自衛隊の
2ch軍事板で拾った話で、ニコ動に自衛隊お蔵入り兵器「てき弾銃」の映像が。
なんと、こんな妙なシロモノの映像があったなんて!
「幻のてき弾銃」 from 下総ミリタリースクエア
映像up主のblogでこの妙なシロモノの詳細な説明があります。
まぁ、手っ取り早くいうと70年代に開発が行われた歩兵携帯用対陣地/装甲車両用の66mmてき弾銃でした。てき弾・・・グレネードランチャーですね。当時の自衛隊の仮想敵であった相手に対して、その貧弱な対装甲車両火器を増やそうとしたのでしょう。
(前にも書きましたが自衛隊が戦力を充実化させるのは80年代になってからです)
当時の自衛隊の装備で歩兵が装備していた対装甲車両用火器は昔懐かしバズーカ。基本的にロケット弾ですから発射時にバックブラスト(後方爆風)が発生する。とはいえ隠匿された陣地から放つためにはバックブラストがないほうがいい。
そんなこんなもあって作られたのがこのシロモノ。
映像を見ていると、まるで英国のPIATか?といわんばかりにポンっと発射され、そのあとロケット点火されるんですが・・・これは駄目だろうなぁ(苦笑)。
反動が強いから照準がブレるだろうし、ロケットの点火が後だってことは、命中範囲もブレそうだし。
人間で反応を吸収するためには66mmが限界でしょうし、じゃあそもそも66mmで対戦車は難しいだろうし。色々な意味で問題が多そうです。ついでに開発経緯もトラブルがあったようで。
(同じ頃アメリカでM72ロケットランチャーがありましたからねぇ。今、アメリカ軍もM72ライクな歩兵携帯用使い捨てロケットランチャーが作っているんじゃなかったっけ?)
結局自衛隊はこの兵器をお蔵入りにすることを決定し、ドイツからカールグスタフを導入し、追加としてパンツァーファウスト3を導入するわけです。なんともはや...。
元々研究中だったシロモノを、なんの手違いか開発するように命じた内局もおかしい話ですが、コケるのも無理はないというか。80年代は陸上自衛隊の小火器関係はちょっとお寒い状況だったというのも確かにこれでは・・・という気もします。
この結果の反省からか、90年代から2000年代にかけて陸自は小火器の配備にあたって十分な研究期間を設けたあとでの開発に取り掛かるという形をとって、かなりのペースで小火器類を国産ベースにしていくます。今では陸上発射型の誘導弾関係は国産ですね。40mmグレネードランチャーまで国産ですし。空挺団向けの迫撃砲がフランス製だったかな。そんな様子になっています。
まぁ、失敗のないプロジェクトは存在しません。問題はその失敗をどのように今後に生かすかだと思います・・・。そんなわけで過去にもこういう話がありましたよ、という記録がてらのエントリでした。
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