キングダム/見えざる敵 | |
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あいにくと映画館では見れなかったのでDVDで視聴。
サウジの外国人居住区でのテロ事件が起きるがアメリカとサウジの微妙な関係のせいでFBIは派遣できない。FBI捜査官のフルーリーはマスコミを通じてサウジに圧力をかけ、5日間の捜査を勝ち取る。
フルーリーはスペシャリストたち三人を連れてサウジに赴くが、そこは異文化が交錯する場所だった。
彼らを監視するサウジ警察のチームとともに、事件現場へ行くのだが・・・。
CMで見たときは、なにそれ何でFBIでブラックホーク・ダウンばりの銃撃戦が?と思っていたけど、話を最後まで読むとああなるほど。という展開。銃撃戦映画なんてゆめゆめ思わず、バディ・ムービーであり、警察ものであり、そしてアメリカ映画がときとしてやっくれる暗喩な政治的アプローチを見せてくれる映画だと思ったほうがいいかも。
以前、「ザ・ホワイトハウス(westwing)」のTV放送にあわせて色々とエントリしていたときからも感じていたけれど、時にドラマなどアメリカのメディア作品の中でもサウジに対する屈折した付き合い方が垣間見えているが、この作品ではより直接的にそれが描かれていた。
冒頭数分で鮮やかにアメリカとサウジの関係について集約しているけれど、確かにサウジの今の体制はゆがんでいるが、アメリカとしてはその歪んだ政治体制であることが望ましい。
つまりはサウジ国内でも絶対王政下においてさまざまな富の偏在、貧困、宗教と政治の乖離による衝突が生じているが、それを今の王政が制御しきれているかぎり、アメリカにとってはリターンが生じる。
しかし、それによってビン・ラディンのような(資金の豊富な)テロリスト達を生み出している側面もある。
多数いる王族の中にテロリストへの資金提供があるかぎり、ボディブローのようにアメリカの今の体制を脅かしているのが現実なのだし。
対テロ戦略においてもっとも有効なのは協力組織がもたらす資金と後方策源地の遮断であるが、アメリカはアメリカ国内の事情においてこれを行えず、末端をつぶすしかない。という厄介な状態を描いている。
この作品、最後までみるとお気楽極楽映画なんて思えない皮肉たっぷりの展開で、残りの数分で一気にそれまでの感情を裏切ってくれるような結末も見せてくれるけれど、そういうビター・テイストを好みの人にはオススメだと思う。自分は好きでしたね。
※しかしサウジは金持ちだよなー。と英語版Wikipediaでサウジアラビア軍組織の項目を見て思う。
劇中にも、M1(A2?)、AH-64アパッチなどが出てくるけれど(アパッチに至っては、捜査チームの護衛のみというゴージャスな展開…)、小火器関係もまた玉石混合っていうか…。
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