2006年11月10日金曜日

アート・オブ・プロジェクトマネジメント (そのニ) / Scott Berkun

前回のエントリから、二回目です。
「アート・オブ・プロジェクトマネジメント」(以後、TAoPMと書きますか・・・)を読んで、章単位に感想とかを書いていこう。という企画なわけですが、早速続きを。

第四章「優れたビジョンを記述する」
プロジェクトにはゴールがあって、それは何らかの結果です。しかし、ソフトウェアの場合ですと「××というアプリケーションの完成」というのはゴールであってゴールではありません。何かを目標とした結果の形。でしかありません。この章では、そういうプロジェクトについての様々なドキュメントについて触れられています。
ビジョンが明確なドキュメントを作ると、必然と目標が定まり、スケジュールも決まると筆者は書いていきます。これは当然で、例えば期日があって、それまでにビジョンが明らかなソフトを作ることが決まっていれば、逆算してこれはここまでに・・・と続いていきます。大体、炎上しかけるプロジェクトは、(自分の経験でも、他所の様子をみても)ビジョンが曖昧なまま進んで、目標と期日を守れなくてしわ寄せがあちこちにいく・・・というケースなわけですから。
この章でも筆者が列記しているリストは大変示唆に富むものばかりです。P81のどのスキームというかレベルのビジョンか必要なというリスト、P88のビジョンが網羅すべきチェックリスト。そして実際のビジョンの例(P95)。どれもがいままでの自分が携わってきたものでどうだったろうか。を考えてしまいました。無意識的にクリアにしている項目もあれば、アウトなものもあります。無論、自分の置かれた立場で考えてないものもありましたが・・・。これについては実際、自分は近日中にプロジェクトを立ち上げするときにもう一度再読することになるかと思います。

第五章「アイデアの源」
ビジョンにより目標が定まると、必要要求が決まり、それをクリアするためのプランが必要です。それがアイデアです。チームでやっているところが羨ましいな、というのはブレインストーミングという機会があることです。自分の場合、マインドマップなどを使って片っ端からリストアップしてイメージを連結していくことが必要なのですが。まぁ、それはともかく、この章ではそのアイデアについて語られています。
アイデアを生み出す一因に質問があるのは言うまでもないことです。例えば部外者の方から「・・・・・・ってどうすれば上手く行きますか?」と聞かれて答えているうちに、まったく違う解決方法のアイデアを思い浮かべたことがある自分としては、自分と異なる立場の真摯な(ここ重要w)な質問はありがたいものだと感じています。
※P107の脚注はちょっとメモって、あとで見てみようと思いました。

P112を引用しましょう。
「創造的に振舞うということはしばしば、何らかの制約がある、あるいはリソースや時間が限られている状況下で作業を行い、考えられていた以上によい結果を出すための巧妙な、または上手いやり方を見つけ出すということを意味します」というわけでアポロ13の映画は鑑賞に値すると書いています。

B00005GSQ2アポロ13号
ジェームス・ホーナー ニール・アームストロング ウォルター・クロンカイト
ユニバーサルインターナショナル 1997-11-21

by G-Tools


「アポロ13」はアポロ13号を襲った大トラブルを扱った映画ですが、携わったエンジニア達の活躍が見られるシーンが数度あります。一つは、爆発事故直後、スタッフが一同に会して善後策を協議するシーン。もう一つは、船内電圧の低下に伴って二酸化炭素を吸着するユニットを作るため、スタッフが船内にあるシロモノ、つまりマニュアルからビニールテープなどを机の上にぶちまけて、「これで作るんだ!」というシーンですね(まぁ、その前に二酸化炭素ろ過フィルターの口ぐらい規格化しておけよ・・・とか思いましたけどね。致し方ないところはあるのですが)。

話が飛びましたが、良いアイデアを促すのはよい質問だ。とも書いています。クスリと笑ったのはこの言葉です「解決しようとしているのは、どのような問題なんですか」(P115)ですね。実は今日、本当にこの言葉を使うハメになったのですからね!


というわけで今日は第四章から第五章まで。第六章は週末にでも・・・。


0 件のコメント:

コメントを投稿