2007年7月29日日曜日

零戦撃墜王―空戦八年の記録 / 岩本 徹三

零戦撃墜王―空戦八年の記録 (光人社NF文庫)
零戦撃墜王―空戦八年の記録 (光人社NF文庫)岩本 徹三

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自己申告ながらも、戦時中200機撃墜のトップエース、岩本徹三の著書。本人は戦後、GHQによる公職追放で空を取り上げられ、失意のなか職を転々とし酒に溺れて暮らしていたことがwikipediaに書かれている。
不幸な晩年といえば、同じくトップエースの一人だった赤松貞明氏もそうだったなあ。
戦争の中にすべてを注ぎ込んだがゆえか、平穏の時代に彼らの居場所はなかったのかもしれない。無論、有名な人たちの背後には無数のそうであった人々もまたいるのだし。

ともかく、あしかけ八年にわたる戦闘機パイロットとして、広大だった戦域を文字通り北はアリューシャン、真珠湾、東南アジア方面、ラバウル、沖縄と、戦い続け、生き残ったただ一人のパイロットの自書伝として、その緻密な筆はなるほどさすがに戦争中期に教育隊勤務するものの、長く前線にいて前線指揮官としてもよく部下を統率して戦い続けた人らしい丹精な記述だと思う。

しかし、読めば読むほど硬直した日本海軍のパイロット人事も伺い知れるなぁ。ドイツ空軍のように下士官だろうが実力主義で抜擢しないと、戦場での部隊指揮はおぼつかない。(文中、これを糾弾する箇所が幾度も出てくる)
、また、パイロットの育成と保護にも問題がある。熟練パイロットを引き抜いて内地で育成にあてるものだから、現地では戦力低下が発生する。かといって、現地でい続けると今度は疲労がたまっていく。

ここらへん、戦争末期で「芙蓉部隊」がやれていたような後方にも根拠地を置いて、パイロットの休養+若年パイロットの訓練などが出来ていればよかったのだけれど、この手の途中でのドラステックなシステム変更っていうのは軍などの官僚組織ではなかなかできないものですからね(芙蓉部隊は、その存在が奇妙な・・・敗戦間際にありがちな組織的な奇跡のようなものですから)。

というわけで、戦記ものを読んでいたこの週末でした。あと、

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も読了。上の二つもよかったですよ。まぁ、戦記ものなので読み物として、ですが。

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