ガンパレード・マーチ九州奪還 1 (1) (電撃文庫 J 17-19) | |
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いやいや、いつ出るかと思っていた榊ガンパレがわりと早く出たので吃驚。
九州撤退後、熾烈な山口防衛線を戦いなんとか勝利を収めた人類側は、初の反抗作戦として九州奪還を目指す。だがそれは現場の空気とは乖離した後方での楽観論が支配する作戦だった。
50年近くにわたり防御戦ばかりを繰り返した軍に、初めての逆侵攻は成功するのか。また幻獣サイドにも不穏な動きがあるなか、5121小隊を中核とした部隊は、今再び始まりの場所、九州に上陸する。
…というわけで、榊ガンパレのオリジナルキャラ総動員のノリだった山口防衛線シリーズから、今度は九州上陸と奪還を目指す物語へ。
5121小隊のメンバーもいい意味でも悪い意味でも変化を強いられつつあるのは相変わらずですけど、ライトノベルらしからぬ戦記ものになりつつあります。
なにより、内部でも組織の軋轢、軍閥の横行により十二分に戦力を発揮することがかなわないまま、軍の中核となる士官、下士官の払底から臨時召集していて才覚と運よく生き残った学兵を(進学などの餌で)抜擢したりとまぁ、硬直した組織のダメっぷりもちゃんと描くような作品って架空戦記ものでもなかなかないのですけどね(苦笑)。
軍隊であれなんでアレ組織っていうのはある段階を過ぎると硬直するものです。そういうことをわかっている指揮官(リーダー)がトップにいればいいのですけど、軍などのレベルになるとそうそう簡単には進まないもので。横紙破りしないと組織として活力が生じませんけど今度は妬まれ、あらぬ疑いまでかかる始末。今回の5121小隊も似たようなものですが。
いままで色々と恵まれた立場にいたことを彼ら自身が理解するくだりは、まるで無邪気に生き残ることだけを考えて戦っていたある意味の「古きよき時代」からの決別とも言えるでしょう。
これからはありとあらゆる手立てをつかって部下を生き延びさせないといけない。それは5121小隊の初代小隊長である善行がやっていたことではあるのですが。
というわけで面白くて一気に読んでしまいました。まだ未読本が山済みなんですけどね。
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