2005年1月19日水曜日

ザ・ホワイトハウス「一触即発」

前週はちょっとスルーしてしまいましたが、今週改めて。今回はホワイトハウスの1stなどを思わせる密室での理想、
そして現実の世界の対比、インサートされる登場人物達の葛藤とがうまく混ざり合っていい話でした。

まず、「ザ・ホワイトハウス」は上手いなぁと思うのは、今回のサード・シリーズの本国での放送時期を踏まえると、
アジアのホットスポットをよく取り上げているな、と思いますね。前回も北朝鮮海域、今回は大統領の台詞だけですがカシミール方面、
そして今回のメインとなる台湾海峡ですが。


あまり知らない人もいますので、
簡単にいうと中国において共産党と闘争を繰り広げていた国民党が台湾に移動した形で国として成立したのが、
今の台湾です(正式な国名は台湾/もしくは中華民国です)。また以外に知られていないのですが台湾の実効支配が及ぶ場所が、台湾海峡・・・・
��・というより中国沿岸部にあるのです。それが"http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/china/dachen.html">
金門島
です。作中、サム・シーボーンが大統領に金門島に・・・といっているのがこの場所、ほとんど中国領目の前ですね。


さて、ではどうしてここがホットスポット足りえるのか。といわれると理由は二つあります。

一つは作中でも中国大使が国家安全保障担当のナンシーに噛み付いていましたが、中国は原則として台湾を認めていないことが主たる原因です。
また、二つ目は万が一武力衝突が発生すると思われる場合、舞台となるであろう台湾海峡がシーレーンの要衝なのです。海なのに、
どうしてシーレーン(道)というのか。具体的には狭隘な海峡を通るしかない場所であることなとが条件で、封鎖しやすい/守りやすい場所、
というのがシーレーン(軍事用語ではSLOC・・・海上交通路と言います)防衛の要となるためです。
どうも日本ではイメージが沸きにくいところですが、日本は海洋国家(かつ無資源)のために原材料(とは限りませんが)を諸外国から輸入し、
加工し、貿易品を諸外国に売りさばくために、海上輸送というもっともコストがかからない大量輸送を行うことが必要ですので、
このようなシーレーンに関しては注目せざるを得ない。というのがあります。ここを封鎖されると日本にとっては死活問題となりますので。
あまり触れられませんが、北京五輪後の中国と台湾の軍事バランスの逆転することもあり、
国内の不平不満を逸らすためと威信掲揚を主眼として台湾併合など中国が求め・・・という予測もあります。

また今回の話のモデルとなったクリントン政権時代の出来事に関しては"http://www.panda.hello-net.info/keyword/ta/kaikyoukiki.htm">こちらに詳しいです。




さて、軍オタらしくちょっとしたメモを。作中、ミサイル発射実験を行うとされていたパトリオットは実際に台湾に配備されています。
対空ミサイルで、PAC3と呼ばれる弾道弾対処機能を付与したモデルとのことです。また、
シチュエーションルームで話が行われていた二隻の空母グループは、それぞれ通常動力型空母<インデペンデンス>、
原子力空母<カール・ヴィンソン>をそれぞれ中心にした空母グループですが、作中の2002年当時、
既に<インデペンデンス>は退役し、<キティー・ホーク>が極東に配備されていたはず・・・まぁ、
どうでもいいことですが。ちなみに<インデペンデンス>、現物を拝んだことがあります(w が、大きかったですよー。
格納庫も広かったっす。また、
ラストにちらりと触れたイージス艦については艦隊防空や弾道弾対応が可能のために軍事バランスを覆しかねないと中国がゴネるのも無理はありません。


さて、話を元に戻して、今日はなんですね、チャーリーの底意地の悪さが垣間見えてよかったというかなんというか。教訓、いい大人が
「ケツの穴が小さい」って言ってはいけません、C.J.。いや、敵に回すと恐ろしいな、チャーリー・・・。



1 件のコメント:

  1. こんにちは。
    お恥ずかしいのですが、今回の台湾のプロットにモデルとなる出来事があったことすら知りませんでした(汗)。勉強になります。ありがとうございます。

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