虐殺器官 | |
伊藤 計劃 早川書房 2007-06 売り上げランキング : 985 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
9.11後の近未来。ありとあらゆるモノ(人までも)IDタグが埋め込まれ、先進国では監視つきという枠内での自由を確立したものの、それ以外の国ではジェノサイドが頻発していた。アメリカ軍特殊部隊の主人公は、そのジェノサイドの首謀者たちを暗殺する任務についてきたが、ある人物の影がちらつく。果たして、その人物は?
というわけで、ようやく読了。読み始めたら早かったなぁ。面白かった。
多分、軍オタ気質のある人ならたまらない、士郎正宗的近未来特殊部隊、進化論などへの言及、テクノロジーと政治、そして現代社会に対する関係性などなど、もうこれでもかと、ありあとあらゆる事象について「逃げていない」。少年兵問題についてもしかり、民間軍事企業の問題についても、IDタグによりユキピタス社会がもたらすある種の問題など。そのどれもについてしっかりとした考察と言及がある。
で、最後。古典的SFの落とし処といわれれば確かにそうだろう。自分もあれ? そうくるのか。とは思ったけれど、逆に地に足がついている分、そういう落としどころ以外には見つからなかったのだろう。
そういう終わり方もアリだ。
作者の次の作品も是非読みたいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿