Landreaall 11 (11) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) (IDコミックス ZERO-SUMコミックス) | |
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母国ウルファネアに戻ったリドを追うDX達。そこで彼は、命の危機に晒されているリドと五十四と出会う。後継者問題に巻き込まれているリドの家族の複雑さと不器用さと知るDX。しかしそれでも彼はリドを手助けし、救い出して、アカデミーの庇護下へ戻さねばならない。
一方、これまたリドに対して複雑な思いを抱くリドの兄が、竜脈に囚われて衰弱死するリドを、いっそ楽にしようと剣を向けようとしたとき、六甲が、そしてDXが立ちふさがるが…。
リド兄に対峙したDXが最後にとった手段とは? そしてそれはDXにどんな影響を及ぼすのか。
…いやね、もうどこからどう語ればいいのやら。話としてはあまり進んでいないんですよ。おそらく1日分ぐらいの話かな。だけど、その一日には恐ろしく濃密な話が凝縮されている。DXの考え、アンの立場、リドの家族が抱えた問題。
メインであるリドの後継者問題とひいてはその家族の問題については、表層的にはうまくいっているように見えて皮一枚を除けば問題があり、さらにその問題を除けば不器用な人達の不器用な愛情が垣間見える。けれどDXはそういういったものを見ながら、DXなりの方法で本質へと切り込んでいく。
大体、リドの問題は11巻が出るまでにもう一度読み直していると(今年で何回目だよ・・・)、学園篇に入った4巻でもはや伏線が張られているのがわかる。もちろんDXについてもそう。4巻、5巻で巻かれた伏線の種が、このリドの故郷話で集約されていく。この巻の最後間際、そこでその話を持ち出すのか!?と吃驚したんですけどね。
そんなわけで巧みなストーリーテリングの妙を楽しむのもいいでしょう。このウルファネア篇でも様々な伏線の種がまかれている。いずれ、この伏線を回収していくのだろうし。
このランドリオールという物語は、物語の中で様々な問題がまるで波紋のように絡み合い、そしてその中でも登場人物たちの変化が伺える。
��Xはさすがに素晴らしい王の資質をもっているけれど(自分には無頓着で、周囲の人々には気を使う)、未だに世間知らずの側面があるというかどこか抜けている点がある。自分に無頓着なせいで、周囲から…特に護衛の六甲にはかなり心配されている始末(母親曰く、信頼を失ったというのはこのあたり)。
リドも、思慮深さの反面には周囲の顔を伺うことばかりだったのが、この数巻の出来事で変化が訪れる。皆、大きな物語の変化の中で個々の登場人物の物語も変化していくのだ。それはDXを取り巻くすべての人々にとってもそうだ。
単なる脳筋ではなく、萌え一辺倒でもなく、アクションもあり、恋愛もあり、学園ものでもあり、ビルドゥングスであり、そしてまだ語られない宮廷劇もあるだろう一級のファンタジーコミックをまだ読んでいないってのはそりゃ損ってもんですよ。本当に。
��(追記)
いままで自分がとりあげたLandreaallのリンクを。お時間があったら読んでみてください。
「Landreaall」紹介文(8巻発売直前のもの)
「Landreall」10巻
「Landreall」9巻
「Landreall」8巻
「Landreall」7巻
「Landreall」6巻
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