とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4) | |
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敗色濃い戦争の最中、階級制度の色濃い国での最下層の出自である傭兵飛空士シャルルに特命任務が下される。時期皇妃となる美姫を守って、敵中の只中を突破しろというのだ。圧倒的な敵戦闘機を擁する敵軍が待ち構える海へ、複座水上偵察機が飛ぶのだが…。
いや、あちこちでの評判がいいのも頷けるいい作品でした。
「ローマの休日」+「紅の豚」というのは、確かにいいえて妙です。
どこまでも続く海原と大空。そして孤島の島々。二人の間にある絆。この作品は、シャルルと美しき少女ファナの淡く切ない物語が主軸ですが、もう一つには手に汗握る空戦シーンというのもあるわけです。
空戦モノが好きな人なら、あのエピソードからとったな。という下りが色々とありますが、知っていても手に汗握る面白さ。そーだなー、坂井三郎(「大空のサムライ」)とかの著作を読んでいる人ならニヤリとするかも。
しかし、この物語が傑作たりえるのは二人の心理描写であり、珠玉なのはラストシーンから終幕への下り。
ベタかもしれないが、頭の中にイメージを描けるのなら、その美しさに溜息が出るはず。
1冊で完結。ライトノベルというフォーマットではありますが、一級のロマンス(と、空戦シーン)の物語です。お手頃でオススメですね。
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