「トヨタ 世界一への条件 ~グローバル企業の苦闘~」
というわけで、世界展開するトヨタの社員教育を取り上げた話。色々興味深かったのでメモ。
アメリカのピックアップトラック生産のために設立されたアメリカのテキサス工場での工場立ち上げ話かと思ったら、面白かったのはタイのトレーナー養成センターで、トレーナートレーナー(トレーナー教官)として登用されたタイ人に対するトヨタ社員(こちらは日本人)との対応のあたり。いい味出してるんですよ。>タイ人トレーナー。
タイ人の新米トレーナー教官と、ベトナム人のトレーナー候補との意思疎通で、もちろん通訳も通すわけですよ。背後には定年間際の日本人トレーナー教官。マニュアル一辺倒のトレーニングじゃダメだろうなぁ。そりゃそうだろうな。と思ってみていたら、案の定、日本人教官から指摘を言われるわけですよ。
そこからはもう、ベタな日本人的世界突入。まずお互いの意思疎通が不可欠だということで、日本人教官がタイ人、ベトナム人たちを飲み屋に誘うわけですよ。歌うのは日本語のカラオケ(w
なんとか、マニュアルだけではないナレッジを教え込むことに成功したタイ人トレーナーを別室につれた日本人教官が肩を叩いて褒めるわけですよ。で、タイ人も流暢な日本語で「ガンバリマス」みたいなこと言うんです…。うわー、プチプロジェクトXだよ。とか思うわけです。できすぎだろうー。
で、そのあとトレーニングが終わって(日本人教官は定年退職)、タイ人教官はベトナムの工場へ。そこでベトナム人トレーナーと片言の日本語で意思疎通のために喋るんですよ。うわー、オレの脳内イメージだとこういう時は英語ってイメージあるんだけどなーってイメージのギャップを味わってました。
無論日系メーカーだから、当然と言えば当然だけど、海外訛りの日本語で意思疎通するアジア人の方々ってダイレクトに見る機会がなかったから、本当に新鮮でした。
…まぁ、一方のトヨタも国内のリコール件数の増加に頭を抱えているところも取り上げているんですが、逆に国内のほうが技術者のスキルも下がっているのだとすれば、これは何のせいでしょうかね。
アメリカでは高度教育を受けていないヒスパニック系移民とか、EUで言えばトルコなどに代表される移民系労働者の技術教育が問題でしょうが、一方の日本ではある程度の教育レベルが維持されているにも係らず、技術者のスキル向上があまり進まないとすれば、これは憂慮すべきことなんでしょう。
うーむ。確かに、今、自分の周りを見ても若年層の労働スキルが落ちている感覚があったものの、単にイメージに過ぎないと思っていたのですが・・・。
身の回りであったことですが、アルバイトでも単純作業もこなせない。仕事に責任感を持たない。簡単にドロップアウトしてしまう。で、そういった仕事をこなせないから長く職にもつけない。長い職にもつけないから、自分のスキルを向上できない。向上できないから、自信が持てない。自信が持てないから自分自身の未来などに対するビジョンも持てないし、スコープも持てない。そんなバッド・スパイラルに陥いっている若者(20台前半)の率が、前に比べると多くなってきているかと思います。あと、大学出、大学院ででもアルバイトにつくケースも多くなってきている)
これらは印象論でしかすぎないからなーとは思っていましたが、どうも回りの同じ立場にいる人達に聞いても同じ答え。無論、給与体系とかで恵まれている環境ではありませんから(苦笑)、そういうレベルの人しか集まらないのだ、と前に自分も言われたことがありますが、それにしても、ねぇとは思います。
教育制度のせいとか安直なことを言いたいわけではなくて、文化的成熟のせいで働くことだけで未来が確約されるわけでもない、とか(ワーキングプアとかにもつながる問題ですが)が労働意欲の減退を招いている、とか、実は中高年ばかりを使い潰そうとしているために若者に働く目がないとか、色々な理由が重なっているのかもしれませんがね。
そんなことを番組を見終わって感じていました。ああ、本来からかなりハズレてしまいましたね、こりゃ失礼。
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