかな。

まだ見ていないお前らのために『ヱヴァ』を解説するよ。」 from Something Orange.

…ほほう、そこまであの時代を味わった面々が絶賛するのなら見ておこうではないか!!




というわけで見てきました。




あ、確かにこれはすごい。

TV版に(それもマジリアルな本放送で)熱狂してしまった人なら見ていてソンはない。TV版本放送前に出来上がっていた1~5話近辺、つまりはGAINAXらのスタッフが渾身の力で作っていたあのエヴァのすべてのシーンが見直されて、作り変えられている。(本放送まで、アスカ襲来が出来ていたことは確認している…ちょっとしたことだけど)

見直されて、変化しているのは風景やガジェットではない。それは10年あまりの歳月が可能にした3DCGなどによって可能になっただけのことだ。ここで変化しているというのは人物描写とてそう。

ナイーヴで自分の殻に閉じこもるばかりだったシンジは幾らかは意思表示を示すようになった。綾波の声は幾分軽くなったような気がする。ミサトも幾分大人の女らしさといい人さを見せている(特にぐずるシンジをリリスの元へつれていくときのあの仕草はいいよね、あと司令に反論するシーンなど)。すべてが年月の歳月を経て、見直され、変化しているのだ。


この劇場版の中心は、TV版第5話近辺、つまりサキエルラミエルの襲来、一敗地にまみれたあとのヤシマ作戦による反撃であるのは言うまでもないけれど、あの描きっぷりはもう悶えてしまいそうなほどだ。

多数の無機物モノの描写、ビルや武装ビル、迎撃システム構築物の描写、重機の集結、突貫の大規模土木/建築工事。ネルフを筆頭としたオペレーター/スタッフ/エンジニア達の動き。物語冒頭にて、リリスの存在が明かされることによってネルフの存在意義と目標、そして目的意識は明確に描かれていることも一因しているだろう。名実ともにネルフ=第三新東京が人類最後の砦として描かれているのだ。
TV版とは違って尺が短いので、余計な部分をそぎ落としているのがよくわかる。

個人的に琴線に触れたのは、ヤシマ作戦の作戦会議シーンだ。ミサトの描写が才能ある現場指揮官というカンジで、他のスタッフ達も補佐に徹しつつ発言するあたりがいい。密室の中、テーブルを挟んで一つの目標に向かっての会議ってのはいいよね)

だが、まだ「序」なのだ。物語がそうそう簡単に終わらないであろうことはこの映画の最後と予告編でもう明らかにされている。
あの当時、ライブで疾走感と己をさらけ出すことでしか物語を終わらせることのできなかった庵野総監督が、あれから10年、何も変化しなかったという自戒と共にどんな物語を紡ぎだし、そして終わりを描くのか期待している。さぁ、お手並拝見というところだ。

---------------

ここから先はヨタ話。エヴァ、そしてこのヱヴァ映画版は特にそうだけど、土木…大型建築物が特に魅力的に描かれている。ビルが地面から生えてくるシーンもそうだけど、ミサトとリツコが二人でリフトに乗りながら、施設の坑道内を降りていくシーンだって魅力的だ。あと、シンジと綾波が降りてくるエスカレーターもいいよね。というわけで関連ネタ。

Deep Inside
Deep Inside西澤 丞

求龍堂 2006-05
売り上げランキング : 70584

おすすめ平均 star
star大人の社会科見学
star深い深い内側の世界を見事表現!
starこれが先端技術!

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


工場萌え
工場萌え大山 顕 石井 哲

東京書籍 2007-03
売り上げランキング : 1233

おすすめ平均 star
star工場の夜景の美しさは見事!
starプラントですね
starまさに工場萌えでした。

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


いやー、人間の力は偉大だよ。決して見えない場所にある大規模建築物もすごいしね。
大規模建築といえばやはりあとは工場か…。

あと、ヤシマ作戦のガジェットというかバイプレーヤーというか、いい小道具はやはりこれだと思う。

トミカ No.114 自衛隊 軽装甲機動車(箱)
トミカ No.114 自衛隊 軽装甲機動車(箱)
トミー 2006-10-19
売り上げランキング : 422

おすすめ平均 star
star最高
star良い感じに仕上がってます、ドアもぴったり閉まります。
starとりあえず買っときなさい

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


やべ、軽装甲機動車がこんなに格好よく描かれているなんて! スタッフの中にも軽装甲機動車好きがいるのか。ってなぐらいにヤシマ作戦では出てくる出てくる。リツコたちのシーンとかでもね。確かに軽装甲機動車、格好がいいからなっ! そこ、パナールのVBLとか言ってはダメだぞw


0 件のコメント:

コメントを投稿