2008年8月23日土曜日

100年の絶望

「だれも地獄の縁に生きるアフリカの人々を本気で救おうとしていない」というタイトルを見て凹む from 「物語三昧~できればより深く物語を楽しむために」

ペトロニウスさんのblogから。最近、「カラシニコフ」を読了したので雑記として書いてみる。

アフリカの問題はもう色々あって、wikipediaの「失敗国家」(崩壊国家)ではこういう定義があるといいます。

失敗国家を見分ける2つの簡単な基準として、「警察官や兵士の給料をきちんと払えていない国」と「教師の給料をきちんと払っていない国」を挙げている。


まったくもって、失敗国家の定番という基準ですね。アジアではミャンマーが片足突っ込んでいるような状態だと思いますが。

ちなみに「モガディシュの戦闘」(ブラックホークダウン)で有名になってしまったソマリアはここ数年ベスト3入りの常連国家です。もう、海賊は出るわ散々な地域になってしまいました。つい数日前にも日本船籍の船が海賊にあったのですが、あまり大きな報道にはなってないようです。

ただ、皮肉なことに元々ソマリアに属している北西部のソマリランドは安定しています。部族の長老たちによる影響が強いのでしょう。ただ、ソマリアからの独立は認められておらず経済的に困窮しているのも事実です。
国の内情は「カラシニコフ」で詳しく述べられています。

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どうすればいいのやら。とは思いますが、アフリカの惨状を見るにつれ、決定的な悪は存在しないんですよね。すべてが等しく悪い目が出続けた結果だとかいいようがありません。

植民地時代に単に列強各国の思惑のもと地図上にラインを書いたような地域国家である以上、国家を形づくる国民意識が育つには時間もかかるでしょう。そのためには適切な教育が必要でしょうし。国民たちだけで社会資本を維持できるだけの経済能力だって必要でしょう。

ところが、そういうことが育つ前にラインを引いた国家は植民地支配から手を引いてしまい残ったのは形ばかりの国だけ。安易に独立などしなければまだ救いがあったとは思いますが、あの当時は冷戦構造やらなにやら複雑に絡み合っていましたからね・・・。

そうこうしているうちに、軍に給料を払えなくなり、その地に地下資源があるかないかなどでお決まりのクーデター騒ぎが起きて・・・あとは失敗国家への道をまっしぐら、という形ですよね。

日本ではあまり大きくとりあげられていませんが、ジェノサイド、極端なインフレによる社会不安、麻薬汚染、HIVの蔓延。人類の問題点が集約されているような暗黒の場所となってしまっている。まだ欧州の経済圏に近い北アフリカは救いがありますが・・・。

国家を形成する国民意識・・・なんというか曖昧な言い分ですが、それは家族→集落→部族という一連の流れであり、その地に住む人々を束ねることが出来る何かが形成されているか。という点かもしれませんね。
ただ、国民意識のベースとなる部族、あいるは民族というベースは諸刃の刃で、これを安直に認めると民族紛争の火種にもなるのですが。

ソマリアのDDR(武装解除・動員解除・社会復帰)は上手く行ってないのですが、独立未承認のソマリランドは上手く成功している。それは彼らの国民意識のベースとなる部族の長老たちの連携によるところが大きいでしょう。
ただ、経済的困窮が続けば以後はどうなることか・・・。

ペトロニウスさんが100年はどうしようもない。というのわかるんですよね。経済的なパイがないからこれ以上の発展は難しい。今の経済圏に組み込めるだけの力もないし、市場にも足りえない。
経済的に自立が出来ないから、軍兵士と教師に対する給料が出ない。あとは泥沼のクーデター騒ぎと治安崩壊という失敗国家への道筋が出来上がってしまう。

先進国が援助をしたところで金銭面だけにとどまるし、そういう利権にあさるNGOに流れ込んでいく。NGOはスポンサー筋に短期的なスパンでの成果を見せなければならないから、いきおい継続的な援助には足りえない。そこらへんの事情は名書である「武装解除」に詳しいですね。

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どうすればいい?
誰にも正解はないでしょう。少なくとも現状上手く行っている国家を腐敗させないよう経済ブロックの中に緩やかに組み込めるか。
ソマリランドが成功した一因は、要所に港をもっているからだとは思いますが、そうでない、経済も発達できない場所が果たして国として成立すべきなのか・・・。色々複雑な思いが交錯しますね。

というわけで結論もないけれど「カラシニコフ」を読んだ記録の続きとして。

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