2004年11月1日月曜日

復活の地 (3) 小川一水/早川書房

復活の地 (3)
復活の地 (3)
posted with amazlet at 04.11.01
小川 一水
早川書房 (2004/10)
売り上げランキング: 504
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 3.5
5 また一人好きな作家を見つけました。
2 破綻なしで・・・


あまりにタイムリーすぎる作品もこれにて完結。札幌のなにわ書房じゃ売り切れで正直焦りましたよ。
大地震に襲われた首都の復興、そしてそれが人為的なものであるということ、そして次にもういちど来るという話。
それに対応する人々の物語だったりするわけですが、組織論としてよりRMAのようなボトムアップでもトップダウンでもない緩やかなトップダウン+相互ネットワークで対応していく・・・というのが、そうそう上手くいくかなぁ。と言う気もしたりしますが。
しかし、作者は上手くなるなぁ。まだ淡白さが抜けきらないし、どうも性善説に寄り添っているところがある。それでも次に期待していい作家だし、佳作だと思います。はい。

セカイと世界の重さ。

唐突だけれど、今週は考えさせられてしまったことがあるので、その備忘録として。
BSアニメ夜話」を見ながら、エヴァ以降「世界の危機と(極端な話)自分の彼女の危機が同レベルに扱われている」というコメントを聞きながら、ああ、なるほどね。とか色々と納得していたり考えていたり。

松本作品の「ヤマト」とかが、どちらかといえば世界の危機にフューチャーしていた側面で、どちらかといえば愛だの何だのというのは終わり際に、失礼だけど、とってつけたような感じでしかなかったりしている。
ガンダムあたりからその傾向はあったかのように思うのだけれど、確かに90年代あたりから「世界の危機も大事だし、自分達のセカイ(日常、彼女とか仲間とか)も大事なんだ」という流れになり、とうとうあのエヴァあたりで「世界の危機なんか知ったことか、誰か僕をかまってよ!(もしくは僕にかまわないでよ!か)」ってな展開になっていくわけだったりするんだけど。

それはイメージ出来る世界の希薄さなのか、それとも別に理由があるかわからないけれど、自分が思うに、接続さの曖昧さ?のようなものなのかもしれない。自分が世界にコミットしていない/する気がない/することが出来ないと感じているのかもしれないなぁ。と思う。それが悪いとかいう問題ではないのだけれど。
あとはその反面として、あるコミュニティというかお約束で安住してしまうのもあるだろうなぁ。というのもある。

そういう閉じたセカイと開かれた世界は決して相反するものではないし、常に相対している。どちらかが一方であるわけではないのだと思うのだけれど、どうだろうか。例えばパッと思いつく中で書けば、「ハチクロ」では芸大のオキラクな生活が描かれているが、実のところ言って森田を除いて変化は訪れている。そしてその変化に置き去りになる講師達の悲哀も描かれている。
「湾岸ミッドナイト」は常に外の世界からの参入者を求めていて、アキオのセカイに取り込まれ、魅入られ、対峙して、そして(彼らにとっての世界へと)降りていく。降りていかないのは、ブラックバード(それでさえ終わりは提示された)とレイナとチューナー達だけだったりする。
「鋼練」だってそうだ。あの「全は一、一は全」のくだりは個人的にも納得してしまってうまいなぁと感心してしまった。世界はあまりにも広い。夜空に広がる数々の星の光は恒星の存在であり、恒星には惑星がめぐり、そして自分達のような存在がいるのかもしれない。だとすれば自分は恐ろしく僅少な存在だ(作中は自然との対比なんだけど、まぁSFオタらしくそういう解釈をさせてください)、だからといって自分が意味がない存在ではない。自分はここに在るのだ。そうやって鮮やかに世界と自分の存在を確立してしまうのは流石だねーと思う。
ついでに書くと、「GUNSLINGER」でもチラリと書いたけど、この作品、漫画や絵の技法としては稚拙なレベルかもしれないなぁと思うことがある(最近は良くなってきたとは思うけれど)。また安易な残虐シーンをインサートしているかもしれない。読めばあまりの救いの無さに気がつく。それでも少女たちは生きている。生々しい殺害シーン、銃撃シーン、そしてアンバランスなフラテッロとの関係。なまじ同人誌版の「GUNSLINGER」を読んだことがあるだけに、あんな展開になられては余計に救いがないとは思うけれど、ともかく、彼女たちは世界の犠牲者だけれど、世界とコミットし続ける。映画を見て、家庭菜園にせいを出し、贈られるテディベアを迷惑な表情しつつありがたく受け取る。正直、うまいなぁとは思う。面白いかどうかといわれると疑問だが、そういう面白さを求める作品ではない。

結局、日常は世界と続くのだ。と思う。どちらか一方だけの存在はありえない。
なんて結論が出たあたりで、書きっぱなしで留めてしまった作品の続きがなんとなく欠けそうな気がしたし、書けなかった理由もわかったりした。そんな一週間でした。はい。ちょっとした独り言で申し訳ない。

GUNSLINGER GIRL4 相田 裕/メディアワークス

GUNSLINGER GIRL 4 (4)
GUNSLINGER GIRL 4 (4)
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相田 裕
メディアワークス (2004/10/27)
売り上げランキング: 4
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 4.75
5 充実の読みごたえ!
4 懐かしい記憶、忘れたい事実… あふれる涙が過去を語る。
5 文学作品のような味わい…イイです!


正直、救いの無さは天下一品の作品だったりする。登場人物の少女たちは、記憶の大半を失い、半ばドラックによる条件付けを施され、身体の一部を機械化されており、政府の特殊機関組織として時にカウンターテロや組織防衛などのために殺人などに使われる。それでもこの作品が面白さというより、読み応えがあるのは、その不幸さの中にある一縷の幸せであったりするわけだ。
今回の後半では、その少女たちの中でも割に大人びた性格とポジションであるトリエラに焦点があたっている。前巻でテロリストにまんまとしてやられた彼女は、色々と思い悩む。その一方で、彼女の出自が語られる。なるほど、兄弟(フラテッロ)という名目で彼女たちのサポートに回る相棒であるヒルシャーとの意外なつながりはハードであり、ヒルシャーの言葉に出来ぬ思いが着実に伝わるものがある。
軍の訓練組織で新たに鍛えなおされるトリエラとヒルシャーが再びテロリストに相対することがあるかはわからないが、ある一つの再生はここで果たされているわけだ、と思う。良作でした。

2004年10月30日土曜日

人生は歯磨き粉の入ったチューヴのようなものだ。

とか何とか言ったイタリアの映画があったような・・・。
ともかく、イタリア人です。
ミリオタからすれば、
「一歩前進、二歩後退」
「イタリア人の勇気は組織の大きさに反比例する」
「日本の水交社(海軍軍人の寄合所みたいなもんです)にイタリア海軍士官が来るとナイフやフォーク、その他もろもろ物がよくなくなるので、その日はかならず質が悪いものを置いた」
「WW2のアフリカ戦線で大量の水を要求したが、それはパスタを煮るためだった」
「何気にWW1、WW2ともに戦勝国っていうのがなんというかアレだ」
いかなんとか、トホホとかヘタレの代名詞(いや、個人では勇敢な人はいるんですが)だったりするのですが、
イタリア人の作る車はメカニカルな点では、「おいおい」といわれそうですが、時々尖がったり、下駄代わりの車を作らせると一品だったりします。代名詞はフェラーリであったりしますが、下駄がわりと言えばフィアット500でしょう。
自分はフィアット500やパンダ、アウトビアンキA112やY10などイタリアの小型車大好き!なので、語ろうと思えばあれこれと語ってしまいそうですが、本題はそこではなくて。

「フィアット500保護法案」がイタリアが可決しそうな勢いだそうで。つまり、新車から25年以上が経過した排気量1l以下の車は自動車税の免除および車検を2年から4年に、市内中心部の自動車乗り入れ禁止区域の乗り入れ許可つー、なんというか旧車ファンにはたまらない法案が提出されて、審議されているとのこと。大体、ターゲットはもうフィアット500系列しかないだろう。という法案なのだから。案の定「フィアット500(チンクェチェント)保護法案」という呼び名で呼ばれているらしい。

ちょっと複雑ではあるが、フィアット500だからって色々問題があって、例えば排気ガス規制の問題だってある(一応排気量が排気量で問題にならないけど、排気ガス問題はあるので)。

だけれど、イタリア人のこういう妙なところで発揮する人生に対する余裕みたいなものは大好きだ。

新車じゃなくたって、古い車だっていいものはいい。フィアット500は生憎と乗ったことはないが、A112、Y10はある。
今にして思えば貧乏アルバイトのころ、A112、Y10共に買うチャンスはあったが、逃してしまった。買ったところで維持できないと思っていてのことだ。
新車が買えるぐらいの経済的余力が出てきたら、さすがに前述の車でいいコンディションのものは値が高く、旧型パンダはワンメイク・レースのために質のいいやつが払底していて、結局、気に入った日本車へと転がってしまった。あの頃買っていれば金で苦労を買ったような羽目になってしまったとは今でも思うが、きっと楽しかったに違いない。いや、辛い思い出もいつかは楽しさに書き直されていくようなものかもしれないけれど。
その新車もこの間の事故で全損、廃車扱いになってしまった。冬を前にして、同じ型の色違いがやってくる。そして、いつかもう一度イタリアの小型車を買おう。そう心に決めている。

冒頭の言葉、実は後に続く言葉があるのだ。
「人生は歯磨き粉の入ったチューヴのようなものだ。搾り出さなきゃ、意味がない」かくありたいですな(w


(追記)と思ったら昼食時、買い物に行ったスーパーの駐車場でラブリーなチンクェチェントを発見。いいなぁ、今でも買えるよな、きっと。

2004年10月29日金曜日

ある意味それは。[時事ネタ]

強制でないことが望ましい 陛下、園遊会で異例の発言
以前棋聖で、今は学校での日の丸掲揚、君が代の唱歌を進めている東京都教育委員会の米長邦雄氏が、「日本中の学校に国旗を揚げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」ってなことを言ったら天皇陛下があっさりと「強制になるということでないことが望ましいですね」とのご発言。
あらら。いやー、双方ともこりゃ色々興味深い発言です。

個人としては別に強制でもかまわないとは思っているし、それにどう応じるかは教師がぶつぶつ言う問題ではないし、もっと言うなら、こういうときこそ「本音と建前」ってことを教えておけよ、という気もする。つまり、卒業式や特別なイベントでは国旗の掲揚や国歌斉唱は特段目くじらを立てるべき問題ではないとは思っている。
さらりとこなせばいいのにね。そういうことが求められたとき、立つ立たないの判断は大人になってから自己の責任でやりましょうね、というのが自分の立場です。内心反対でも立つときはあるでしょうし、心に従って立たないこともあるでしょう(なんか言葉がアレだな)、それはその時にどういう判断を下すか、その能力を身につければいいので、脊髄反射的に「国歌、国旗反対」を教え込みたい教師がいるとすれば、そりゃ単なる押し付けですから。

とは言っても、日本国内において国旗国歌が繊細な問題になってしまっているのも事実で、以前サッカー日本代表の中田がこの手の発言をして、厄介な問題になってしまったのを思い出すが、天皇陛下自らそういう発言しちゃうっていうのは、ある意味度胸があるし、政治的発言とも受け止められかねないこの問題が地震と人質事件ですんなりスルーされちゃっているつーのもなんかそれはそれで問題のような希ガス。

2004年10月28日木曜日

メモ的リンク。

突発的メモ的リンク。これだからサイトめぐりはやめられない。乞食blog...年収三万円でもblogerかよ!? 

いや、たぶん、設置しているblogのサイトはランキングで賞金が出るようだから、それで食いつないでいるのか。
それにしちゃあ、デジカメもあるし、パソコンも持っているのかもしれない。店頭更新かもしれないなぁ。

しかし、そんなこんなでホームレスっていうのも・・・解せない。何かが間違っているような気もする。釣りなのだろうか? ともかく、なんだかよくわからないけれど、これも一つの世界か。

どれどれ…まじめな10冊、その前半

昼休みに本屋に行くと、なんだか見慣れないポップが。

良く見ると札幌書店組合による、「中学生はこれを読め500選」というわけで、「キノの旅」とかに手製の帯がかかっている・・・むむむ?

早速その500選のリストを見てみるが・・・、これはなんつーか、その・・・大丈夫か? いきなり500は無いだろう。
せめてもっと数を絞ってピンポイントにすべきだ。もしくは選者を絞っておくほうがいい。
リストをザッとみたが、自分が読んだのって15冊もないなぁ、えらく偏ってるぞ、考えてみると(でもキノの旅はリストには無いんだが・・・)。

自分自身、正直なことを書くと中学生まではあまり本を読むことはなかった。どちらかと言えばマンガ好きだったし、白土三平のカムイ外伝を子供時分に読んで、あまりの暗さにしばらく時代劇ものにアレルギーを持ってしまったこととか、そんなぐらいだったのだ。ようやく中学生の後半になって朝日ソノラマに手を出したあたりで、笹本先生の「妖精作戦」(Amazon、bk1で確認したら絶版かよ・・・)のあまりの奇想天外さと"終わらない学園祭準備"にも似たあの雰囲気を楽しみ、あのビターテイストのエンディングに打ちのめされていたっけ。

ともかく、教育的雰囲気がぷんぷんしてお勧めしかねる作品もある(同時に「そうこなくっちゃ!」という作品もあることはあったのだが)。よし、決めた。自分が中学生の自分に勧めるための本を選ぼう。とびっきりの趣味に傾いた本を、だ。現時点で10冊を選んだら、何を選ぶか、というのもある。近年に出版された本で入手しやすく、なおかつ固めの本を選んでみよう。とりあえず、まじめな10冊、その前半として。


1.「エンデュアランス号漂流」アルフレッド・ランシング著
エンデュアランス号漂流
アルフレッド ランシング Alfred Lansing 山本 光伸
新潮社 (2001/06)
売り上げランキング: 21,647
通常2~3日以内に発送
おすすめ度の平均: 4.86
5 本当に感動します。
5 ぜひ、読んでください。
5 すごすぎる。。。


とびっきりのノンフィクションで、なおかつ冒険であり、苦難と苦闘の物語。いつぞやBSでドラマが放送されていたが、文章だって捨てがたい。真夏に冷たい気分に陥らせてくれるが、いかなる苦難もリーダーとチームの不屈の意思で乗り越えることが可能であることを示した良作。ついでに言うなら南極遠征の隊員募集の文章は冒険心をあおってくれる。

2.「アポロ13」ジム・ラベル著
アポロ13
アポロ13
posted with amazlet at 04.10.27
ジム・ラベル ジェフリー・クルーガー 河合 裕
新潮社 (1995/06)
売り上げランキング: 99,938
在庫切れ
おすすめ度の平均: 4.25
4 映画のストーリーはどうしても薄くなります。
5 映画と原作
4 映画とは比較にならない

こちらもノンフィクション。偉大なる失敗の中で、地上と宇宙でのスタッフ達の苦闘が垣間見れる。実はこれもトム・ハンクスの映画のほうがいいような気もするのだが(今でもたまに見てしまう)、あえて本にしよう。

3.「ローマ人の物語」塩野 七生著
ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)    新潮文庫
塩野 七生
新潮社 (2002/05)
売り上げランキング: 3,542
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 4.52
3 フォロロマーノ観光が楽しくなる!
4 ようやく文庫化
4 格調高いのに面白い

ともかくこれははずせまい。読み物としても面白い。

4.「海上護衛戦」 大井 篤著
海上護衛戦
海上護衛戦
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大井 篤
学習研究社 (2001/02)
売り上げランキング: 3,784
通常24時間以内に発送
おすすめ度の平均: 4.6
4 日本人は海外での戦争ができない
4 素人は戦略を語り、玄人は兵站を語ると
5 日本がなぜ負けたのかよくわかった

こちらも同様。夏には必ず読む。そして、大和特攻のくだりで怒りに打ち震えるもよし、呆れるもよし。

5.「フェルマーの最終定理」 サイモン・シン著
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
サイモン シン Simon Singh 青木 薫
新潮社 (2000/01)
売り上げランキング: 3,534
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おすすめ度の平均: 4.89
5 読み始めたら止まらない
5 数学を超える面白さ
5 これ以上は考えられない最高の数学史書

大体これが500選に漏れているっていうのが何だ。「栄光無き天才たち」でガロアを知ったあたりだった中学生としては、これを読めば面白さは倍増するはずだ。

というわけで、今回はAmazletを使って本を紹介してみました。bk1が紹介されないのでちょっとつらいんですが(それまでは、自作のツールだったんですけどね)、どうでしょうか。明日あたり、残り5冊を。そして趣味編10冊を紹介していこうかと(w