2004年9月30日木曜日

オーバーストアってさ。

オーバースキルだと、ちょっと古いけれどキングゲイナーなんですが・・・。
えーと、今回の話はきわめて札幌ローカルな話ですので、わからない方置き去り御免という話です。

ここ最近、札幌は大型書店の出店ラッシュで、郊外の美しが丘(名前は綺麗だが、札幌の果ての果て)にできた「コーチャンフォー」がその先鞭で、北海道最大のフロア面積を誇っていたのだけれど、JR札幌駅のステラプレイス開業に伴い狸小路からは旭屋書房が奪還(あ、小樽ベイの喜久屋書店もあるが・・・微妙なんだよなぁ)という流れになってきています。
窮地に立たされたのは、駅前の立地でそれまで有利だったはずの西武にある紀伊国屋。
札幌市内に散らばっているのが災いして、旭屋のほうが集客が高くなっているらしい。そのため、昔からのテナントである大通り地上店を閉鎖して、札幌の人の流れの集中ポイントとなったJR札幌駅前、大丸の向いに道内最大規模の紀伊国屋とするらしい(つまり、西武の紀伊国屋と大通り紀伊国屋地上店が集約される)。
一方、先鞭をつけた形の「コーチャンフォー」は、札幌の豊平川沿い、ミュンヘン大橋のたもとに新規店舗を出店・・・という形になっているが、車がない事情では美しが丘店に比べるとどうかは検討がつかないのですが。

数日前、このことを伝えた北海道新聞では「ここ最近の本屋の出店は明らかにオーバーストア(過剰出店)。淘汰の時代が始まるでしょう」のような、この新聞らしいお気楽かついつもの他人様論調だったが、そうではなくて、淘汰の時代が終わって棲み分けが始まったのだと思う。従来まで札幌の本屋は郊外型書店が多かったものの、ビブロスの撤退以後、本の岩本は文教堂に経営譲渡した。ダイヤ書房はツタヤにレンタル事業を委譲したようで、もはや遠めで見ているとツタヤではないかと思う店構えになってしまった。
素人目に考えれば、郊外型書店であっても本を置くスペースは限られており、どうしてもベストセラー優位の立場になってしまう。そのために、郊外型書店のメリットであった規模の大きさでも対応が取れなくなってきた(郊外型書店の常であるレンタルビデオ、CDだけでも必要とする面積は大きいので)のが一因だと思う。郊外型書店のメリットだった駐車場+大きなフロア面積は、その規模でも足りないのが現状で、美しが丘の「コーチャンフォー」のようなバカげたような規模でようやくベストセラー+ニッチな分野の書籍をケアできるというのが実情なのだろう(コーチャンフォーがレンタルビデオに手を出していないのもひとつの正解で、撤退して郊外型書店のあとには新古書店、もしくはゲオのような新古書店+レンタルビデオが出店していることもあって、割り切ったのだろうか)。

ベストセラーがほしければ、正直なところどこでも手に入る。肝心なことは、ニッチな分野の書籍をどれだけ集めるか。という形なのだ。集客する上でベストセラーは必要で、まるで撒き餌のように入り口には必要だろうが、本を購入する購買層は実際のところ、それ以外の本を求める人たちである場合のほうが多いのではないだろうか。
そういった意味で、本屋が巨艦化し、JR札幌駅界隈に集結するのもあながち悪い話ではない。駐車場だって札幌駅周辺の駐車場は豊富であるのもあるせいだろうか。

また、特化した小規模本屋もその存在価値が高まるだろうと思う。
例えばそれはヴィレッジ・ヴァンガードに代表される本屋であり、札幌市民でかつオタク属性であれば一度はここまでアレやナニな本を探しに来たに違いないリーブルなにわ/なにわ書房とか、広義の意味で考えれば同人系本屋もこれに当てはまる(例えば虎の穴とかが、大型書店の去った市内中心部、大通り-狸小路界隈に出店しているのは、なんともらしいというか。この最近の狸小路の雰囲気に関しては近いうちに書きたい)と思う。
個人的な感情では、こういう小規模で尖がった本屋は大好きなのだが、旭屋の漠然と大きい本屋もそれはそれで必要なのだ。ほしいと思ったときに手に入るのはありがたい。9時までやっているのもいい。

・・・・・・個人的には本屋の話ばかりだったが、もうひとつ期待していることもある。それは西武loftの紀伊国屋が無くなったあと、無印良品が拡張した、MUJICafeなどが出てきてくれないかと思っている。大谷地からは撤退しちゃったからなぁ。札幌の無印はあちこちに散らばっているので、西武Loftに集約してくれないだろうか。

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