2006年11月24日金曜日

空母…現代の戦艦なのか(20061124メモ改題)

メモというわりには結構長くなりそうだし、自分なりの結論を纏めておかないと座り悪そうなので改題の上修正。

中国海軍が航空母艦を建造?ワリヤーグの改修工事も既に最終段階に from Technobahn
ふーん、中国ねー。しかし好きだね、あそこも。というのが正直な印象。



ちなみに、今、まがりなりにも空母の保有国ってどれだけあるだろう。と指折り数えてみた。
アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、ブラジル、中国(ここまで正規空母保有)、タイ、イタリア、スペイン、インドがヘリ空母、と。一応枠を強襲揚陸艦まで広げてヘリの運用可能とまでにすると、配備間際なのは、まぁ、韓国。あと、現在16DDHってなんですかそりゃ?見たいなもの作っている日本か。
で、そこから空母を戦力化するためには最低限2隻。まともなら3隻。欲を言えば4隻ほしい。配備-訓練-修理のローテーションが維持できないから。ってなわけで1隻かそこいら持っていてもお話にならないので、さらにヘリ空母を持っている国からも1隻程度の保有国は削ってしまおう。フランス海軍は、まぁ、<シャルル・ド・ゴール>と<ジャンヌ・ダルク>があるので、免除しておこう。と、なると、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、日本と。イギリスとフランスは航空母艦の保持のために海軍艦艇を削っているほど(イタリアはどういうつもりで・・・)だから、結局のところアメリカぐらいか・・・。
空母は価値は高いけれど、その価値そのもののおかげで足をすくわれてしまっている。
というわけで、どうして? と興味のある方で未読の方は是非この本を。
真珠湾の暁真珠湾の暁
佐藤 大輔

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の中の「シーパワーとしての空母」/「エアパワーとしての空母」がその点に触れられている。
簡単に要点を言うと、空母そのものの価値が高くなった割(High Value Unit化)に、その持ち味であった柔軟性、戦域に対する航空力投射に制限がかかるようになったということ。
またHVUであるため、任務部隊としてイージス艦など護衛の艦艇もつける必要がある。そんなわけで恐ろしく使い勝手の悪い兵器になりつつあるのではないか。という趣旨だ。
結局新興国家にしてみればわれ先にと空母が欲しいのは心情としてはわかるけれど、一時の戦艦のようなもので、実は持てはやされているころが凋落の一歩じゃないのかと思うわけ。だから一隻ぐらい導入したって護衛艦艇も込みでそれ相応の実力が無ければ、全うな相手国側にしてみればどうってことない(フォークランド紛争でアルゼンチンの空母が結局本国にとどまる羽目になったのはイギリスの潜水艦によって制海権が握られていたせい)。
まぁ、中国がその独特の海軍戦略(あー、確か前に中国の海上防衛圏構想も取り上げられていたな)上、空母が欲しいのはわかるけれど、よもや日本海軍の絶対国防圏構想みたいなシロモノを思い描いているのではあるまいな・・・とは思う。
海にはSLOC(海上交通路)もあるし、局所的には地勢に影響を受ける狭隘な場所(バシー海峡とか、マラッカ海峡とか)もあるけれど、太平洋上で島嶼を結んだ線が引けるわけでもない。海洋国家の海洋国家たる所以は、いつでも望む場所に必要なだけの兵力を展開できることであり、どこまで中国が本気なのか、空母搭載用のスホーイも購入しているというし、注目してみているべきかもしれない。
それはそうと、日本だが。言い方は悪いがこちらは中国とはまったく別のアプローチをとっていると思う。基本的にパワー・プロジェクションを考慮していないから、P-3CやP-X、F-2による、まるで冷戦期のソ連軍のような対艦ミサイル飽和攻撃でも思い描いているんじゃあるまいかと思うときがあるのだが…。これはまた考えがまとまったときにでも。

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