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見方は色々あるのだが、イラクに派遣された陸上自衛隊の指揮官たちのインタビュー記録を中心に作られた本。
第一次派遣の時にも出たのだが、それを受けて、二次から十次まで、各派遣部隊の指揮官たちに話を聞きながら纏めるというスタイル。まぁ、色々見方もあるのだが、個人的に目についた項目を。一応、本の内容をどこまで信用するか、という疑問はあるのだが。
・以前、NHKの特番で自衛隊がサマワ派遣にあたって、旧軍の大陸での情報収集記録まで引っ張りだして検討しているシーンが報道されたが、その成果が出たのか、それともイラク人気質と日本人が旨く
かみ合ったのか、自衛隊派遣部隊の面々もアレコレと手を尽くして、ヒューミント(諜報活動)や宣撫活動が上手くいったようだ。こりゃ吃驚。
・結局のところサマワの駐屯地の防御について、戦国時代の城郭技術まで参考にした・・・という記述がある。最後の派遣部隊に至っては、巧妙に作られた抜け道まで準備していて、それを使って最後の撤収が行われたというのだがら、いやはや。
諜報、宣撫、築城技術と、海外に派兵するということは今まで自衛隊には縁遠い思考が求められるのだが、とりあえず最初の段階はクリアできた模様ではある。これからちゃんとできたこと、できなかったことの精査を行い、次の機会(そうそう無いことを祈るが)に役立てるよう祈っている。何はともかく、十次にわたる派遣で一人も犠牲者を出すことなく(自衛隊にも、イラク国民にも)終わったことは誇れる結末ではあるのだから。
それはそうと、まともにこの本の内容を受け取ってしまうと、某国内航空会社に対してナショナル・フラッグ・カンパニーの看板下ろせよ・・・と言いたくはなるなー。まったく。
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