2008年3月24日月曜日

NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術 / ドミニク・J. ミシーノ ジム デフェリス

NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術
NYPD No.1ネゴシエーター最強の交渉術ドミニク・J. ミシーノ ジム デフェリス Dominick J. Misino

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えーっとあれだ、買った記録として2006年1月…だから、かれこれ2年も昔の話ですが、今更取り上げます。
っていうか、私事の話で恐縮ですが、この間ある問題で、厄介な交渉を行う羽目になってしまいました。
その交渉に際して、この本に書かれていたことを思い出し、(ある程度とはいえ)守ったら、わりとすんなり話しがまとまって安堵しているので、その記憶が薄れないうちにこの本についてまとめておこうかと。

この本の要諦は…大体、以下の通りかな。
・最初の準備が肝心。
・交渉は一人であっても「交渉」「記録」「判断(指揮)」の役割(ロール)を分けること。
・「NO」という選択肢をキープすること。
・騙す、押し付けるのではなく、相手との間に信頼感を作ること。
・完璧を求めないこと。


で、自分のやったことの記録ですが、

・話をするにあたって数日間、ネットで目に付く限りの法令などの規則、慣例、社会的な問題点を調べたた上で、交渉にあたっての優先順位を決定しました。パターンの組み合わせを考えて、メリット・デメリットを頭に入れます。(最初の準備。パターンの組み合わせで交渉時に何かの判断が必要になったときにそのガイドとなりますから)
無論、向うが望んでいる要望というのは断片的な内容でもあるので、どこからどうしてその話が出てきたかも確認する必要があることもメモしておきました。

・最悪のケースも想定し、その場合だと法的に問題にならないことも確認。また、そういうケースになってしまった場合の発言などをシミュレートしておきました(NOという選択肢。車とかの購入物では断るためのフレーズみたいなものですね。たとえば奥さんが…とか家族と相談してみます・・・とか。気弱だな、と自覚している人はそういう時に慌てないためにも、ちゃんとシミュレートしましょう・・・たとえば怒鳴られたときとか、強気になられたときとか)。

・実際の話では、まず「詳しい話を改めて聞かせてください」と切り出して、向うが求めていることと、どうしてそんな風になったのかを聞きだしました。初耳の話が飛び出して、いろいろと釈然としないし納得できない部分もありますが、ツッコミは入れないように注意して聞くようにして…。

・「なるほど、・・・そういった事情ですね」ということで、相手の事情を理解したことを示しました。信頼関係を作り出すためでもありましたし、色々な条件を整理するためにも必要だったので。

・ま、頭の中では、上でかかれた役割(ロール)にしたがって頭の中で協議するわけです。

・相手はこう言っている。でもこちらは飲める点と飲めない点がある。では、飲めない点に関して交渉の余地がないか…ってなカンジで。

・まず怒らない。相手がそう言い出した背景を理解する。その上でこちらの都合や問題を一から説明しました。相手にこちらの事情もわかってもらうように気をつけて。

・この際、「No」といえるカードをもつだけで、心の中がすっきりとしたまま話をすることが出来るんだ。と理解しましたね。相手の反応をうかがう余裕すら出てくる。つまり、イニシアティブはこちらがキープしているわけですから、こういう余裕が出てくるわけです。


・そんなわけで、比較的すんなりと話はまとまりました。色々この後の展開を考えると頭がいたいことは続くのですが、ともかくこの交渉は乗り切りました(やれやれ)。

社会では色々な交渉が付きまといます。値段交渉、仕事の契約交渉、その他色々。肝心なことは事前準備と、優先順位、そして断る勇気を常に持つことです。イニシアティブに注意すること。頭の中ではさも当然のように理解しているような事柄ですが、一度上のような本を読んでおくと、「失敗したっ!」ってことは少なくなるんじゃないのかな、そう思います。
この件は自分のこれまでの交渉ネタを考えると、色々と正すべき点があったなと考えさせられましたね。

本そのものはソフトカバーなのですんなり読めます。話も筆者の体験談を交えて書かれているので、実際に自分がそうなった場合など想像すると結構面白いかもしれません。上手くいったとき、いかないときはどういうことを反芻して考えると、自分がやっていたこと、足りないことが見えてくるかもしれません。

というわけで、記録として。


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