2006年2月5日日曜日

オリバー・ツイスト

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時は19世紀のロンドン。孤児であるオリバー・ツイストは休貧院で育てられるがある日、空腹に耐えかねた子供たちを代表して「おかわり」と言ってしまったばっかりにすったもんだの上、放り出されるはめに。放り出された先の仕打ちに耐えかねて、七日かけてロンドンへたどり着き、ある少年と出会う。その少年は・・・。

ディケンズである。19世紀の倫敦(ロンドン)である。あの陰鬱とした石炭の煙に満ちた虚飾と貧困の時代。あの時代は実に興味深い。シャーロック・ホームズ(英国版ドラマ)であの時代の雰囲気にハマり、「切り裂きジャック」事件を興味深く読で、スチーム・パンクも好きで、あの頃の倫敦の生活史まで読んだことのある自分としては、「エマ」の、あの、いくら上流階級じゃない中流の、元家庭教師(ガヴァネス)のオール・ワークスなメイドでも、そりゃ恵まれているだろう、といいたくなる暮らしが倫敦ではあったという事実を知っているので、オリバーが暮らした街の光景の鮮やかさに感嘆しながら物語に堪能してしまった。
��別サイトで書きかけではあるが妙なものも書いているぐらいなので)

ストーリー自体は古典ともいえるディケンズの小説なので、話の筋ぐらいは知っているかもしれない。なので説明はバッサリはしょる。多分に感動的とか、刺激的とか、手に汗握る。という類の話ではないので、そういうものを期待してはいけない。しかし、映画館で見るとこれは複雑な話だなぁと自らを振り返っておもってしまうのだ。

オリバーを世話をするフェイギンの最後のくだりはあまりにも隠喩に満ちている。ディケンズらしい、と言えばそうなのだが。しかし自分が読んだのは何時のころだったか、はて・・・。

ともかく、DVDで見るよりは映画館でじっくりと味わってみたほうがいい。出来れば一人で。面白さとは対極にある映画だが、見る価値はあると思う。

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